過呼吸になりながら読んで涙と鼻水5ℓくらい出た。
何もかもがぶっ刺さりまくった。
ずっと魂がヒリヒリするようなリアリティのある作品だとは思っていたが、最終巻は本当に抉られた。
こんなにも惹かれ合う二人が本当につらいのに、すごくすごく羨ましくて、美しくて、尊くて、、
これまでめちゃくちゃ多くのBLを読んできて、正直ストーリーが似てるものとか恋愛をファンタジー化しすぎてるものが多いなと思ってきたところだった。そんな時にこの作品を読んでBLの本質を突きつけられたような気がして、あぁこれがBLの魅力だ。これはBLでしか描けない愛で、私はこういうBLが好きだったんだと、気付かされた。
浩然と千紘、他の登場人物も本当に生きてると思えてくる。てか絶対生きてる。暮らしてるんだ。そうじゃないとおかしい。そう思うレベルのリアリティが細部に宿っていて、本当に先生は天才だと感じた。
おげれつたなか先生、この素晴らしい作品を描いてくださって、本当に、本当にありがとうございました。
すごく人気のある木原先生の作品を読んでないのはBL好きとしてどうなのか、と思って始めて手に取ったこの作品。確かにサクサクは読めるのですが、大事な部分の説明が抜けてたり、展開が飛び飛びだったり、「〜だった。〜だった」と過去形が続いて、まるでダイジェストかあらすじでも読んでるかのような文体に違和感を感じてしまいました。
すれ違いや鈍い受けの勘違いはBLのお決まり展開ですが、これはやりすぎで本当にすれ違ってしまってるカップルに最後まで思えてしまいます。
辛辣な展開が魅力なようですが、「え、本当にどうすんの…」と現実的に心配になってきてしまって、私には受け止められませんでした。Hシーンも落ち着いて読めなくて心がざわざわしました。
個人的にオメガバが刺さりづらい(子供を持てないカップルの愛にこそ美学を見出してしまう人)こともあるのですが、キャラクター像が受けも攻めも最後まで見えづらかったこと、文体、都合の良い設定やHにもつれ込む展開の雑さなどが気になり、この評価になりました。人気作に萌えられなくて心苦しいです。
この作品だけで判断するのは申し訳ないので、先生の他の作品も読んでもう一回考えてみたいと思います。