私はおげれつたなか先生の大ファンで、作品は全て拝見させていただいているのですが、この作品は今までにないくらいダークな雰囲気を持っています。先生はよく、「普通の家庭」との違いに苦しむ主人公たちを描いていますが今回の作品はその違いというものがさらに大きく、また容赦なく描かれている気がします。社会というものから孤立している2人だからこそ芽生えた絆の美しさと、その2人の悲しみが読者にひしひしと伝わってきます。読み終わったあとはしばらく放心しておりました。
ここからはネタバレになりますが、私が最も印象に残っているシーンは、実家にカメラを取りに行くシーンです。兄とその新しい家族の写真を見た千紘の表情が忘れられません。あのたったワンシーンで千紘が今まであの家庭で暮らしてきた苦悩が表されていたと思います。凄すぎます。
長々と喋りましたが一言で感想をまとめると、えもい!!!!つらい!!!むり!!!です。