「どうしても触れたくない」スピンオフ
小野田課長×友人出口さんの第二弾。
出口さんが告白の練習をしているときの
「付き合えたら俺マジで一生お前だけでいい」
という言葉、さらりと流してますが
三年片思いしてきた出口さんの本音かな。
結局、回りくどい言い方で好意を伝えてしまって
小野田に軽く流されて本気で傷ついて逃げ帰った出口さん。
好きだからこそ臆病になって、素直に言えないんですよね。
乙女モードの時と普段の出口さんのギャップがたまらないです。
本当に、小野田が詐欺だと思うのも頷ける。
終始出口さんが切ないですが、最後に少しだけ希望が見えた。
この二人どうやって距離を縮めていくのでしょうか。
私にとってこの作品は夏目イサクさんにはまった
きっかけとなった作品なので思い入れも強く、
何度読んだか分からないくらい読み返しています。
リーマンもので、バツイチ上司×お坊ちゃん部下
バツイチと聞くと切ない話を連想してしまうのですが、
この作品についてそんな心配は無用でした。
島野は表情で気持ちの変化が分かって凄くかわいい。
一人でぐるぐる考えて悲しくなったり嬉しくなったり、
恋愛するってこういうことなんだよなあ…と思わせてくれます。
黒川は懐広い大人の男。私もこんな上司ほしいです(笑
ただ、島野のこととなると話は別!ってところがいい。
島野が他の男に泣かされたと勘違いして激怒する
余裕のない黒川にすごく萌えました。
さらっと読めて読後もきゅんきゅんする作品です。
初めて読んだのは発売日頃だったと思います。
「ノンケ」の外川さんと「ゲイ」の嶋くんのお話。
『どうして俺は男なんだろう
不毛だと知りながらどうして恋をするんだろう』
この言葉の中に嶋くんの心の葛藤が現れていると思います。
過去の出来事から家族に憧れを持つ「ノンケ」の外川さんに
「ゲイ」の嶋くんは家族を作ってあげることは出来ない。
こういう葛藤って男同士ならでは、なので私は好きです。
淡々と進んで行くので凄く読みやすいです。
どこにでもありそうなお話でさらりと読める。
それなのに、読み終えた後は胸がぎゅーっと
締め付けられるような切なさと暖かさを感じます。
過去にとらわれて、立ち止まっていた二人がお互いに
一歩を踏み出し、共に未来を歩み始めるまでの物語。
何度も読み返す事で、深みが増していく作品です。
きっと、いつの間にかじわりと心に染みこんでいます。