端丘さんの漫画は、いつもお話にひねりがあって好きです。
これはかなり歳のはなれた歳下攻め。
わんこ系年下でなく、パーフェクトな王子様タイプの年下で性格はややひねくれてる…というのが好みでした。
それでもやっぱり子供だなあと思える、拗ねやすい部分や若さゆえにガツガツした態度に出る部分はちゃんとあって、歳下攻め好きの方にはオススメだと思います。
何でこんなに年の差があるかというと、主人公のシノブは従兄弟が好きだったのに彼は結婚して子供ができ、知らぬ間にその子供に好かれてしまう、という設定。
従兄弟の子供と恋・・・というのもかなり珍しいですよね。
健気にシノブは今も従兄弟が好きで、かれこれ何年…ほんとに健気というかむしろ不憫。従兄弟に恋人ができて撃沈する場面はじーんとくるのですが、だからこそ、この何十年の思いにあっさり区切りがつけられる??というのがちょっと理解し難かったかも^^;
カップリングは好みでしたが、好きになっていく段階というのはちょっと早すぎたのではないかと思い益す。
しかし、やはりこの作者さんのお話は面白いなぁとしみじみ感じた一冊でした。
「兄貴と一緒じゃ眠れない」
1冊まるっと兄弟ものではなく、わりとバリエーションに富んだカップリングの短編集でした。
表題作は、兄に恋心を抱く弟が家を出るものの、何故か追いかけてきた兄と同居することに…というストーリー。ただ、互いの気持ちがすけすけなので、先が読めてしまいます。
兄弟ものが好きでイケメンなお兄ちゃんが好き!という方にオススメです。
「焦がれて甘い夢を見る」
後輩×襲い受け上司
もともと襲い受け、淫乱受けがあんまり好きでない…と思っていたら、これは良かったです。
上司がとても色っぽい。えろありきのお話なのでストーリーはないような感じなのですが、兄弟もの目当てで読んだのにこのお話が一番好みでした。
全体的にあと少し物足りない感じもしましたが、絵が綺麗で読みやすかったです。
タイトルそのまんまなのですが、触手を持った刑事のお話です。
こういう体質になったのは理由がありますが、そんな設定は全く関係なくひたすらえろだけの作品でした。
触手好きの方が読むには貴重な作品だと思います。
触手刑事のお相手の先輩(受け)が主人公ですが、普段ツンデレ先輩なのに触手に襲われている時の顔がトロトロなのが好みで楽しめました。
一話目で少し意識したと思ったら二話目ですでにくっついてる…とストーリーにはツッコミどころもありますが、とにかくストーリーには期待せずに触手と戯れているだけなかんじです。
中身は中学生の考えた同人誌のよう・・・。
この触手には人格(?)があり時々入れ替わります。本来の持ち主はワンコ系ですが、人格が変わるのでそれなりにタイプの違った攻めを楽しめるかも。
しかし、えろいだけ、と言いましたがストーリーがえろ重視なだけで、実際飛びぬけてえろいかというとそれも疑問です。
というのも、局部がなんだかわからかいぐちゃっとしたごまかされ方をしていて、これが大変苦手でした。^^;
触手だか局部なんだか粘膜なんだかわかんないというか、ごまかし方が下手というが、何してるか全然わからんし、はっきり描くか描きたくないなら描かないかもう少しえろシーンの描き方を変えてもらったら見やすくなると思います。
なんかぐちゃっとしたペンタッチでごまかしているのがちょっと古い感じというか、これにコマ数取られててもったいない感じしました。
触手好きの人にはいいかもしれませんが、完成におススメとは言い難い感じです。
学校を舞台に何人かの気持ちが交錯する、不安定ラブストーリーです。
明るいキラキラした青春かと思いきや、ややネガティヴでした。
でもドロドロとも違う感じ。ラブストーリーというよりはヒューマンドラマのようなお話でした。
個人的にはあんまり「萌え」はなかったのですが、お話として面白かったです。
最後どうなるんだろう…と思いました。
学生ものが好きな方にはオススメなのではないかと思います。
