ずっと気になっていたものの怖くてなかなか読めずにいました。
前半は読んでいてキツかったです。最後まで読めるかな、と漫画で初めて思いましたが、にいちゃんの過去やゆいの強さが見えてくると意外とすんなり読むことが出来ました。
個人的には2人が幸せそうだったのでハッピーエンドだけど、手放しでめでたしとは言えない。この本の最後の時点ではハッピーエンドだったけど、これからバッドエンドに向かって行く道に足を踏み入れてしまったような感じです。
彼らが異常とされる世間に抗った結果、2人の愛が行き着く先はあそこしかなかったのかもしれません。
でも、私たちにとってはバッドエンドとも捉えられるこの結末は彼らにとってはハッピーエンドかもしれない。この結末を悪いと考えてしまうのは彼らの結末は一般的、いわゆる普通の恋物語とは大きく違っているから。それなら"普通"ってなんだろう?普通じゃないなら、世間と違ったら幸せにはなれないのか?…とか、色々と考えてしまいます。
人の複雑な感情や衝動、本能の渦巻くようすが描き表されています。語彙が乏しいので上手く言えませんが、すごいです。本当に何とも言えない気持ちになります。BLの枠にとどまらないけれど、BLだからこそ暗さ、重さが出せた名作だと思います。