理想が高いゲイの婚活ラブコメ。
こんなタイトルですが、主人公から見て理想じゃないのは職業が農業という部分だけで、はたから見たら理想ど真ん中と言っても良いくらいの好条件な相手とのお話でした。
色々と波乱は起こりますがそれほど大事にはならず、思いのほかアッサリしたストーリー展開。
主人公がやや応援し難い性格でしたが、お互いに良い影響を与え合っていることが伝わってくる二人だったので最終的には祝福することが出来ました。
主人公について、コミカルさである程度カバーされていますが、自分本位かつ相手の職業(農業)や将来性という曖昧な部分について失礼な言動をしています。
農家について偏見を抱いていることについては、 過去回想で理由が明らかにされているので多少は受け入れやすかったのですが、納得出来るかと言うと微妙なところでした。
年下幼なじみと社畜サラリーマンの再会から始まるラブストーリーです。
恋愛要素は良かったです。
メインキャラクター二人ともに好感を持つことが出来ました。応援しやすい人物像で読みやすく、ハッピーエンドをしっかりと祝福することが出来ました。
しかし、仕事関連ではモヤモヤが残りました。
主人公がパワハラに合っている描写が恋愛作品としてはかなり多めだと思います。
個人的にパワハラ描写自体は作品として特に問題なく読めたのですが、主人公が仕事を辞めたあとのほんの僅かな描写によってかなりモヤモヤしてしまいました。
それは、主人公が退職したことで職場環境が改善されたと取れる同僚の発言です(退職者が相次いだことで上長から批難された結果上司が優しくなったらしい)。
改善したこと自体は良い事だと思いますが、そもそも上司だけの問題だったのかという疑問と、傍観者のような言動の同僚と、主人公が踏み台になったことでマシになったと言う事実に言い表し難い微妙な感情が湧き上がり、読後感がやや悪くなってしまいました。
悪ふざけで親友の胸を触っていたら恋に落ちてしまうお話。
男の胸に着目した作品はガチムチものが多いかと思いますが、こちらはかなり控えめな筋肉量なのでガチムチなキャラデザが苦手な方でも読めそうです。
エロコメ的なタイトルと表紙ですが、エッチなシーンは少なめ、コメディ色もそこまで強くないと思います。
想像していたよりも単調な印象のお話でした。
私はもっとアホアホなコメディが好きなので少し物足りなさを感じました(十分おバカではある)。
しかし、キャラクターはふたりとも可愛らしく、平和なストーリー展開なので最後まで楽しく読むことが出来ました。
最初から最後まで仲の良い二人組で微笑ましかったです。
共通の友人が複数人登場しますが、当て馬などにはならず、基本的にメインキャラだけでまとまっているお話です。
ストーリー上そこまで深くは関わってきませんが、友人の女子生徒が腐女子で受けの恋愛相談に乗っている描写があるので、もしかしたらその辺が苦手な方も居るかなと思いました。
親衛隊が存在するほど大人気のイケメン高校生マシュー様(表紙の人物)と、その友人で平凡な高校生勇仁の青春ラブコメ。
登場人物全員魅力的。波乱はあっても悪人はおらず、安心して読める平和でかわいいお話でした。
テンポが絶妙な作品で登場人物が多く賑やかにも関わらず騒がしさは無く読みやすかったです。
当て馬のような人物も登場しますが悪人ではありません。周辺人物全員で二人を見守っているような内容で微笑ましかった。
キャラクターの描写も上手な作家さんだと思います。
ここぞというところでの表情がとても良く、それ以外の部分でも節々で視線から感情伝わってくるような描写のある作品でした。
作中描写でほとんど両想いの二人ですが、明確に付き合うところまでは到達しません。にも関わらず満足感のあるラスト(もっと読みたくはある)。
終始本当にちょうど良い温度感でお気に入りの作品になりました。
ホラーBLアンソロジーの第3弾。
7作品収録。電子で196ページ(表紙等込み)。
過去の東京戦慄奇譚と比べると満足度が低下。
ホラーの種類や描写、シチュエーション、ストーリー展開などは作品ごとに異なるのですが、まとめて読むとどことなく似通って感じてしまうものが多く、アンソロジーとしてはやや退屈でした。
恐怖描写は人間が人間に直接危害を加えるものが多く、怪奇現象的なオカルト要素によるものは少なめ。
恋愛要素は霊的なものに起因するものが減少。
物語開始時点で恋人同士の作品が多く、恋愛面での突飛さが減りました。
短編なので深堀はされませんが、BLとしては読みやすい作品が多くなったと思います。
宇良たまじ先生の作品のみかなり短く、最初は不満を感じましたが、アンソロジー全体として見ると丁度よい休憩ポイントだった気がします。
順不同に誰かの地雷になりそうな要素を簡単にまとめると、流血、首絞め、刺殺、絞殺、自殺、死体、骸骨、ゾンビ、切断、臓物、肉体崩壊、カニバリズム、女性への暴力表現、バッドエンド、メリバ。
ほとんど全ての作品に流血など人体への直接的な恐怖描写がありました。
かなり地味で注意書きするほどものではありませんが、1作目読み終えてページをめくると直ぐ、2作目の1ページ目右上にリアルな蝉の絵があるので虫が苦手な方は少しだけ驚くかもしれません。
Dom/Subユニバースかつ元教え子(成人済)と教師。
キャラクターもストーリーもあまり好みではありませんでした。
ドムサブ要素も私には上手く飲み込めず、登場人物たちは深刻そうにドムサブ性について悩んでいるのですが、読者としてはあまり寄り添えませんでした。
物語序盤で元教え子がかなり問題のある行動を取るのですが(強引に教師と肉体関係を持ち動画で脅す)、それについて教え子が反省しないまま教師と両想いになり、シリアスな雰囲気でありながら最初の行為が有耶無耶になってしまったことが残念でした。
とはいえ、漫画としてはとても読みやすく最後まで手を止めることなく読み進めることが出来ました。
本当に色々な要素が個人的に合わない作品でした。