1945シリーズ新装版、第一期完結おめでとう御座います。
それぞれの魅力あるシリーズ作品の中でも極まって個性的な千歳にまた会えて嬉しいです。
幾度となく読んでいるのに、彼の生い立ち、育った環境故に負った心の傷とその痛みが今回もなんら変わりなく胸に突き刺さり涙が出てきて止まりません。
カズイへ寄せる千歳の想いが切なく、哀れでもあり、そしてその一途さに胸がいっぱいになって彼に対する愛おしさが増します。
また、大幅改稿の翔鶴での戦闘場面も緊迫感が増し千歳の有能さに溜め息が出ると共に、作品に対する先生の思いに触れたような気がしました。
磨かれた千歳の操縦技術が際立つごとに、彼の心の中にある強い想いが見えるようでした。
そして書き下ろしの「明日をあなたに」ですが、月光ペアの恒と千歳の交流が嬉しくもあり、それでも「明日」に想いを強くする千歳に改めて胸熱くなりました。
旧版でも恒と千歳との仲良しぶりはありましたが、今回の書き下ろしによって彼ら二人の操縦士の尊敬の念と絆が更に深く知ることが出来嬉しくなります。
どのペアもそれぞれの魅力があり、彼らを愛おしく想う気持ちに変わりないですが、それでもこの艦爆ペアがこうして戦後の日々を送っていることは感無量で千歳の幸いをただ祈るのみです。
同人誌『海鷲に告げよ』より「千歳威厳計画デラックス」が収録されたことも1945シリーズのファンとして嬉しく思います。
これからも多くの方々に読み継がれていくことを願い、第二期を楽しみに待っています。
旧版既読。
今まで読んだ数多くのBL作品の中で最も好きな作品の一つ。
1945シリーズ作品として登場するペアの中でも一番のやんちゃな恒が六郎と出会い、共に生き共にあの空で死のうと誓い合う二人が愛おしくてたまらない。
華やかだったラバウル着任時から戦況厳しい戦争末期の困難な中でも楽しみを見つけ、仲間と喧嘩し、それでも笑顔溢れる彼らの日々がまさに煌めきを帯びて見える。
一番になりたいと打ち明けた恒が見つけた『唯一の俺の一番』とともに紺碧の空の下、彼らの青春がそこにある。
数々のお気に入り場面がありますし、再読するたびにお気に入り場面も色々ですが、今回は線香花火を手に魅入る恒と寄り添う六郎を挙げたいと思います。
書き下ろしの「青のかたみ」と合わせて読むと一層の思いが胸に迫ります。
そして。
今回のキャラ文庫版発売に伴い、加筆された部分。
特に終盤、壊れた零戦に寄り添う恒を目にした六郎の回想部分、数行加筆されたと思いますが、その数行が加わることで今まで以上にラバウルの、当時の状況が脳裏に浮かび、胸に響き、六郎の恒の胸中を思い涙が止まりません。
旧版を読んだ方にもぜひ文庫版も手にして頂きたいなと思いました。
もう何十回と読み返した大好きでとても大切なこの作品が、こうして再び多くの方々が手にして読む機会が訪れたことに胸がいっぱいです。
凍りつくようなアイデースの地に嫁いだロシェと皇帝イスハンの冷たい大地での熱く情熱的な二人のお話。
出会いから嫁ぐまでのロマンチックな逢瀬、数々の困難を共に戦い乗り越え手にした幸福に感動
何があろうとこの二人は決して諦めずずっと一緒に…と願う。
特にまだ幼いロシェの可愛いこと忍び込んできたイスハンと過ごす束の間の逢瀬が可愛くってキュンキュン
この作品の前二作を読んでるのでロシェとイスハンのこの後を知っているのだが、それ故に結びつきの強さ、お互いへの強い思いが書かれた今作が読めてとても良かった。
イスハンの後宮の話の評価が分かれているようだが個人的には全く気にならず。
特に後宮でのイスハンの詳細な様子や特定のお相手の登場などとということもなく、サラッと書かれているという印象でしかなかった。
全体的に見れば後宮の話は無くてもいいかな…と思うが、あったからと言ってこの作品に対する評価には影響はない。
この終わり方だとまだ続きがありそうなので期待したい。
ステラ兄様のお話も絶対読みたいので期待!!!