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后と河 1 コミック

山中ヒコ 

治水は気になる


 治水に興味を持つ受けと皇帝の攻めの話。古代中国風な世界観(あとがきにて攻めの父のモデルが光武帝とのこと)。
 受けは治水の知識を買われて文官として採用され、同時に妹の身代わりとして後宮に入ります。その理由は、治水事業の必要性を感じていた皇帝が受けから治水の知識を得るため、ということになっていますが、攻めと受けはその前にも一度会っていて、皇太子時代に川から身投げした攻めを受けが助けたことで、攻めは受けのことをずっと探していて、恋愛的な意味でも執着していた、というのが真相でした。そのため、「行為の証拠を宦官が確かめるから」という建前で、夜の相手もさせます。
 翌日に受けが尻を痛がっているシーンがあるのでてっきり最後までしたのかと思っていたら、二巻を読んで初めてまだ指しか挿れていなかったということを知りました。だとしたら、宦官に確かめさせるためにどんな証拠を残そうとしたのかが謎です。

 皇太子が夜に皇宮を抜け出し、川に身投げしたのを受けが助けたのも、皇宮の警備どうなってるの?と思いましたし、当時なら明かりもなく真っ暗闇の中、川に落ちた人を助けるなんて普通の人間には到底無理な話に思えました。
 治水工事のリーダーの青年が字が読めず、受けが本人に「字が読めぬのですか?」と尋ねたため、部下たちが「非礼ですぞ」と受けを責め、「私は人の気持ちがわからぬ」と受けが落ち込みますが、さすがに国の大事業をトップとして任される人間が字が読めないなんてことはありえないように思いますし、過去の文献を元に方針を話し合っているのだから、リーダーが字が読めず内容を理解していないのなら、それを確認することは当然ではないかと思いました。

 皇帝である攻めの妃嬪が全く出てこないのも気になります。
 そんな感じで、ぼかしたりはしょったりしている部分やストーリー都合も多いので、話が面白くてのめり込む、というよりも、細部が気になりながら読み進めた感じでした。治水が上手くいくかが気になるので、そこがわかるまでは追いかけようと思います。

后と河 2 コミック

山中ヒコ 

職権乱用したいのかしたくないのか

 古代中国風の世界観で治水に興味を持つ受けと皇帝の攻めの話の続編。

 1巻で治水事業のために妹の身代わりとして後宮に入った受けが、受けに執着している皇帝の「決まりだから」的な言葉に騙されて夜の相手もしていましたが、まだ最後までしていなかったことが2巻で判明。まだ攻めの指しか受け入れたことのない受けは陛下を受け入れるべく閨事の勉強をします。ただ、いざそのときがきて、「臣下ですから陛下のお役に立ちたいのです」と言ってしまったがために、機嫌を損ねた陛下は「ならばいらぬ」と拒絶してしまいます。
 関係がこじれたまま、治水事業のために受けは地方に調査に出かけます。治水事業のリーダーに陛下への気持ちを語り、それは恋だと言われたことで受けは恋心を自覚し、陛下から届いた文にも心を動かされて、都に帰ったのちに「陛下をお慕いしております」と思いを告げ、ようやく二人は結ばれます。

 受けの告白を受けて皇帝も「お前の他には誰も望まぬ」と気持ちを伝えていますが、元々は治水事業のためと騙す形で受けを後宮に入れ、夜の相手もさせていたのに、受けに「臣下ですからお役に立ちたい」と言われたからと突き放すのは、執着が中途半端に思えました。
 受けの心も欲しかったのであれば、先に自分の気持ちを伝えればよかったのではないかと思います。
 1巻では他の妃嬪の存在も匂わせてあったのに今回もそこが完全にスルーされていて、モヤモヤが残りました。
 むしろBL的なところでは、真単&端正の部下コンビのやりとりのほうが萌えました。

