本作は迷わず神評価。確か、『このBLがやばい2008年度版』でも小説部門1位の評価でした。
とても切なく、考えさせられる作品。
読もうか迷われている方は是非読んでいただきたいです。
最後はハッピーエンドなので、安心して読んでください。
私が今までに読んできたBL小説や漫画では、男同士の恋愛が前提でその上でどう萌えるか(シチュやフェチ、CP傾向etc...)、という感覚で読んできました。
しかし、この作品ではその“前提”がテーマです。
男同士って萌えるものなはずなのに、こんなに辛いものだとは思いませんでした。
心理描写が素晴らしいです。そのため、普段はBLであまり感情移入をすることはないですが、この作品にはかなり感情移入してしまいました。
松岡(受け)の事を女性だと思い、のめり込んでいく寛末(攻め)。
そんな自分に一途な寛末に惹かれていく松岡。
この物語の一番の面白いところは、松岡と寛末が互いに“2度恋をする”ところだと思います。
一度目は、女装を通しての松岡と広末。二度目は男としての松岡と広末。
一度目の恋愛も二度目の恋愛もとても素敵でキュンキュンします。
この本は上巻という事で、“一度目の恋愛”が中心となっています。
寛末の前では女と性別を偽っている松岡。松岡は寛末の前では外見だけではなく、心まで女になってしまったかのように、乙女なところが可愛い。
デート前日、睡眠不足で化粧ノリが悪くなることを気にしたり、相手が喜びそうな服を考え抜いたり・・・普段は仕事ができてイケメンでいい男なのに、寛末が関わると恋する乙女になりますw
一方の寛末。女装松岡にゾッコンな寛末はとても可愛かったです。
それに、寛末は何といっても優しいんです。その優しさがあったからこそ、松岡と出会う事ができました。しかしその優しさ故に、理不尽な扱いを受けてしまったり。。。
寛末はヘタレで、そんなヘタレが一生懸命松岡にアピールしている様子にキュンキュンしました!
1巻で個人的に一番大好きなエピソードは、寛末と松岡の休日デートです。
もうすご~く幸せそうで、読んでいてキュンキュンしましたv
このDEADROCKシリーズは全3巻あります。
3巻それぞれの表紙を見てください・・・
何故こんなに出で立ちが違うのか!?
そこが、このシリーズの面白いところです。とにかくストーリーの展開から目が離せません。
この本はシリーズの第1巻で、2・3巻の序章になります。
舞台はアメリカの刑務所という事で、洋画のような世界観です。個人的な印象では『ショーシャンクの空に』という映画が近いかも。
でも!ムショものにありがちなあの陰鬱で暗~い感じはしないです。(私も最初はそれが理由で刑務所ものは敬遠していました。)
主人公ユウト(受け)やディック(攻め)を始めとするたくさんの登場人物がとても魅力的で、刑務所という舞台だからこそ浮き上がってくる、彼らの人間関係に惹かれます。
主人公のユウトの真っ直ぐな性格に惹かれました。
舞台はアメリカなので、ユウトは日系人という、なんかこうエキゾチックな色っぽさを感じましたねwこれはディックがユウトに落ちるのも分りますw
攻めのディックはすごくいい男!!!北欧系出身と思われるような天然の金髪碧眼。
最後にはえええ!?となるようなビックリする展開ですv
あらかじめ2巻、3巻を用意してから、この1巻を読んだ方がいいかもしれませんw
私は当初1巻しか買っていなかったので、読み終わった後は続きが気になって仕方がありませんでした;
男同士の三角関係はいいですね。
受けを取りあう二人ともとてもいい人なので、一方が受けと結ばれれば一方が失恋してしまう状況が切ない。
*以下はネタバレを含みますので未読の方はご注意ください*
全体的に隆晴×多伎の切ないお話といった印象。
最終的に結ばれる洋人×多伎の視点で描いていたら、また違う素敵なお話になっていたと思う。
長い間、好きな男の幸せを見守り続けた海の男、洋人。
三人が卒業してからは隆晴が東京や海外に居たりするので、3人で顔を合わす機会がほとんどないのが個人的には惜しい。
もっと受けを取り合ってバトる攻めを見たかったですが・・・まあ、距離的にも攻めの性格的にもバトルはないか。
多伎の事をひた向きに愛する隆晴が好きだったので、最後の隆晴の行動にはちょっと納得がいかない。
多伎の事が好きで好きでたまらない彼の気持ちは分るけれど・・・
な ぜ 結 婚 し た 。
・地元の有力者の一人息子で、後を継がなければならない彼なりの責任感。
・院長の娘と結婚することで出世し医者としてキャリアを築ける。
隆晴が結婚した理由は要はこの2つでしょうか。
多伎のためにこの2つを捨てられなかった隆晴にちょっと絶望した。
多伎の事を心から愛している隆晴の気持ちを思うと、隆晴の行動がなかなか理解できない。
文句ばかり言ってますが、隆晴大好きです。多伎の事が好きな隆晴が。
多伎が洋人を二階に誘った時はニヤニヤしてました。多伎は天然小悪魔だと思う。