体格が良くて女装が全然似合わない桃司と、桃司の可愛くなりたいという気持ちを励ましながら女装を支えつつ、実は全然似合ってない女装が萌えというウィッグ店の店長の話。
自分が女装することには興味ないけど見た目は女装が似合いそうな店長×見た目は男らしくて仕事もデキるけどハートは乙女らしい桃司、という組み合わせがOKなら楽しめると思います。
ぁ、桃司のすね毛がイヤーーーーー!という人はいそうだなぁ…(私は某安永航一郎のマンガで鍛えているので大丈夫。笑)
話は面白かったです。
でも、桃司が女装したいと思った気持ちがイマイチわからなかったんですよねー。
想像するに……桃司は元々隠れオトメンで、つい女装に手を出してしまい(たぶん似合ってないと自覚しつつ、それでも)「可愛い」と言われるエクスタシーに抗えなくて女装にハマっていったんじゃないかとは思うんですが、はっきりとした隠れオトメン描写はないし、初女装(といってもウィッグだけですが)シーンは店長視点なんですよねぇ。
桃司が初めて「可愛いですね!」と言われた時のときめきや高揚感をきっちり描写してくれてたら、共感できたかもしれない。
女装が似合わない自覚のある女子と致しましては、そこに説得力がないと、己の姿に萎えてまた女装したいと思わないんじゃないの?とツッコミを入れたくなってしまうんですよー(笑)
それと、自分はその業界に詳しくないのでよくわからないのですが、桃司は男のまま女装したい人なのかなぁ?心だけでなく実は身体も乙女になりたい人なのかなぁ?
どうでもいいことなのかもしれませんが、その違いによっては店長の嗜好と噛み合わなくなりそうで……コメディ指向の作品に、考えたら負け?
太助に嫁入りするために跡目は継がぬと宣言する若様をめぐって、副頭領の叔父と弟君がそれぞれの思惑で暗躍する、待望の下巻です。
上巻では太助どーでもいいと思っていた自分ですが、若様への真摯で裏表のない愛を貫く姿に、よし!若様はキミに任せた!!と、あっさり掌を返して応援する気持ちになってしまいましたよ。
ホントに太助エラいっ。
今回の見所は、やっぱり若様のデレデレ具合のカワユさ、叔父のいいトシして大人げない可愛さ、弟君の眉間皺とクールな目付き(若様が動なら弟君は静)でしょう。
特に、太助の○○をこっそり見てしまい、頬を染めて恥じらう若様が乙女過ぎてカワユ過ぎる(笑)
お約束どおり大団円で完結となりましたが、弟君メインのエピソードと、副頭領メインのエピソードと、若様&太助のその後でもう一冊くらい出してほしいなぁ。
若かりし頃の副頭領を口説く参謀の色男ぶりをぜひぜひ見たいですし。
二人が別れたのは、やっぱり参謀がクズだったからなんでしょうか?(笑)
あと、若様の素顔が公開されなかった件について…作者さんがインタビューで「マスクは外さない」ことにこだわったとのことだったので、それはそれで納得しました。
秘すれば花といいますしね。
でも、それとは違う考え方で、やっぱり見てみたい気持ちもありますが。
素顔がわからない謎のヒーローと、普段はハンサムな好青年と、二つの顔を持つ主人公設定って、ちょっと好きなもので(笑)
表紙カバーイラストの色気ある流し目にヤラれました(一目惚れ♪)
表題作の弟(と兄)ですよ。
カバーはずすと、12歳違いの兄弟のフォトメモリー的なイラストもあって、和みます。
いつも弟が傷だらけなのが微笑ましいですよね。
さて本編ですが。
そのままに成長したらしい弟は、仲間とデリヘル詐欺をする武闘派になっていて、そんな最中に行方不明だった兄が突然現れて…
って、コレどこがBLなの!?というオチでしたが、描き下ろしの方を読んで納得させていただきましたっ。
がっついてないけど粘着に(笑)弟ラブな、兄がかわゆいです。
ヒマな稼業でもないだろーに、マメに独断的なお世話をする兄を見てると、昔から二人はこんな力関係だったんじゃないかなぁ…と妄想してしまいますねぇ。
短編集ということで他にも収録されていますが、他の作品もBLか?というと微妙な気がするんですけど…まぁ面白いからいいや〜。
笑撃的作品というより、どこか妙な味わいの作品ですよん。
新鋭バンド・ケチャッパーズのギター若田部(ワカ)とボーカルの橋谷(タニさん)のカップルと、他のメンバー(+マネージャー井田)の、日々のあれこれを描いた短編集。
一応、ワカ×タニさんのイチャコラがBLらしさを添えてますが、売れっ子バンドの日常的なエピソードが楽しい作品でした!
