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最後の話がなければ「萌」か「中立」だったかも

本編の哲学要素が表面的すぎるのはキャラクターの可愛さでかろうじてスルーできましたが、一番最後の話で丹くんの恋人の定義が「24時間一緒にいたい」「喜怒哀楽を分かち合いたい」「クリスマスデートしたい」だったのがとてもがっかりでした。
丹くんって哲学科で院進したいと考えていて、かつ魂の片割れを探しているゲイのキャラなんですよね?
つまり、世の中で普通と言われていることについて「本当にそうかな?」と突き詰めて考えることが好きで、ヘテロ至上主義の世の中で自分の恋や愛についてもこれまで散々考え尽くしてきたようなキャラってことですよね?
なぜ作者は丹くんにこんな発言、特にクリスマスデートしたい(!?)なんて発言をさせたんだろう???と頭がハテナだらけになります。
愛や恋の定義が人によって違うのは当然ですが、それにしても哲学徒キャラのくせに言うこと浅……(言い方悪くてすみません)と退いてしまい、それに簡単に同意する能美先輩に対しても、いやアンタ優秀な学生なんじゃないの?対話が好きなんじゃないの?自分なりの恋人の定義あるでしょ?と思ってしまい、ここで作品そのものについての信用を無くしました。
キャラクターが自分たちの哲学を語るシーンがあるわけでもなく、恋人の定義にすらキャラの哲学を感じられないのに、わざわざ哲学科のボーイズラブにした意味とは……?もしヤクザBLがヤクザ要素なしで成立する話だったらきっとがっかりする人が多いように、哲学科BLという部分に惹かれた自分としては、これはちょっと……。
恋は人をダメにするっていうことなんでしょうか。せっかく特徴的なキャラ設定なのに描かれ方がブレブレで、商業的には成功しているかもしれませんが作品としては……と個人的には思います。
運命の人を探してる経済学科BLでも問題なく成立したのでは。