爽やかで でもどこか物悲しいような雰囲気の漂う作品でした。
切なかったです。
主人公は自身のセクシャリティに対する悩みを、1人で抱え込んでいます。
家族と話していても、友達と話していても、明かせない部分、
皆の”普通”に当てはまらない部分がある。
友達が何気なくネタにする話題も、家族が何気なくふる話題にも
その悩みを持つ主人公にとっては棘だったりする。
それは当人たちに悪意がない分、たちが悪かったりします。
なかでも打ち明けた友人の言い分はあんまりにもリアルで、別の問題でも
こういうことってあるよな…となんとも言えない気分になりました。
若尾くんの言ってることもわからなくもないけど他の友達に相談として
話してしまうなんてちょっと…私は嫌でした!現実味がある分余計に苦々しかったです。
主人公、文人は社会的に見て決して孤独ではない。でも心は孤独なんですよね。
そんな主人公vegaが初めてそんな悩みを共感しあえた相手がaltairです。
実は互いにずっと想いは1つだったんじゃないかな…という印象が強かったです。
でも出会った時の状況とか、お姉さんとの関係とか、いろんなものがないまぜになって
しまったのでしょうか。
もうちょっと早く決着が着いたのでは…とも思うけどそうそう現実でもうまくいくわけではないし、2人とも誠実すぎる故にかな、と思ったりしました。
主人公の心情もとても丁寧に描かれていました。
ただ気になってしまったのは今後の2人です。
この後、2人が特に文人の家族に認めてもらえるのかな、それとも一生秘密にしていくのかなとちょっと余計な心配をしてしまいました。
深かったという表現が正しいのかはわかりませんが
とっても素敵な作品でした!
かちらの作品、以前からランキング上位でずっと気になっていました。
絵柄だったり、表紙の雰囲気からギャグっぽい面白い話なのかな~(失礼だったらごめんなさい><)と思っていたのです。
数ページ読んだ時も絵がとてもほっこりするような、愛らしさを感じる雰囲気があったので、そんな印象だったのですが …!
それぞれの人物の想いだったり、過去だったり、そういうシリアスというか、辛いなとか思うだろう部分が登場人物たちのキャラだったり、雰囲気が包み込んでくれているというか。
うーん、うまく言えないのですが切なかったり、悲しかったりもするのに、優しさしさだったり暖かい感じがあふれてる作品でした。
クミちゃんとサクマさん大好きです!