難を言えば、同月発売の「僕と君のミドリとドリル」の海と、ワカのキャラが似通っていて重なってしまう点でしょうか。
まー、作者さんの萌えツボなタイプなんでしょうねぇ。
んで、なんといっても表紙カバーがいいです。
ショップの棚に並んでるケチャッパーズのCDがそのままイラストになっていて、オシャレな感じがしますね(今どきオシャレとか言わない!とか突っ込まないよぉーに。笑)
キャッチコピーの”ゴキゲンなRock'n popにナイーブな魂。ケチャッパーズの「現在」を喰らえ!!”のとおり、このまったりハッピー感をぜひぜひ堪能していただきたいっス。
同作者さんの「若様隠密帖」が面白かったので購入してみました。
こちらはコメディではなかったですが、共通するのはゴツい方が受け!(笑)
ストーリーは、モデル出身の俳優の小町とスタントマンの半沢が、出会って親しくなって、酔った勢いでえっちしてしまってからの紆余曲折を経てのハッピーエンドを描いてます。
まず、お互いが実力に裏打ちされた高いプロ意識の持ち主で、それ故にぶつかるけれど、相手の能力の高さをお互い認めあって親しくなる…という出会いがいいです。
ルックスもイケメンな小町が、ワンコのように半沢に懐きまくる様も、ギャップあって可愛くていいなぁ。
同時収録短編は、元教え子×仕事と恋人を失った元教師の、再会ラブ(やっぱりゴツい方が受。笑)
ガチムチがOKならエロもばっちりなので、読んで夢中になっちまえ!
霊が見えてしまう書店アルバイトの三角は、いきなり現れた拝み屋の冷川に乞われて助手となる。
冷川は霊を「ぶん投げる」ことができるのだが、相性のいい三角を介することで除霊が楽になるのだという。
そんな訳で、怖がりなのに冷川の助手となった三角が、オカルトな事件の数々を…って、BL要素薄いけどオカルトマンガとして面白いからいいや(はぁと)
一応、冷川に魂を触れられるとキモチいい(性的に。笑)設定なのと、冷川はゲイなのか両刀なのか三角に興味あるっぽい描写があるので、萌えはその辺りで補充していただくとして。
オカルトホラーマンガとして面白かったですっ。
「HONKOWA」愛読者の私が言うんだから間違いない(笑)
霊の見え方とか佇まいとか、如何にもらしくていい。
しかも後半からは謎の呪いを追う展開になって、オカルトミステリの様相に!
怖い話好きなら、楽しいですよ~。
忍びの里のエリート忍者で、美丈夫な若様。
なのに、なのに、世間知らずで、乙女で淫乱だなんて……惚れてまうがな(笑)
若様の肉体を包む忍者網タイツ装束も素晴らしいですっ(笑×2)
そんなガチムチ若様が受けだというのが耐えられないという方(もしくは、現代日本に忍者が活躍してるという設定が受け入れられないという方)でなければ、オススメします!
もう、若様が笑えるし、可愛いし、エロいですよ~。
これは上巻ということで、続きがが楽しみ♪
次期当主である若様は、下忍の太助の元へ嫁入りできるのか?
親族会議で一波乱ある模様…太助の身に何が?(正直、太助に何があってもいいけど、若様がどう動くのかが気になりますぅ)
それから…常に口当てで素顔を隠してる若様の素顔は公開されるのか!?
