平河寮シリーズを一気読みしてから、作品制覇を目標に読み進めるのが楽しみな作家さん。SATシリーズ一作目の「饒舌に夜を語れ」から続けて読んだ今作。前作にちょこっと出ていた飯田と、犬伏に思いを寄せていた若い高梁がメインです。
キャンプで二人きりになるシチュエーションが来た時、おっ、これはちょっと進展するな!と思って読んだらまさかの!飯田が頭の中で高梁にあんなことやこんなことをしちゃってるのを抑えきれずに手を出してしまうのには驚きました。この展開は嫌な方もいらっしゃるのでは。しかし性格の良い高梁が、不遇な過去ゆえに飯田に絆されるのがまた健気さに拍車を掛けてます。このムッツリの無神経な言葉に翻弄される高梁が可哀想で…誤解が解けて良かった。
平河寮の峯神と名田がすごく好きだったんですが、この二人もお気に入りになりました。アキラ、一生大切にしてもらってね!
2018年の作品なんですね。少し前だけあって、ゲイであることをひたすら秘密にする感じがこの作品に切なさをプラスしていると思いました。主人公の男子高校生は明るいキャラクターですけど。先生を好きになってしまい、ずっと見つめる内に、先生もある男子を見つめているのを知ってしまう。そこでもう片想いになってるのがまた切なかったです。
が、実は生徒を見つめる先生の視線は、別に恋からきているわけではなかった、と…ここは笑ってしまいました。あと、お化け怖かった…
その後二人はくっつくハピエンなのですが、自分には先生が主人公を意識しているのがいまいち分からなかったので安直に感じられた結末でした。
初読みの作家様です。
はっきり言って文章はそこまで上手いとは思いません。物語の進め方も始めの方はなんだか冗長で、「あー失敗したかも…」と思ってしまったくらいです。各章の一人称もみんな「俺」で、誰が語っているのかが読み進めないとわからない。一人称語りで、見たこともないような難しい漢字の形容詞?がいきなり入ってきたり。
現代ものなんだー、と思っていたら、怪しげな事を言い出す攻めの弟が登場。再び「失敗か…」と思いつつ読み進めると…。
ここまで純粋に、愛し、愛される二人を描いた作品はないのではないか?とまで思えるほど入れ込んで最後まで一気に読了。
ファンタジーといえばそうなんですが、もっと普遍的な、「愛」を伝えてくれる物語でした。
子供時代に怪我した時に助けてくれた受けのサーファーお兄さんをずっと好きでいたワンコな攻めが「陽」だとすると、過去にちょっとした騒ぎになった過ちをずーーーーっと引きずり続ける受けは「陰」。対照的な二人がくっついて最後には受けも幸せになれる、海辺を舞台にした爽やかなお話だったんですが、いかんせん受けが暗く後ろ向きであまり共感することなく終わってしまいました。お金が貯まったから遠くへ行くって…今更かい?こんなに長い間気を使われながら仲間の近くにいるのはなんだかなぁ…ちょっと頑な過ぎて独りよがりな印象。
「ラブクオリア」が大好きなので、ちょっと新作への期待が大き過ぎたかもしれません。お話としては纏まっており、書き下ろしの後日談もエロ爽やかでした。
別の単話売りの作品がとても評価が高かったので、気になっていた作家さまです。
絵が上手い!表情も良かったです。個人的に天木さんの顔面、特に目が凄く好みでした。
ストーリーや世界観、キャラクターなど、とてもユニークで面白かったです。オリジナリティと発想力がすごいですね!電子薬とか、現実に何処かで秘密裏に研究されてそうだし。この研究特区、研究者には夢のような環境だな。
恋に無自覚だった天木さんを、ハルくんがどんどん進化させていくのがキュンキュンしました。エロがストーリー的に無理なく入ってるのも良かったです。
なんか語弊がありますが、BL以上の面白さがある作品でした。