四人の男子高校生が出てきますが、四角関係ではなく、互いに誰が好き、とはっきりしています。でも好きだからうまくいかない。もどかしい気分になります。しかし、やはり学生もの。最後はやっぱり、青春だなあとか、10代ってバカだな!て笑えるような、うまい終わり方に持って行ってると思います。
女の子が絡んでくるので、苦手な方はご注意です。私はこの子が結構素敵だなあと思ったのですが…。思い込みが激しく、やや強引で我が儘。いらっときてもやっぱり女の子ってこういうものだよな、これが可愛いよな、と許してしまえる何かがあると思います。
しかし、若干、四人全員が上手くまとまるのはページ数からしてもちょっと都合いい感じがしましたので、メインのタケル・トモヤはともかく、ウツセとハタはもう少しお互いを知り合う時間を置いてもよかったんじゃ…と思いました。
不思議なお話でした。
でも一冊まるごと起承転結のある作品で、ストーリーが面白かったです。
ゲイだと周りに言えず、いつか王子様を夢みる朋也と、働き蜂という使命を課され、誰かとセックスしてせっせとエネルギーを集めなければいけない栗原。
栗原は硬派でちょっと冷たい感じですが、朋也が可愛いくどこか抜けていて、でも自分の感情にストレートで心を打たれました。
また、もう一組働き蜂の使命を課されたカップルが出てきて、二組の違ったカップルを交互に、効果的に描いているのが面白かった。
互いの働き蜂は敵ではないけど、対立していて、設定が面白い。
ストーリーはせつないですが、朋也が可愛いのでそんなにガチガチのシリアスでもなく、何よりえろい。
主人公たちはなかなかくっつかないので、そのために最初からカップルの、もう一組を入れたのでしょうが…すごくえろかったです。
何回も何回も出会いを繰り返すという事を、ラッキーととらえる兵頭と、それを辛いと捉える栗原の2組のカップルが対照的に描かれていて面白い。
人を好きになりたくないのに、どこか抜けている朋也に惹かれていく栗原が自然で共感できました。
好きになるときはダメだと思っても好きになってしまうもの。
数々BLを読んできて、たまに一体この人のどこを好きになったのか??いつのまに好きになったのか??ただえっちして終わらせただけじゃないか??と共感できないものもある中で、何度違う出会い方をしても、必ずこの人を好きになるだろうという違いの愛情や執着の必然性を、この人にまた恋するだろうという絶対的な魅力を、出会いから別れまでをこの短い一冊の中で描いているのはすごいと思いました。
確かに最後はもうちょっとこうして欲しかったなぁという欲はあるのですが、普通のBLにちょっと飽和気味だった自分としては衝撃的て楽しめました。
主役のカップルがとても好みだったので続きときいて楽しみにしていたら、続きというよりスピンオフでしたね。
前回の2人が脇カップルという感じです。
前作は夏目を可愛くカッコいい先輩だなあと思ってたけど、脇役として客観的に見たらすごい勝手な奴ですね 笑
それなりのことはしてるのに、付き合うのはダメ、その理由もはっきりと言わない…。北川が後輩にあたり、立場が弱いため、見ていて気の毒というか・・・でも北川への愛着は前作以上に沸きました。
さて、今回主役の富田さんは前作の名脇キャラ。
普通のノンケリーマンに見えましたが、ものすごくえろくてドキドキしました。
相手の斎藤さんは落ち着いた包容力のある、子持ちの男性です。
なんかこういうカップリング見たことないかも…。
富田はごくごく普通の男性だと思う。その分、男性でもいける?自分にぐるぐる悩んでいます。夏目はゲイで富田はノンケなのに、この、たる~とした自然な友情がすごく好きだなあ。
そしていつのまにか前作カップルよりラブラブになっていく今回のカップル。
ストーリーは正直言うと一巻のほうが面白かったかなあと思います。多分、前の2人のほうが喜怒哀楽がはっきりしてたからかも。
今回は2人とも大人で、やや落ち着いたカップルですね。
こじれますが、わ~とかガ~とか揉めたりしない、でも色気のある感じです。
しっとりしたカップルが好きな方には2巻のほうがおススメかも。
結局夏目と北川はどういう順序でどうなったのか、あまりしっかり描かれてなかったのは期待してただけにちょっと残念でした。でもまた続きが読めたら嬉しいなあ~と期待してみたり…します。
