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全体の流れや関係性は凄く好みです。ただ……(長文です)

初めての漫画家さんを意欲的に開拓している最中で、こちらの先生も既刊は未読です。
好印象も悪印象も培われてない状態での、新規読者のレビューとして、参考にして頂ければ幸いです。

今作は、Xでの試し読みが初見だったのですが、その時点で圧倒されたのは絵柄の完成度でした。
元々、BL界では人気がある先生らしいという前提からも、安心して読めるだろう、と感じさせて貰える空気。
序盤で登場したワンコの愛らしさにも心を擽られ、よし、と紙本の購入に踏み切りました。
ですが、実はこの時点で、作中の情報に『?』と首を傾げる部分があったものの、そこはきっと読む内に解答を得られると考えた次第です。

発売日、書店で御本を早速入手し、じっくり読み進めました。
当初抱いた感想通り、人物の描線などは本当に細部まで端整で、その方面では不満は一切ありません。
序盤から終幕までの一連の雰囲気もとても私好みでしたし、エロに偏らずあくまで二人のペースで一歩ずつ育む恋という点だけなら、神評価もつけられたと思います。

しかし、試し読みの段階で湧いた疑問は、結局、最後まで解答が得られず。
更に申し上げるなら、攻めが『最初から受けの勘違いを知っていた』とわかった瞬間、そこに至る攻めの全ての行動に『う~~~ん???』と唸ってしまいました。

ちなみに、疑問とは、受けの陽翔が『何故、送信先を間違うようなミスをし得たのか』という点です。

今作では、女子の名前と男子の名前が『読み方が違うだけで漢字は同じ』という設定が最も重く働いています。
が、そもそも、LINEへ登録する名前を、笹原は何故『碧』にしていたのでしょう?
友達からも苗字で呼ばれている様子ですし、特に名前呼びをするような親友もいない彼が、敢えて、誰も呼ばない名前で登録するでしょうか?
しかも、笹原よりずっと交流範囲が広そうな陽翔は、逆に、LINEの登録名をフルネームにしていますよね?
(笹原がLINEを受け取った際、画面の『熊井陽翔から新規の受信がある』表示が作中で確認出来ます)
勿論、真面目な性格を反映して、とか、諸々の理由で、陽翔はフルネームでの登録を選んでいたのかもしれません。
が、笹原の環境なら、級友に通りが悪い名前ではなく、周囲の全員から呼ばれる苗字のみか、陽翔のようにフルネームでLINE登録しておく方が自然なのでは?……と。
それでは(今作の根幹となる)大いなる勘違いネタを発動させられない、と理解は出来ても、伝わり難い名前で登録する不便を避けない子だろうか、と、違和感が強く湧いてしまいました。

また、別の視点からだと、陽翔は何故、林さんの連絡先として『碧』のアドレスを入手していたのかも疑問です。
作中でわかる範囲だと、同じクラスではない(過去になった事はあるかもしれない)レベルの異性のLINEを、事前に全て登録していたのでしょうか?
クラス用のLINEなら存在しても、学年が同じだけの、違うクラスの女子まで網羅させるのは(利便性の面で)多過ぎませんか?
それなら、むしろ、手元に既にある『碧』は、同じクラスにはなった事がある笹原(同性の同級生)のアドレスだ、と覚えている可能性の方が高くはないでしょうか?

以上の疑問から、試し読みをした際、どうして陽翔は『碧』の連絡先を林さんだと最初から思い込めたのか、正直本当に不思議でした。
男子よりも女子の方が、苗字ではなく名前で気軽に登録したくなるものかもしれませんが、クラス用のLINEなら苗字の方が相互に認識し易い気もしますし。
今作のような、名前のみの登録の『碧』を『異性の林さん』だと疑わず誤認する為の、もう一段階(間違えても仕方ないと読者が納得する)『林さん本人から教えて貰ったアドレス』と記憶違いするような描写が欲しかった、と感じます。
単純に考えたら、そこまで(林さんだと思い込んで)会話を始めるには、登録の仕方の説得力が(あの冒頭だけでは)弱いかなぁ……という惜しみが猛烈に残りました。

