読むのを楽しみにしていた分、辛口評価になります。
まず申し上げたい素晴らしい点は、壮大な世界観であること。作り込まれている分、時間を忘れて没頭してしまいます。数多くの登場人物が出てきますが、キャラ設定がしっかりしていて、人数の割に混乱しません。
最初に想像してしまうような、受けが攻めに後宮で愛される単純なストーリーではありません。繰り返される悲しい歴史に何とか抗おうとする、愛する人を守るために何度でも立ち上がろうとする人間の物語です。
そうであるからこそ、肝心な主人公セナの描写がどうしても弱く薄く感じました。男勝りで跳ねっ返りなのか、儚いけれど芯があるのか、人物像が最後までイメージできず…なぜアリオスがセナに惹かれたのかも…いまいち納得できませんでした。
ジグルトとセイジュが主役かな?と思うくらい途中出てこなかったりして…
あと私が集合体恐怖症なので、鱗病の描写がきつかった…
でも佐伊先生の描く作品は好きなので、これからも追いかけていこうと思っています。