着衣フェチのお兄さんと、ヒーロー好きのオクテ(?)な大学生のお話で、あんまり性癖も性格の組み合わせも見たこと無いタイプでした。
自分で自分のことを変態とわかった上で話が進むのでなかなか笑えました。
主人公はある交換条件のせいで、ぴちぴちのスーツを着たまま身体中を撫で回される…という経験をするのですが、やはり萌えるかどうかは同じ性癖かどうかにかかっているといえると思います。
着衣フェチの方には面白く読めると思いますが、反対に、ふつうに全裸のほうが萌えるよ!て方もいるのでは・・・と。
なんとなくどっちが攻めかわからない雰囲気で進むのが好きでした。
しかし、なんでこれで相手を好きになったのかちょっと不明な感じはしました^^;
財閥子息×大学生の年の差ラブストーリーです。
2人は子供の頃からの知り合いで、大人になったいまでも仲のいい関係。
とりわけ、攻めの遼一が光希に甘くて、食事や観劇や旅行に誘っては嬉しそうに世話をしてくれます。
遼一の好意が友愛以上のものであることは早い段階でわかるのですが、ぽやーっとしている光希には自分の気持ちがわからない…というお話。
甘くてふわっとした、松幸さんらしいお話だと思いました。
ストーリーは特別なことはない、どこかで見たことあるような展開が続きます。
遼一は財閥の跡取りなのだから、自分じゃ子供を産んであげられないとか、遼一が女の人といるのを見てショックを受けたりとか…
2人の間に障害はありますが、全体的にふわふわしたお話なので、そこまでどシリアスには見えません。
欠点は遼一が完璧な王子過ぎて欠点がないところでしょうか。
最初から王子、王子と書かれていますが、ほんとに王子みたい。
どっか欠点があったほうがキャラクターとして共感できるか、それともBLとしてはハイスペック王子のままでいいのか…。
最後にちらっとヤンデレというか、ストーカー気質がある、みたいなことを明かしますが、それでも最後まで一人で全部解決しているのでその辺は面白みがないなあと思いました。
歳の差、甘々好きな方には安定して読める作品だと思います。
ここ何作かの村上さんのお話は2人とも可愛らしい、受け×受けものばかり読んでいたのですが、こちらは普通の(?)受け攻めBLです。
というか、攻めがカッコいい!!
こんな当たり前の事を村上さんの作品では忘れかけていたというか^^;
骨ばった手とか輪郭のシャープさとか…受けの美人度よりも攻めの男らしさにドキッとしました。
受けは年上美人で、やや抜けています。こういう受けはある種のテンプレートかもしれません。
男性でも女性でも、年上で美人というのがキーワードというか。
しかし、内容はさらっと読み終えてしまうものだったのでちょっと惜しい。
やはり村上さんは可愛い系ばっかり読みすぎて、そっちに思考がいきつつあるのかもしれません。
同じ作者さんの前作も好きだったのですが、こちらも面白かった!
またバカな子受けなのですが、攻めは学年主席のインテリです。
デートに分刻みのスケジュール作ってきたり、こんな彼氏、普通は嫌ですよね。
でも受けに嫌われないかいっぱいいっぱいで、賢いのかバカなのか…
受けだけじゃなく、攻めの個性や気持ちがしっかり描かれていて、攻めも可愛い!と思える作品でした。強いて言えば、攻めの気持ちが分かりやすがった分、主人公がいつから攻めの事を親友でなく、恋愛として意識し始めたのか分かりづらかったかも。
タイトルと表紙から、なんとなくえろ重視の作品かと思いましたが、ちゃんと恋愛していますので、ストーリー重視のかたにもオススメです。
同時収録作品は、微妙な空気のまま卒業してしまった2人の再会ものです。
お互い好きなのはなんとなくわかるのに、へんな感じで別れてしまってそれっきり…
このお話、いい人しか出てこなくて読み終わると微笑ましいですが、途中なんともモヤモヤしました…。
終わりよければ、なんですが、すれ違いや勘違いが凄まじく、あんまり攻めに好感が持てなかったなあ^^;
受けの子はクールですが、一旦崩れると可愛くてよかったです。
脇キャラの友達がいい味出してました。