また、上でも触れましたが、私は、笹原が真実を告げるまで完全に『彼は知らない』と信じ込んでいました。
だからこそ、初めて真っ当に同級生と恋を始められた彼の高揚、恋人に理解して貰える歓喜、キスしたくなる衝動、全てすんなり読めました。
それが、なんと、交際前(初回のメッセージ)の時点から『勘違いに気づいていた』とわかり、笹原の印象が激変してしまったんです。
自分を(淡く想う)女子と間違えていると察した上で恋人となった笹原が、陽翔に仕掛ける何度ものキス。
交際の入口で、笹原は、陽翔が(ほんの軽いキスや接近でも)真っ赤になる程に初心だと酌めていますよね?
その上で、本当は自分に恋情など抱いてないと知りつつ(※陽翔に芽生えつつある思慕には気づかぬまま)唇は積極的に奪う彼の心境に、私は『抵抗』を感じてしまいました。
告白は勘違いでも、極度に初心な子だと察したのなら、キスはもう少し抑えて欲しかったというか、言うに言い出せなくなっている陽翔の唇を大事に(なるべく奪わず)扱ってあげて欲しかったというか。
全く事情を知らなかった時点では共感一色だったキスシーンが、全て承知しながら(益々陽翔に真実を言い出せなくさせるかのように)重ねていく笹原に、当初の彼との印象が乖離してしまって。
恋愛に不慣れだからこそ、不器用な接し方になってしまったのかな~と好意的に見られはしても、苦手意識が滲んでしまうのが否めませんでした。

笹原も、陽翔も、かなり奥手で互いに一生懸命に慕い合える人物像そのものは凄く好みでした。
それでも、LINE登録の仕方の違和感、笹原の察しの良さから生じた後の言動への抵抗は消えませんでした。
なので、全体の評価としては、萌、で留めさせて頂きます。
笹原が陽翔の勘違いに気づくタイミングが、もっとずっと(互いに後戻り出来ない位に)相愛になってからなら良かった。それが本音です。

第1巻の時点で、攻めの『恋愛観』に疑問を抱いてしまいました

XでTLに流れて来た試し読みで『面白そう』と惹かれ、購入に至った、初めて存じ上げた漫画家さんのBL。
世界観を共有する別作のスピンオフらしい、との情報を後から知りましたが、そちらは未読の為、純粋に今作のみのレビューとなります。

一度、最後まで読み終えた後、確認したい点があった為、もう一度読み返してみたのですが。
正直、購入前に『こんな子かな』と想像していた舜平(攻め)の印象とずれてしまった感が否めませんでした。

舜平は、何故、達巳に恋をしたのか。告白したのか。
その辺りに関して、舜平本人は『誰かにこんなにドキドキした事はないし、触りたいと思った事もない』と初めての感覚を前面に押し出して打ち明けています。
今回、私が紙本の購入に至ったのも、大型ワンコ系攻めの『(特別な恋心を知った)初々しさ』の更なる描写に強く期待した為でもありました。

しかしながら、第1巻の終盤、舜平の意外な『惚れ易さ』が露呈してしまうんです。

羞恥や葛藤を乗り越え、自らキスする勇気を発揮する事で、舜平との進展に踏み出した達巳。
直後、自分に対する思慕が『初恋なのか?』と頬を染めて問い掛ける達巳に、舜平は……いともあっさり否定。
そればかりか、過去に恋心を抱いて来た相手の名前を大量にずらずらと(惚れたエピソードも細かく添えつつ)並べ始めてしまいます。
これには、交際を決意したばかりの達巳は勿論、読者の私も、唖然とさせられました。
ドキドキしたのも触れたいと思ったのも、達巳先輩が初めて、と序盤で口説いた同じ口で『優しくしてくれた人達に恋をして来た遍歴』を指折り教えてしまう舜平。

