はらだ先生とか、と同じ空気を感じるイイモ先生の作品。
うーん、もう、コマ一つ一つ無駄がなくて、見せたい場面に全てが集約されていって、こういう漫画のバランス感覚みたいなものは、本当に才能なんだろうなあ、と読みながら感服!
頭で考えて作り上げられる世界を超えてると言うか。センスとしか言いようがない。
内容は痛いし、ガンガン揺さぶられて抉られるのに、読むのをやめられない中毒性がありますね。
ともあれ、大門の母が1番のサイコパスだよと思ったのは私だけ?
全てを息子のせいにして、お母さんは見捨てないよ、なんてよく言えたよ。
それと、介護に疲れ果てて罪悪感を抱いて、それなのにやっぱり、「行かないで、おばあちゃん」と絶望していた大門を見て、本気で泣いてしまいました。
人は多面性を持った生き物だけど、そういう矛盾や意外性を、上手に表現出来るイイモ先生、本当に素晴らしい。
3巻読むのが楽しみで仕方ないです!
しゅがーぺろぺろ先生の作品は、タイトルのとおり、エロがすっっっごく素敵です。
エロがエロい。そして、一コマ一コマこだわりを感じる。
指の動きとか、アングルとか、髪の動きとか、なんか一つ一つが躍動感でいっぱいで、こっちまでキャーー!ってなっちゃうんですよ。
そして登場人物がそれぞれなんとなく皆完璧じゃないところもいいんですよね。
弱さがあって、ずるさがあって、だけどお互いが大好きで。
すぐじわっと泣き顔になっちゃう受けちゃんが、一見うざいかな?と思う方居ると思うんですけど。
全然ですよ!!!!これがかわいいの!!!!
続、の方ももちろん大好きなんですが、先々月から新連載を開始されたとのことですっごく嬉しいです。
シリーズ2作目を飛ばして1作目に続きこちらを了読。
読み始めて、攻め様は卒業生で学生じゃなかったことが判明(あらすじを適当に読んでました)しましたが、特に問題なく、基本はパブリックスクール内のイベントなど盛りだくさん。
そして1作目の主人公達である由葵とアシュレイが所々で登場。これはかわいい。なんと初々しいことか。
今回の受け様である奏は、由葵に比べるとずっと真面目で素直な感じ。私はどちらかというと奏ちゃんの方がタイプです。
さて、そして相変わらずの攻め様の狂いっぷり。
いや、GPSwwって笑ってしまいました。
権力と金に糸目をつけない感じ、好きだな〜〜〜〜
あと、初めて手を出す時の言いくるめ方。変態おやじですね!!笑
こちらも甘々でとっても可愛い作品でした。
ゆりの先生は初読みです。
勝手に笠井先生のイラスト月刊のため、笠井先生挿絵の作品を探していましたが、もともとパブリックスクール物が大好きで早速購入しました。
本編はわりあい軽めのテンションでシリアス風味ですが、可愛らしく進んでいきます。
最初、受けのモノローグにびっくりしましたが、こういう書き方するんだな、とわかれば特に問題なかったです。
モノローグ部分の本音が意外と子供っぽいというか笑
受けちゃんも攻め様も可愛らしかった。
そして、攻め様の頭がおかしい。(褒めてます)
読み進むにつれてそれはもう溺愛加減が伝わってくるんですが、パブリックスクールの切なさや郷愁と言うよりかは、甘々な雰囲気を味わいたい時に向いている本だと思います。
こちら、分冊版も電子では発行されているのですが、ぜひ、中の作品すべてを知らなくても、手に取っていただきたいくらい素晴らしかったです。
私はパブリックスクールの番外編が読みたくて、先にエド視点の方だけ購入したのですが、そちらがとても良かったので、もっとこの世界観に浸りたくなりこちらも購入しました。
レビューはパブリックスクールだけになります。
さて、ギル視点のこちら。
本音を言うと、私はギルのことが嫌いだったんですよね。
礼のことを虐めてたのに都合よすぎじゃない?って。
ごく稀に、虐めてたり酷い態度をとっていたのに、なんのわだかまりもなく登場人物との仲が戻って友情に発展したりするじゃないですか。
