この作品でアマミヤ先生の大ファンになりました。
神評価をいくつつけても足りません。
私の趣味だと思いますが、美大出身でパーマでメガネの人って、どうしてこんなに魅力的なんでしょう。
不破さんの発する言葉一つ一つ、表情、仕草、沈黙、全部魅力的でした。
はじめは不破さんにすっかり惹かれていたのですが、読めば読むほど、穏やかで包容力がありながらもブレない理人の魅力に気付きます(さすが金持ちの息子!)。
理人が終盤、独占欲を剥き出しにしていくのがたまらなかったです。
それから、はっきり言わせずに、相手のさりげない言動から察して動くというのが、賢くて感性が鋭い2人だからこそできることだと思いました。
マグカップのくだりはさすがです。
そして、色っぽいのに、どこかスタイリッシュなベッドシーンの数々。良かったです!
でも、一番良かったのは日光浴のシーンです!!
それにしても、嫉妬に狂って、本音を言って、普通だったらもっとかっこ悪くなるはずなのに、2人共最後までかっこいいんです。
お洒落でクールで、時に情熱的で、それでいてあったかくて柔らかくて優しいお話でした。
本当に、一コマ一コマ、セリフ一つ一つのセンスが突き抜けています。
絵もとにかく綺麗で、小物も、ご飯も、すごく細かいところまでお洒落に描きこまれています。
前巻も良かったのですが、こちらでは、社会的な立場からの葛藤がより深く描かれていました。
2人共終始苦しんでいましたが、自分の思いや葛藤をここまで言葉にして伝えられるって素敵だなあと思います。
感情を揺さぶられるのが苦手でそういう状況を避けてきた野末さんと、何があっても動じない外川。
どこをとっても人格が一貫していて、まるで実在する人物かのようです。
モダモダしている野末さん、可愛すぎました。
そして、外川の思慮深さと言葉のセンスには感服です。
ナッツのくだりは、野末さんが実くんと一緒にいたい気持ちの表れでピスタチオの実を持って帰り、それを外川が受け取ったということでしょうか。とても精神分析的だと思いました。細かい部分までこだわりがすごいです。
まだまだこの先も2人の世界に浸りたいです。
いつか実写化したらなぁと夢見ています。
この作品をきっかけにBLを好きになり、BLで一番好きな作品です。