ようやく、ようやく、ようやく、待望の「満月」まで紙本で手に入れることができました。
前ノーベル発売から数えて4年!
本当に長かったです。
初めてwebで読んだ時の感動はいまでも忘れられません。
多くの方に、この「満月」まで手に取っていただきたいと思います。
まだ「BL」という言葉自体がなかった時代から小説&漫画を読んできました。
当時はどこか薄暗く、悲恋もののお話が多かったと記憶しています。
お話の内容も、考え込ませるようなものが多く、簡単に、気軽に読み終われるようなものではありませんでした。
その当時を知る身からすると、昨今の商業誌は物足りなく感じます。
簡単に恋をして、簡単に体を重ねる。
問題が起きたとしてもすぐに解決、あまりに軽すぎる。
空き時間にさっと読んで、ぱっと捨てる、そんな付き合い方になっていました。
作り込まれたお話というのは商業誌より、webの方が多いのかもしれません。
そんな軽い商業誌に飽きた方には特に、この本を読んでいただきたいと思います。
長く、作り込まれたお話は、頭を使わずに読み終えることはできません。
貴方に対する挑戦だと捉え、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
そして、最後の「満月」で泣かずにいられるか、試してみるのも楽しいと思います。
お涙頂戴ものではありません。
泣かせようと言葉を重ねてもいません。
極力削られたと思われる言葉、それにも関わらず情景が浮かんできます。
彼らが出会って、困難を乗り越え、時に笑い、時に戦い、そうして「満月」を迎えた。
特に「ガンチェの満月」ではまるで、登場人物の一人になったかのような心境になります。
うん、うん、いろいろあったよね……そう思いながら、いつも読み終えています。
そして、自然と涙が零れているのです。
対して「エルンストの満月」では充足感があります。
そのため、読後感は満たされたものしかありません。
最近のお話に物足りなさを感じている方、考えることをしたい方、そして、感動を求めている方、どうぞ、一度読んでみてください。
上巻の帯に書かれた言葉「唯一無二の伝説的傑作」この言葉は正しく、このお話にこそ相応しいものです。
前回発売された時は「三日月」まででしたが、今回は完結の「満月」まで刊行されるとのこと、本当に嬉しいです!!
WEBで読了済ですが、やはり紙で欲しかった。
あまりに嬉しくてどうしてもレビューを書きたくなり、こちらで新規登録までしてしまったくらいに。
もう続きが発売されることはないのだろうと諦めていただけに、喜びが爆発しています。
いま紙になっている部分だけでの確認ですが、WEB版よりは読みやすくなっていると感じました。
前回発売された時は「三日月」までで、もっとずっと続くというのはWEBを読んでいればわかるのですが、読んでいなかったとしても「ああ、うん、完結したのね」と思えるような終わり方でした。
それが今回は「次回に続く!」とはっきりわかる終わり方で、しかも、「次どうなるの!?」という絶妙な場所での終わり方。
うまいと思います。
WEB版で最後まで読んでいるのでお話は全てわかっているのですが、それでも、続きを早く読みたくなりました。
来月の「満月」発売を、心の底から待っています。
はじめて「満月」を読んだ時、自分でも引くくらい泣きました。
あの時の感動を、沢山の人に味わってほしいと思います。