貴方にとって、恋とは……何なんですか?……と。
読者として、胸元を掴んで問い質したくなる、驚きの展開でした。

思い返せば、序盤で、舜平は確かに『人を好きになるのに高尚な理由なんていらねぇだろ』という姿勢を示していたんですよね。
この台詞を読んだ当初なら、特に疑問も持たず、逆に格好よくキメた印象も酌めました。
でも、まさか、そこでの発言が『受け以外の男女にも沢山の恋をして来た』前提にも絡むとは考えもしなくて。
何かしら自分に優しく接して貰えたら、その度に恋をして来た舜平の、たった今正式に付き合い始めた『恋人』への余りにあっけらかんとした告白に、序盤の印象との格差に、猛烈に困惑させられました。
そりゃ、自分に初めてドキドキしたと本人から宣言されていた(=きっと自分が初恋だろうと期待させられていた)達巳が、ショックの余りブチギレて、交際の即時断絶を言い渡しても仕方ないというものです。

舜平にとって、恋とは、何なのでしょう?(脳内でリフレインする疑問)

今までの恋愛の対象にはドキドキもしなかったし、性的に触りたいとも感じなかった、という『達巳との違い』は、本人の言でわかります。
でも、過去のそれらを、舜平は『好意』ではなく『恋』だとはっきり区別して認定している。
ならば、達巳先輩との恋も、舜平にとっては『数多く芽吹かせて来た恋心の最新の一つ』に過ぎないのでは?
もし、めでたく交際に発展しても、舜平の惚れ易さは維持され、達巳以外の『自分に優しく接してくれる出会い』に次々と新しい恋をしていくのでは?
そんな、受けだけを果たして一途に愛し続けてくれるのか怪しんでしまう裏切りの未来の可能性を、今作の攻めには見出してしまいました。

舜平にとっての、好意と恋の違い。
今までの沢山の恋と、達巳に抱いた恋の決定的な違い。
それらが、もっと明確に今後の展開で描写されない限り、攻めの『心変わり』を疑ってしまう不安が拭えず、評価が低めになった次第です。

伴侶に対して双方向に『誠実』なカプを好む私にとって、今作の攻めの『悪びれない惚れ易さ』には、複雑な後味を齎されてしまい、大いに期待しての購入だっただけに残念でした。

発売日から何度も読み直した結果、評価が少しだけ上昇しました(長文です)

題名に書き添えた通りの長い語り。最大文字数の2400を満たしています。
お時間を割いて頂ける方、今作の率直な評価を貪りたい方は是非。



恋つも続編(今作)を読まれた方の大半がお仲間だと思いますが、私も鈴丸みんた先生の大ファンです。
先生がこれまでに出された商業BLの単行本も、全て購入しています。
その中でも、本編の恋つもは先生の御本で三指に入る大好きな作品で、続編も、本当に、ほんっっっとうに、発売を楽しみにしていました。
完結後に最初から最後まで通して溺れたかった為、単話の時点では情報を得ず、紙本の発売日に購入して拝読しました。

その直後、初回の読了での感想は、こちらで『趣味じゃない』に投票された方々とほぼ一緒です。
皆さんが、嘆きと共に丹念に挙げられた『ロウのやらかし』は、私にとっても非常に残念な内容でした。
実際に低評価のレビューをされた方々は、私が続編で感じた不満を、冷静に客観的に、びっくりする程に丹念に言語化なさっていて、ロウの言動への批判の数々も、どれもこれもウンウン頷かせて頂ける理由つきでした。

恐らく、私自身も、同じ時期なら『趣味じゃない』で延々語っていたと思います。
本編後のロウと佳乃の甘い未来を存分に吸収したいファンとしては、続編での『読みたかった展開と違う』比率が予想外に多かった為です。
こちらのレビューも、発売直後は、みんた先生の御本では異例の『最低評価が神評価を上回る』事態になり(今は逆転)、衝撃を受けた方が多いんだな、と安心感に似た想いも抱きました。
その、集った批判に背を押され、自らも即座に最低評価をつける……まではいかず。
今は、せめて少し落ち着くまで星もレビューもつけずにいて、正解だったな、と感じています。