うまくいきすぎな感じはする

 ちょっとだけSっ気のある攻めとちょっとだけMっ気のある受けのお話。

 たまたま寮で二人が同室になり、受けが二段ベッドの下の段である攻めのベッドで道具を使って自慰をしていたところ、休講になって帰って来た攻めに見られてしまいます。この時点で受けは攻めに気がありますが、知られたのは特殊性癖のことだけで攻めへの気持ちには気づかれていません。
 攻めは引かなかったばかりか、視姦プレイに付き合ってくれるようになります。プレイの後はすぐに部屋からいなくなる攻めが本当は我慢してつきあってくれているんだろうと受けは思っていて、「どう言えばおまえを傷つけずに済むのか、悩んだんだが」と攻めに話を切り出されて、ついにプレイにつきあえなくなったのだろうと思い込み、攻めの話を遮って「恋人ができそうなんだ」と返事をします。
 実際は恋人はおらず、専門の出会いサイト知り合ったS気質の男性とホテルに行きますが、それ用の道具を目の当たりにして恐怖心のほうが勝り、シャツにパンツという姿でバッグを手にホテルを飛び出します。そのままの姿では帰れないため、攻めに電話して着替えを持ってきてもらうことになり、事情を説明するために攻めへの気持ちを告白し、実は攻めも同じ気持ちだったと聞かされます。

 特殊性癖持ちの主人公の肩身の狭さや人に知られたらと臆病になる気持ちにはすごく切なさを感じましたが、元々ノンケで女子とつきあったこともある攻めが、同性の道具を使った自慰を目撃しSスイッチが入ってしまったところは、うまくいきすぎなように思いました。

 第二章ではつきあってからの話が受け視点で綴られていますが、本文にも書いてあるように、「同じ道をぐるぐる回っている話」なので、できれば当て馬が出てくるなど別のパターンの話が読みたかったです。

 誰に対しても面倒見のいい攻めも王子様キャラの受けも好感の持てるキャラでしたが、特殊性癖に関する話が大部分を占めているので、キャラに魅力を感じるエピソードは少なかったように思います。
 攻めが偶然、受けの自慰を目撃することがなければ、受けに恋愛感情を抱くこともなかったように思えました。

 あと、「どう言えばおまえを傷つけずに済むのか、悩んだんだが」という台詞は、告白しようとしている人の台詞としてはかなり不自然で、ちょっと無理があるように思いました。受けを勘違いさせるためのものだとすぐに予想もできるので、できれば読者も感情が揺さぶられるような形で勘違いさせてほしかったです。

雰囲気的にはいい話。

 β→αに変異したα×α→Ωに変異したΩのオメガバ―スの続編。
 前巻で既にお付き合いが始まっているので、今回は結婚回といった感じでした。
 強いαにこだわっているっぽい受けのお父さんに結婚の許しをもらいに行きます。お父さんは私塾をしていて、そこに通う子供たちも保護者も息子がαだと思ってるから、α扱いされてチヤホヤされてΩに変異していたことを言い出し辛くなります。攻めがお父さんと一緒にお弁当を作って子供たちと一緒にピクニックに行ったりしたおかげで親子の間の壁が薄れて、最後はΩに変異していたことも言い出せた感じでした。理解のあるお父さんなので、すぐに「今も昔も立派な自慢の息子」と言ってくれて受けの気持ちも軽くなります。

 終始、「いい話」な雰囲気でしたが、感情移入されて泣くほどではなかったです。お父さんはΩの妻(受けの母親)を他のαに奪われた過去があり、「αの中でも勝ち負けが生まれる。負けてしまうとそれだけで価値がなくなってしまう」という考えの持ち主で、自虐を含んだ言葉だと思うのですが、それを子供たちにも言ってしまうところは教育者として嫌だなと思ってしまいました。突然変異後も自ら自分の居場所を作り出しそこで輝いている攻めと受けを見て、ヒエラルキーのトップに立つことだけが人の価値や強さじゃないってことを子供たちにも伝えてくれていたら、お父さんの印象がもっとよくなったように思います。

 エモさとしても萌え的にも感情の起伏はなかったですが、ハピエン後の番外編としてはこんなもんかなと思います。

草食系俺様攻め?

 会話が足りない系の両片思いかと思ったら、攻めの方はかなり前から受けが自分に気があることに勘付いていたようなので、蓋を開けてみれば受けのこじらせ片思いなお話でした。

 攻めの遠藤と受けの昴大は元々、同じヘアサロンに勤める同期でした。遠藤は大学を中退して美容学校に入ったので、昴大より二つ年上。
  昴大は子供の頃、両親が不仲で、家庭をギスギスさせないために明るい道化を演じていたような気遣い屋。
 一方の遠藤は美容師として腕がよく努力もしていますが、愛想はなく無口で、客や職場の先輩に対しても思ったことは歯に衣着せずに伝える、 昴大とは真逆のタイプ。

