上下巻まとめての感想です。
今日、日曜の午後に読み始めて一気に読み終わってしまいました。
一言でいうと「衝撃」でした。
思わず息を呑んでしまう場面が何回もあり、読み終えた今も胸に苦しさが残っています。
これ、ほんとに「月に笑う」の惣一さんなんですか…。
上巻でも可哀想な人だと思ったけど、下巻でえげつない追い討ちをかけてきましたね。
嘉藤は忠実な部下ではありますが、ヤクザとしての惣一を慕っているのであって、彼の性癖や私情については敢えてなところもあれど、辛い当たり方をすることが多くて複雑な気持ちで読みました。
「月に笑う」時点ではどん底に落としてやりたく思えた惣一さんでしたが、「灰の月」では惣一さんにはもっと幸せになってほしかったなぁと思う気持ちも残りました。最後に愛だけが残ったのは救いなのかな…。
草間さかえ先生の原作が好きなのと、キャストが気になったので聴きました。
攻の大人な色気ボイスと包容力に包まれる素敵なCDでした。
1組目は、新垣樽助さん✕阿部敦さん。
真面目だが思い込んだら一直線な若手裁判所事務官と、彼の目から見ると怪しげだが親切な隣人のお話。
新垣さんのいつもより低めな大人ボイスに酔いしれました。
個人的には、原作の時点では何となく山田の方も低めな声をイメージしていましたが、未熟さのある後輩という点では阿部敦さんの声は合っているのかも。
2組目は、川原慶久さん✕興津和幸さん。
弟の自死の理由を探そうとする裁判所書記官と、真相を明かせずに彼を手伝う刑事のお話。
川原さんのイケボに耳と心を癒されつつ、打ちひしがれた兄役の興津さんの演技力を存分に堪能できました。
裁判所の2人は先輩後輩なので、この4人が絡むエピソードもあって、それもまた贅沢なところ。興津さん演じる里村書記官が後輩の山田をえらく可愛がっていて、新垣さん演じる高天を牽制しがちなところが楽しいですね。
キャストトークでは、川原さんが妙なテンションでボケているのが印象的でした(「蛇喰い鳥」しか聴いたことがなかったので…)。