大好きな先生の漫画、しかも大好きな作品の続編に、より多く長所を見出したい。
そんな希望に縋り、改めてじっくり数回読み返した今、評価が一段階だけ持ち直しました。

とはいっても、それは、ロウの対応への辛口評価が私の中で消えた訳ではなく。
佳乃と、先生が『当て馬』として扱われたニコ、この二人への好意が明確に膨らんだお陰です。

今作で、結ばれた恋仲に不穏さを齎す『当て馬』として初登場した、ニコですが。
彼は、当て馬役でありながら『当て馬になろうとする言動は一切ない』子なんですよね。
もう、ひたすら、ロウが自ら『ぶち当たりに突撃している』だけなんです。
ニコが煙たがろうと、冷たく遠ざけようと、ロウの意志で『絡みつきに動いている』のみ。
対するニコは、最初から潔い位の『常識人』。
当て馬ならではの嫌味どころか、むしろ、徹頭徹尾、個人的に凄く好ませて貰える冷静で大人なキャラでした。
初対面時の(毛髪が生えない人や失った人に無配慮の)ロウの暴言を叱り『慎重に』と厳しく窘めていますし、距離の保ち方、相手の立場での言動を、同い年でも社内では7年後輩の新人に教えてくれています(親切心からではなくても、社会人駆け出しのロウには必要な『後輩を成長させる指導』だったかと)。
本来、推しカプを裂く当て馬は苦手意識を刺激するものですが、今作のニコには、登場する度、逆に『いい子じゃないの~』と惹かれました。

純粋に、ニコという個人に注目すると、彼は、当て馬らしくない『清い』脇役なんです。
スイの店で佳乃も伝えた通り『君は悪くない』、侮辱的な暴力男を愛してしまった為に傷つけられて泣かされる不遇のゲイなだけで、在り方の魅力は作中の随所で示唆されています。

正直、賛否両論を巻き起こした今作での初登場、という形でさえなければ。
みんた先生の新キャラとして、読者の方々も、あのニコが幸せな相愛を掴む姿(未来のスピンオフ)を隔意もなく全力で待ちたくなったんじゃないでしょうか。
ただ、何しろ、ロウからの『ニコが気になる(not恋愛)から接したい』という行動力が強力過ぎて、芽生えた嫉妬に困惑して溜め込んだ佳乃は勿論、強制的に新人に宿泊されてしまったニコも悪くないのに、批判も多い今作は、ロウだけじゃなく『ニコも好めない』と印象に影を落としてしまった感が拭えません。
もっと、ロウと佳乃の進展とは別軸の新鮮な恋物語として、ニコとスイのスピンオフは読者の歓迎一色で匂わされて欲しかったです。

更に加えて、今作は、本編のスイが好きな読者からすると少し疑問が湧く作りでもありました。
何故、スイがニコに既に心を動かされているのか、が謎のまま『いつの間にかスイに片想い相手が爆誕している』片鱗だけが示された感が強く、そこも惜しかったです。
ニコのSNSをフォローして熱心に追う以上、何かしらの切っ掛けでスイはニコを知った筈ですが、スピンオフがあるなら、彼がニコに関心や慕情を持った経緯、ニコがスイに興味を持つ過程も手厚く描写して頂けるように願います。
どちらも、単体なら凄く魅力的ですし、ニコは特に(他人の恋人を泊まらせてしまった件で)自発的に佳乃に謝罪して頭を下げてくれた誠実さで好感度も高いので、今度こそ掴む幸せな恋を応援したいです。

ひとまず、ロウには、誰かの家に泊まるのに布団を買って持ち込むのはやり過ぎでは? と訊きたい。
正直、慰める宿泊名目で持ち込まれた布団に『床やソファじゃないの!?』と仰天しました。
もしやあの布団、後々にスイがニコの部屋に泊まる時まで処分されず、焼餅が再燃するアイテムになるのかな……とすら邪推。

細々と可愛かった佳乃に関しても、もう最終話に至ってから、慣れない性行為でロウを繋ぎ止めようとしてしまう不安が爆発した先、かなり駆け足の締め括り。
五話で収束させるには、円満解決のページが不足だったかな、と。
まだまだ、初恋同士のロウと佳乃は懇ろに話し合う必要がある恋なんだな、と思わされましたし、期待した穏やかな蜜月には遠かったという事で。
今作の評価は、佳乃とニコで最低評価は免れたものの、中立で留めさせて頂きます。