単なる2人の間の恋や愛の物語ではなく、過去のしがらみから解き放たれて、2人で見たい景色を見る、そのための道すがらで起こる、様々な出来事、それによる心情の変化が、とてもリアル且つ詩的に、そして繊細に描かれている作品で、とても惹き込まれます。
心情描写が丁寧な上に絵のテイスト・タッチが写実寄りなため、登場人物の感情がダイレクトに伝わってきます。思わず胸が締め付けられる程感情移入してしまう場面もありますが、そういうシーン(の描写)は殊に美しいと感じています。
【以下ネタバレ気味!】
これ程までに重く暗いものを背負って2人だけで生きていくには若過ぎた2人が、何を感じ、何に突き動かされ、最後に2人は何を思うのか。
2人が2人で生きた時間は激しくも温かく、目頭に熱いものを感じました。