樋口先生の作品はそれが結構多いですし。
物語の中ではあるあるですよね。
健気受けの子の作品では顕著というか。
でも、私はそこがどうしても受け入れられなくて。
どんな作家さんの作品を読んでも、そういう話になると最後まで引っかかってしまうんですよ。
なんですけれども。
それがもう。
覆って覆って、ギルのことが大好きで愛しすぎてたまらなくなりました。
ギル。ギルよ。
なんて、切ない愛を胸に抱いていたんでしょう。
エドは物語の主人公だったから、礼と幸せになれた。
待たざる者と、持って生まれた者の、違い。みたいな。
こういう、影で長年ずっと、報われない想いを抱いているキャラクターが好きすぎてたまりません。
報われないくせに、人が好きなんですよね。
自分は理解されないし、気付かれない。
それなのに人の機微には気づいてしまうし、愛してもしまう。
なんて損な役回りなんだろう〜〜
そして、ギルの、エドに対する尊敬の念と愛情。
それと、礼だけに向けられた本当の恋心が切なくて。
礼に対する気持ちは、存在を認めて貰えたっていうもう大きすぎる根本があるからで、どうあっても覆らない愛情なんですよね。
そして、かわいそうなエド、と言ったように、ギルはエドのことも愛している。
愛しているのを知られなくてもいい、と思っているくらい、愛している。
だからこそ、自分は報われなくても、エドと礼を思っているし、多分この先も思い続けるんでしよう。
お前のことも悲しませたくないんだよ、エド。と胸中を明かしたギルが愛しい。
本当に心が温まって、けれどしくしくと疼いて、切ないお話でした。
今回はギル視点のはっきりいって当て馬に相当する登場人物が主役ですが、当て馬の胸中を深く知られる作品があんまりないって、とてもとても勿体ない気がしてなりません。
タイトルの通り、すっっっごく良かったです。
表紙との開きが良い意味で大きかった。
はっきりいって、レビューは読んだもののエロ重視だろうな、感情のやりとりや雰囲気、空気感なんかはちょっと付け足されたくらいだろうな、と思っていたんですよ。
でも!!!!
違った!!!!
重すぎず、軽すぎず、いい塩梅のパブリックスクールもの。
いい塩梅、というのが心地よかったんですよ。
ご都合主義に終わるし、ローレンスには味方が居すぎだと思うし、兄は報われない(番外編読みました。気になる方は読んでください)し。
けれども、パブリックスクールものに目がない私にとってはもう。
本当に掘り出し物を見つけた心地でした。
ちなみに高月先生の作品は初読みで、了読後違う作品を検索してみたのですが、シリーズ物が多いのですね。
ちょっとまだそれに手を出す勇気はありませんが、単発のものをとりあえず手当り次第読んでみたい!と思わせるくらいにはとても良い作品でした。
物語は、冬の王と呼ばれたクリフと、春の王と呼ばれたローレンス、ローレンスの友人でもあるダニエル、が主軸にローレンスのお兄さんやその他当て馬のビリー(マジで当て馬らしい当て馬で好きです笑)も出てきます。
この作品、高月先生の他の作品と比較できないのですが、良い意味で物語の文章が、堅いんですよね。
パブリックスクールの雰囲気がガツガツ伝わってくる感じ。ううう〜〜こういうの好き〜〜〜
さて、まずはダニエル。
「喚きだしたくなるような若気の至りを、檻の中に残して行きたいんだろう」
そんなふうに言う彼の言葉は、いつもちょっと遠回しで皮肉的で、けれど、とても興味深くて味わいがあります。
まさにそれ!パブリックスクールの醍醐味だよね!!!と思わずにはいられなかった。
ダニエルの言葉はいつもなんだか難しいのに、いつだって高尚でその魂が気高い感じがします。
だからこそローレンスと親友なんでしょうね。
こっちまでその深い意図を読むのが楽しくなってくるというか。
そして、クリフとローレンス。
ちょちょちょちょちょーーい!