  昴大の父親が亡くなり、急に仕事を休むことになった際、遠藤がお客さんを引き受けてくれて、普段と違って客の希望も聞いていたという話を聞き、 昴大は遠藤への恋心を自覚します。
 その後、美容室を経営していた遠藤の母親が亡くなり、母親の美容室を継ぐためにサロンを辞めることになります。送別会の席で、不愛想な遠藤が一人で美容室をやっていけるのかという冗談から、その場のノリで昴大が遠藤の店で雇ってもらう話になり、 昴大の秘めた恋心を察している先輩の後押しなどもあり、昴大も都内のサロンを辞めて遠藤の地元についていくことになります。

 遠藤には地元に家族ぐるみの付き合いの女性の幼馴染がいて、昴大は遠藤がその子と結婚するんだろうと思い込みますが、結果的に彼女が好きなのは昴大の方でした。その子に告白されたことをきっかけに誤解が解け、運転免許を持っていたのに遠藤に送ってもらうために免許を持っていないと嘘を吐いていたことを遠藤に知られてしまった弾みから、昴大が遠藤に告白し、実は遠藤も昴大のことがずっと好きで、かなり前から昴大の自分への気持ちにも気づいていた的なことを言われます。

 無愛想で反感を買いやすい遠藤を陰日向にサポートし、地元について行って遠距離恋愛の恋人がいると嘘を吐いてまで傍で支えようとする昴大にはすごく切なさを感じましたが、告白されて、「告白はお前から、キスは俺から」的なことを言う遠藤の心情には頭を悩ませました。恋愛で手痛い経験をして臆病になっていたり、昴大に彼女がいる話を信じていたりしていたのならまだわかるのですが、両想いだと自覚していて、5年もの間、何のアプローチもせずに(地元について来たのも昴大から言い出したことなので)相手の告白を待ち続けるのは、よっぽどの草食系に思えます。それなのに両想いになった途端に性欲的なところではかなりがっつくので、誰コレ?な戸惑いが強かったです。
 東京の人気サロンの中堅どころといった安定したポジションを捨ててまで地元についてきてくれて、緩衝材として不愛想な自分をサポートして店を盛り上げてくれていることに感謝しているのなら、もっと早くに気のあるそぶりを見せて昴大を幸せにしてあげてほしかったです。

 昴大がすごく健気で一途で好きなキャラだったので、遠藤のほうももう少し誠実さや一途さが垣間見えるキャラならもっと好きな話になったかなとちょっと残念に思いました。

気持ちがおいてけぼり

 前巻で最強吸血鬼のメイを人間にし、メイの力を引き継いだ小夜さん。山寺君はせっかく呪いが解けたのに、吸血鬼になりたい願望を捨てきれず、小夜さんの前で自分で自分の首を切りつけます。彼の狙い通り、小夜さんは山寺君を助けるために彼を吸血鬼にします。山寺君は吸血鬼になったものの、精神が子供化してしまいました。
 彼の失った記憶を元に戻すために小夜さんは彼が育った養護施設に行き、彼が子供の頃、虐待されていた事実を知ります。

 小夜さんがメイの力を引き継いだことを知り、新たな真祖(伊達さんを吸血鬼にした人)が現れて小夜を連れ去ります。そこで山寺君の記憶も元に戻りました。
 今のところ、小夜さんよりも山寺君のほうが吸血鬼の力を使いこなせていて最凶吸血鬼誕生という感じです。

 山寺君の生い立ちには同情しますが、彼はもう何度も小夜さんに救われていて小夜さんの愛情(今のところ恋愛未満)を注がれているのに、1巻から通して精神面で成長している感じには見えません。小夜さんが彼を吸血鬼にするシーンも、夢が叶ってよかったね、という気分にはなりませんでした。
 山寺君が吸血鬼になったことで、より相互依存の度合いが増した感じですが、今のところ気持ちがおいてけぼりになってしまっている気がします。次巻に期待。

幼馴染推し

 推しカプ(つき合ってない)を愛でる腐男子視点の話かと思ったら、腐男子君が部屋の壁ではなく、推しカプの間の壁(障壁的な)になってしまうお話でした。

 推しカプは幼馴染同士で二人とも腐男子君とは大学の同級生。腐男子君は仲良しの二人を見守りながらそれをネタにこっそりBL小説を書いていて、完全にモブポジションでしたが、アパートの立ち退きで引っ越すことになり、引っ越した先が推しカプの受けである理久君の隣でした。それから理久と仲良くなり、ある日突然、つきあってほしいと告白されます。理久君がそのことを幼馴染(腐男子君の推しカプの攻め)であるヒロキ君にカミングアウトしたところ、「俺の理久なのに」「別れろ」と脅されます(ヒロキ君は理久君が好きっぽい)。
 理久君とデートをしたりキスをしたりして腐男子君は理久君のことを本気で好きになっていってる感じのところで1巻は終わっていました。

 今のところ、何で理久君が腐男子君を好きになったのかわからないし、好きでもないのに告白を受け入れた腐男子君のことも、二人を応援してたんじゃなかったの?と同じ壁ポジション(腐女子)としては思ってしまうので、誰にも共感しにくい感じでした。
 腐男子君と同様に幼馴染カプを応援していなければ、楽しく読めます。

変わらない2人が好き!

