かわいいお話でした。
同級生の再会もの。
高校の昼休み、お手製弁当のおかずを通して仲良くなり、お互いに通じ合うものがあったのに些細なことで繋がりを絶ってしまい卒業。
一城は俳優として活躍、日向はテレビ局近くの弁当屋でバイトの日々。
あるとき日向の作る唐揚げ弁当がきっかけで再会。忙しい一城のハウスキーパーとして同居しドラマのラブシーンの練習まですることに。
甘え上手な一城が日向を上手く丸め込んで…と見えて実は男前な日向の行動力が意外でした。
ご飯がどれも美味しそうで愛情たっぷりで読んでて元気が出ました。
コミコミスタジオさんの小冊子では今後の2人の道筋がチラリと伺える内容でこれまたよかったです。
現代のプラネタリウムで働く攻め様の元に異世界からやってきた地球外生物の受けちゃんと護衛のうさぎ。
協力して元の世界に戻る方法を探すが…というお話
攻めの智登世は一人暮らし。家に連れて帰り当面の衣食住の面倒を見てあげます。受けの輝夜と護衛うさぎの宇佐吟(響きと字面が好き‼︎笑)は現代の食べ物に興味津々。また綺月陣先生が絶妙なポイントを突いてくる庶民的メニュー登場に唸りつつ読みました‼︎
地球の生活に驚きつつ馴染んでいく様子が楽しい。
輝夜の目を通すと、クセのある登場人物の秘められた良い面が浮かび上がり…それをちゃんと言葉にして相手に伝え、自分の至らぬ部分は素直に謝ることができる。そんな輝夜の人となりがとても魅力的。
クスッと笑えてホロリとしてキャーッ♡となって温かい気持ちになります。
お布団シーンで体の部分を表す「隠語」と奥ゆかしい輝夜の反応にツボってしまいました。BL隠語に新しい革命‼︎笑
本編のその後を描いた書店特典ペーパーはさらにほっこりしました。
500年以上生き続ける吸血鬼と村人と離れて山小屋で一人暮らす青年とのお話。
雪に囲まれた静かな山小屋が舞台。終始仄暗いイメージでお話が進みます。
アニメの世界昔話(古い…)のような世界。
途中までは2人の利害が一致した共同生活が暖炉の火のように暖かく幸せそうに続き、読んでいて幸せな気分になりました。
その後村人絡みの事件が起き、残酷な描写があります。
でも本当に怖いのは死でも吸血鬼でもなく、生身の人間の保身や自分勝手な感情でした。
このあたりの人間くさい醜さの描写と絶望感が綺月先生らしく、唸りました。
ここまで痛めつけないと次の展開に説得力が無いのだろう、と納得。
最後は希望に繋がるラストでした。
私は綺月先生しか書けないお話だな、と思います。
もの凄く集中して世界にはまりながら読みました。
おもしろかったです。
山梨の葡萄畑を舞台にした現代のお話。
攻め様はやくざですが、ピリピリした感じはなく、構成員も皆憎めなくて楽しく読めました。
LOVE方面は、受けちゃんがウブなので攻め様に対してゆっくり心が動いていく様子が書かれていてとても微笑ましく、全力でCPを応援したくなるような幸せな読後感です。
登場する脇キャラが一人一人濃くて、その会話に笑いが止まりません。
先生の頭の引き出しには、なんでこんな魅力的な人達がいるのだろう、笑
面白くて、あたたかくて、人情があって、愛情があって…
是非とも引き続きそんなキャラ達が登場する続編を読みたいな。
とても楽しい一冊でした。