たまらんぜ????
こやつらたまらんが???
と、読みながら何度悶え喚いたことか。
1人の時に読んで正解でした。
気持ちが通じあっていない(つもり)なのにもう早々から両思いの空気感がガツガツ出てるんですよね。
その、両片思いの癖に甘い雰囲気。
なのに切ない。
両片思いはもともと好きだけれど、こんな両片思いは経験したことがありません。
もう!好き…!!!!
俺の、フローラ。
俺の、スイートバイオレット。
こんなこと普通言ったら空ぞらしくて笑っちゃうと思うんですけど。
笑っちゃいますよね。
でも、違うんです。
そこがいい!
クリフが言うなら睦言にしか聞こえない!
相手に片膝を立てて跪いて、自分はただローレンスに選んでもらった、という立ち位置みたいなものを崩さない態度とか。
紳士か!!!!
本場の紳士の萌えたるや凄まじいですよ。
これこそスパダリ。全てをかねそなえた上で、穏やかに紳士的にローレンスを陥落していく様はお見事です。
こういうスパダリを求めてたんですよ……
あと、下手に片思いを拗らせず、終盤に両思いになるのもタイミングが良かったというか、潔かったし好感が持てました。
もだもだしている時も楽しかったし最高に切なかったんですけれど、それよりも、ただ、だだ漏れる愛をお互いが教授しながら、当て馬をやりこめる(笑)くだりが爽快でした。
そしてエッチですね。
エッチがエッチい(褒めてます)んですよね。
もう、なんだろう?
言葉も態度も優しいくせに、余裕が無い感じがたまらないのかしら…
なんと表現していいのでしょうか。
上滑りすることなく一言一言が入ってくる感じがして、だからよりエロく感じたんだと思います。
他作品のエロも読みたいな、って思ったのは初めてでした。
またうけのローレンスが程よく甘ちゃんでほどよくカッコイイ笑
これこそ美人受けの見本だと思う。
末っ子気質の甘えんぼというか、甘やかさを残しながらも、笑顔を絶やさず、場面場面では、豪胆に振る舞える。けれど肝心のクリフへの気持ちは最後の最後までひた隠しにしている。
これだよお!この一見したらツン、とお高くとまっているように見える繊細なローレンスの美しさ。性格にまで滲み出ていますね〜
最後になりますが、クリフの口調がまた、不意に柔らかくなるのがいい。たまりませんでした。
おいで、とか、〜〜だよ。とか。
クリフ好きだよ〜〜〜
初めて読む作家さんです。
内容は皆さんが書いてくださっている通りなので省きますが、読み終えて感じたのが、タイトルにある通り攻めの救済物語だったなぁ、という気持ちでした。
不幸で恵まれなくて健気な受けが、年上の攻めに救われて幸せになるシンデレラストーリーをよく読むんですが、結構な割合で、思うんですよね。
これは実際、攻めが救われてるん話なんじゃないかなぁと。
このお話も、一見受けと攻めのお互いの孤独が溶け合って少しずつ和らいでいく、というようなお話に思えたんですが、実際、しろうさんが深い孤独で長い間閉じていた人生を変えられたのは、凛ちゃんの存在があったからで。
そういう唯一無二、みたいな存在ってほんとに刺さるというか。
はっきりいって劇的に何か起こる訳では無いんですよ。
けれど飽きもせずただ淡々と紡がれる季節の移ろいと2人のやりとりが、とても穏やかで暖かくて、そして切なくて、とても素敵なお話でした。
お姉さんとこのあと気まずいな、とか、ちょっと上手く行きすぎだな、とか、もう少し色々な問題に対してじりじり長々したやりとりが読みたかった、みたいなのもあるので萌え2評価ですが、嫌われ魔物の〜の方もぜひ読んでみたくなりました。