 大好きなシリーズ。3巻まで出してくださり、本当ありがとうございます。
 お医者さんごっこからの同期飲み会で久賀先生の同棲の話を聞いた伊達先生が、同棲の話を持ち掛ける流れでした。伊達先生らしく「効率的」という合理的な説明なので、高倉先生は素直にうんとは頷けません。
 そこから伊達先生が1週間の海外出張になり、高倉先生が家主不在の家に行って、テレセクなどして離れている寂しさを実感し、同棲を承諾することとなりました。同棲後はデートする暇もないくらいの蜜月状態でした。
 子供の患者に怖がられる伊達先生とフォローする高倉先生は、つきあっても院内での立ち位置は変わらないのねと思って面白かったです。

 誰もつけ入る隙がないくらい関係性は安定していますが、二人とも普段がお仕事優先で頑張っているからか、毎回新鮮な気持ちで読めます。久賀先生と赤絵さんのその後も読めてよかったです。

攻めが急にスパダリに

 β→αに変異したα×α→Ωに変異したΩのオメガバ―ス。
 二人は同じマンションに住んでいて、Ωに変異したばかりの受けが発情したことからαがヒートに巻き込まれて関係を持ちます。番にはなっていません。

 受けはΩになったことでエリート街道から外れますが、悔しさを抱えつつも、異動になった部所で頑張っています。攻めはαに変異したことで生殖能力がなくなり(何故そうなったのかはよくわからない)、付き合っていた女性にフラれたようです。αになったことで急に周囲の態度が変わったことを受け入れられず、なるべく人に会わずに家でSEの仕事をしています。

 番がいればΩでも出世できるかもしれないことを知り、受けは攻めに番になることを持ちかけますが、攻めは「俺はお前とは違う」と拒絶します。
 その後、攻めの家を訪ねた受けは、抑制剤の過剰摂取で興奮状態となった攻めに襲われそうになり、「αになんかなりたくなかった」という攻めの訴えを聞き、関係を持ったあとに「今まで悪かった」と別れを告げます。

 二人はしばらく会わずに過ごしますが、受けが同僚に襲われそうになっていたところに攻めが助けに来て、落ち着いた頃に攻めのほうから「お前の番にさせてほしい」と告白します。受けと会わずにいた間に攻めはαである自分を受け入れ、外で仕事ができるようになっていました。

 攻めが受けと出会ったことでαである自分を受け入れることができた、という話の流れは理解できましたが、距離を置く前はかなり本気で受けのことを拒絶していたので、急にスパダリになって受けを助けにきて、番になることを申し込んだことに、唐突な印象を受けました。オメガバ―スのαという点では、攻めのキャラとしての魅力が薄かったです。

売り専の客とキャストから始まる恋

 売り専の受けと、客である攻めの話。客にドタキャンされた受けが酔って道で蹲っていた攻めに声をかけて介抱し、「俺を買わない?」と誘ったところで売り専の客とキャストという関係が始まります。お互いに相手のことを本気で好きになっていたようですが、攻めが海外に転勤することになり、結局は転勤のことを告げずにいなくなります。
 五年後に攻めが日本に戻って来たところ、受けは同じ会社に就職していました。攻めは再会後すぐからやり直したいことを伝えますが、受けは攻めがいなくなった後、ヤケになって無茶な接客をしていたらしく、その頃に戻りたくないという思いから拒絶します。

 最後は攻めが希望で部所を異動することになり、以前、受けにもらった指輪を返しますが、受けは「持っていてほしい」と再び渡そうとします。そこでようやく、自分なんかが恋人になってもいいのかな、という本音を伝えることができ、攻めの気持ちを受け入れることができました。

 一途な攻めは好きですが、まっとうな人間になろうと思って売り専をやめて就職したのに、職場(会議室か資料室的な公共の場)で自慰をする受けには、社会人としてありえないと思って、あまり好きになれませんでした。