表題作サミアはどこまでも切ないお話でした。
エイリアンと人間の恋。
数千年の時を死ぬことも叶わずに生きてきたエイリアンはずっと自分を殺してくれる存在に思いを馳せ生きてきた。恋とか愛という言葉では追いつかないほどに。
最初にちょっとだけ本当の姿を見たときには気絶してしまった友則も、サミアを殺すときは自分も後を追おうとまで考えるほどにサミアを好きになり、最後お別れの時には彼の本当の姿をみて彼の星での愛情表現をしてお別れする。
幸福の中でサミアを殺してあげられたことを悟りサミアとの別れを受け入れるラストは何かこみ上げるものがある。
「いつか地球が海になる日」は、ギャグだと思っていました。
変態でわがままで変態で変態な主人公のギャグ話でどんな展開になるのやらと思っていたら、まさかの大号泣。
完全にしてやられた!
ラストはハッピーエンドでよかった。
「ミルク」これは笑いこけながら読みました。こっくりさんって・・・爆笑。
サミアの日本名が俵米三(たわらよねぞう)だったり、この作者さんのセンスに惚れ惚れしてしまいました。
表題作は寂しい私にはちょいとイラっとくるほどほのぼのイチャイチャしてました。
読みながらニヤニヤして、始めての恋、ネガになったりポジになったり・・・可愛いなーなんて心の中でつぶやいてたんだけどdialogue:3の真川君のメール絵文字入れてよの言葉に美成さんがイライラするほど悩んで結局送った返事の内容を見て思わず口に出してムカツク・・・とつぶやいて隣にいた妹を驚かせたというね・・・あ、このムカツクって悪い意味じゃないですよ。素直にうらやましいというムカツクです。笑
本の最後の最後に入っていた「昔の話はしたくない」を読んでほんと切なくなった。
きみと きみともっと話がしたかった。
で終わらせるヤマシタトモコさん、ドSですか?私をいじめて楽しい~?
しかもね、いい!と思った「Re:hello」。切なくて悲しくて、こういうの暗いけど読みたいんだよねーなんて思ってたんだけど、表紙カバー外したところにあるヤマシタさんのコメント・・・・・・本編中に描かなかったことをここで書くのは無粋とも存じますが・・・・・って断ってからかいてるけどさ、ホント無粋だよ!その事実知りたくなかった。
でも、知ってさらに「Re:hello」が好きになった私は間違いなくMの部類です。
乳首にピアスはしてませんけど!
初めて話して言われた一言があんなんだったら誰だって良い印象はもてません。
しかも攻めはその言葉をかけたときの受けの嫌悪感丸出しの顔に惚れたという、結末をきくとなんともイラっとしてしまいそうなお話。
しかし、攻めが受けを好きだってことが受け視点で程よく伝わってくるのがいい!
Mr.気配りストな攻めですがさりげなーく皆に気配りしている中で受けにはSっ気丸出しでちょっかいかけてくるのです。
受けは受けで生真面目不器用男なのでそれが苛立って仕方が無いという様子を見ているのが楽しかった!
ストーリーは仕事中心に進んでいきます。これぞオフィスラブ!
女性関係のいざこざとか実家のいざこざとか、うまい具合に交じり合って最後は同期にチョイと背中押されるような形でテンポよくゴールイン。
BL初心者にもお薦めできる作品。