SNSで「BLごっこ」なる遊びが流行っている
という世界線でのお話。
おもしろい設定だなーと思って軽い気持ちで読んだんですが
この設定が実によく練られていて面白かったです。
このごっこ遊び、本当に疑似のカップルと、ガチがいるという設定で
それがいいかんじに後に響いてくるんですね。
主人公がいまいち趣味じゃないなーって思ってたのに
読み進めるとかわいく思えてくるからほんともう(頭をかかえる絵文字)
2つのカップルがでてくるんですが、
どっちもかわいいし、ちゃんとぐるぐる悩んで青春してるからいいですよね。
実際にこんなハッシュタグが流行ってたらのめりこみそうで怖いんだけどさ。
この設定おもしろいからドラマ化とかしないですかね。
楽しそうなんだけど。
アルファ、ベータ、オメガ
という第二の性という概念がまだない、
さらに対立する部族同士を結ぶための婚姻
ときいたら興味が出て当たり前じゃないですか。
ポチっとして大正解でした。
あたたかい地域なんでしょうね。
出てくる人たちが「総じて薄着」というか「筋肉見せつけてナンボ」なので
体格の良い男ばっかりなので目の保養になります。
発情期がある
言い伝えによれば男性だが妊娠できるらしい
というこの二つの理由により、
いがみあっている部族をつなげるためにやってきた主人公。
そして反発しつつも発情期にアテられて体をつなげてから
次第にほだされていく攻め。
お約束の展開はありつつ、わくわくしながら読み進められました。
これがデビュー作というのを私は信じないぞ!!!(笑)
それぐらいしっかりと一つの作品として完成度が高かったです。
そして、同じぐらい編集者さんやレーベルをほめたい。
よくぞこれを発行してくださった!!!
ラブラブな二人もみたいので、続編希望です!
山神様と人間のお話。
というとほかにもあるかと思うんですが
別に人間は生贄になるわけでもなければ、
眉目秀麗で見初められる、というわけでもありません。
ふとしたきっかけで接するようになって
山神様の本体にもかかわるようになって……
とまるで田舎の山のようにひっそりと二人のお話がすすんでいきます。
二人がどうやって距離を近づけていくのかというのが
ものすごく丁寧に書かれていて、
読み終わってからの余韻がとてもよかったです。
疲れていてあまりアップダウンのあるお話はきついなぁ、
というときにそっと差し入れたいお話でした。
読み終わったあとに、二人がとても魅力的にみえてくるのもよかったですね。
オメガバースもいろいろ進化してきたなぁと感じた作品です。
圧倒的な力関係がついてしまうもの、という認識があったオメガバース。
そこにしっかりと焦点をあてて丁寧に描いたもの、というと伝わるでしょうか。
ほのぼのとしたパートと切ないパート、現実をつきつけられるしんどいパートがしっかりと描かれているので、
架空の設定のはずのオメガバースがすごく現実味がありました。
メインとなる二人のキャラクターもしっかりしている、というのが大きいかもしれませんが、
わりとシリアスな話の中でも、シリアスにかたよりすぎない部分もあって
多くの人に読んでほしい!!!と心の底から言いたい作品でした。
あまいあまーい一冊でした。
ASMR系の配信者、という新キャラくんが出てくるのですが、
彼が出てきたことで、南くんたちの絆というんですかね
そういう「強くなったな~」というのがわかりやすく描写されていてよかったです。
個人的に一番ぐっときたのは
新キャラくんがちょっとしたウソをつくのですが
それを即座に南くんが否定、そしてkouを微塵も疑わず
kouのことを考えて怒るんですね。
揺らがない。
これがこれまでに二人が歩んできた道を感じてほろっときてしまいました。
これまでに一度でも読んだことがあるひとは、
この3巻までたどり着いてほしいです。
それぐらい読みごたえがあります。
もちろんえちえち度も高いです。
ほんとにも~この子たちは。
ほんと相性よくていいね、って母目線です(笑)
サラリーマンでゲイの主人公は、ランチでたびたび利用するカフェを気に入っていた。
ただし、そこにいる店員がどうにも苦手で……
そしてしばらくして、その問題の店員が部下として同じ会社に就職してきた。
人当たりがよく、仕事の覚えもよいその部下が、やっぱりどうにも苦手で……
こればっかりは好みなので
「細い目のなんでもソツなくこなす攻め」が苦手な人は、
この作品はおすすめできません。
回れ右です。
逆に「大好物ですーー!!」って人は絶対買いましょう。
後悔はさせません。
どっちでもない人も買いましょう。新しい扉はそこにあります。
主人公、うじうじ、というレベルではないのですが
適度に後ろ向きというか
クローゼットなゲイの方にありがちな積極的になれないタイプなんですね。
でも、それがあまり卑屈な感じには描かれていないというのが
この作品の魅力の一つかも。
攻めに惹かれていく過程、というか
ちゃんとその人となりを理解して絆されていくっていうんですかね
氷が解けていくようにちゃんと惚れて落ちていく様子がよくわかるので
とても満足のいく一冊でした。
年下わんこ攻めのだいご味「すねちゃって、そこからえっち」があるのもおすすめの点のひとつです。