あぁ、もうワクテカして待機してしまいますわん。
初読みの作家さんでしたが、コメディ作品があるなら他作品も読みたくなりました。
田舎の実家暮らしのカップルの、まったりほっこりな日常を描いた連作集。
同性カップルの葛藤や苦悩ゼロでリアルさはないけれど、ちゃんと日々の生活が描かれているのがいい感じの作品でした。
個人の塾の先生をやってる樟一と、文房具屋を継いでる海。
どちらも惚れたくなるような要素は薄いんだけど(スミマセン)、その普通さもいいし、だから応援したくなるなぁ…と感じました。
でも海×樟一なの?(p.116のセリフのやり取りだとそうとしか思えない)
逆かと思ってましたよ(その後、ツイッターで作者さんがリバカップルだとつぶやいていたので納得しましたが。)
親に内緒でここまでやってこられたというのは、ちょっと信じ難い(笑)けど、その分学生時代からの友人たちがナチュラルに二人を認めていて、そんな関係もほのぼのしていていいなぁ。
これはぜひ二人がつき合うまでのエピソードが見たかったですっ。
今回の新刊は「イベリコ豚と恋と椿。」のようなコメディ色の強い作品や、「パパ'sアサシン」のような外国映画を見ているような作品とも違う、ファンタジーな設定の作品でした。
この作者さんはまだまだ別の引き出しを持ってそうで、目が離せませんね。
ニィーニの森を舞台にした、性別っつーより種族をも越えたカップルたちの連作集です。
個人的にツボってしまったのは、ココとウルフの話でしたねぇ。
ウルフの愛が切な過ぎて、泣ける…(苦笑)
後半は、一話二話と登場していたオーウェンとタドタの話で、二人がそれぞれニィーニの森に来るまでのいきさつがわかって、一話目に繋がる作りになってます。
前半とは違って、ダイナミックなストーリー展開です。
ファンタジーな世界設定なのに、違う存在同士がわかりあうことをマジに描いている辺りは「イベリコ…」のどこまでマジかわかんない感じを彷彿させるし、タドタが崖から転落して場面展開するところや、ラストシーンが一話目に繋がる辺りの余韻は「パパ…」に感じた映画的なものが感じられました。
…やっぱり、この作品もSHOOWA先生らしい作品でしたねぇ。
待ちに待った、自分的今年ベスト1のBLコミックですっ。
まず帯のキャッチコピーが秀逸です。
『「死ねリア充」「爆発して消し飛べカス」からの「すき」「だ」』
どうです?これだけで主人公真希ちゃんが中二病なオタクで、なおかつツンデレな展開の話だとわかります。
表紙カバーのポップなデザインも、明るく楽しい内容を端的に表してると思います。
で、カバー折り返しを見ると、両方にコママンガ。
カバー外すと、カバー下の表紙にも4コママンガが、みっちり。
読んでいくとわかりますが、中味の方も話と話の間に4コマやら色々詰め込んであります。
本自体がやや厚めの上に、この描き下ろしおまけ満載のお得感!
ぎっちりアンコが詰まったたいやきのようなサービスっぷりです。
このおまけが、話と話の間のミッシングリンクになってたりもするので、雑誌で既読の人も改めて楽しめると思います。
(初回限定で描き下ろしペーパーもつきますので、買うなら今でしょ!)
さて。
この作品の何にぐわんぐわんと惹かれたのか?というと、個人的に真希ちゃんに共感しやすかったっていうのが一番の理由でした。
人付き合いが苦手なところも、臆病なところも、頭でっかちなところも、緊張に弱いところも、ネットであらしやるような「捻くれ具合」と告白を断る時は相手が傷つかないように思いやる「優しさ加減」が同居してるようなところも、真面目系くず(笑)なところも。
三次元より二次元、恋愛なんて好きとか嫌いとかごちゃごちゃしてくだらない、なーんて考えてた真希ちゃんが、自分とは真逆なタイプ(リア充)の新庄くんと知り合って、少しずつ仲良くなっていって、「好き」を知っていく課程が、微笑ましくて、自分のことのように応援したくなってしまいましたよ。
人を好きになることで引き受けなくてはならないリスクや面倒を拒絶していた真希ちゃんが、少しずつ恐れる気持ちを克服していく様は、可笑しいながらも自分が励まされるようで。
人を好きになるのっていいなぁ…と、単純にそう思わせてくれる展開でした。
1巻ということで、まだ完結してない訳ですが、これからどう紆余曲折してどんな結末を迎えるのかが楽しみです(二人がハッピーエンドになるのはお約束として)。