やまね先生の漫画を読むと、そうだこれがBLエンターテインメント、と姿勢を正す気持ちになります。萌えのドキドキと、ストーリーのワクワクの塩梅が黄金比率。エンタメを追求してくださるその姿勢に今日も感謝。
内容ですが、宣伝でも強調されてた麻見と秋仁のバカンス(?)はもちろんハッピーに楽しめました。ブラッディマリーのヴィラを思い出したり。
でもやっぱり、そこに挟まれる飛龍とミハイルの2人が絶妙な舵取りに触れずにはいられない。
ドSおじさんユーリのあれこれで、まさかのヤられ損()かと思いきや、さすが飛様、可哀想なだけでは終わらない。当たり前か……。
ミハイルと再会したあとのギャグ調に見えて、お互いの背中にでっかい傷が見えている感じ、最高でした。
「苦労したんですね」と言うところなんか、あぁ飛龍ほんとに大人になったんだなぁと。(何目線?)
ちゃんとテンポよく脱出してくれるのもさすがです。
飛龍はお強いし、陶もそんな飛様に育てられただけに根性がものすごい。ミハイルも叩き上げだし、麻見とド根性秋仁、完璧秘書とボディーガードは言わずもがななので、ただひたすら葉だけが心配です笑
やっぱり馴染めてないんだね……小説版読み直そーっと。
ネタバレなしでいくので、抽象的な説明になりますが……。
古き良き大河系少女漫画(この呼び方で伝わりますかね……。某『王・の紋・』とか『天は赤・河・ほとり』とかです)を彷彿とさせるロマンです。特に二巻まで読んでいただければこの意味が分かるかと。
大奥なんかが好きな方にもオススメ。
絵が可愛くて、ロマンがあって、萌えて、ストーリーもエンターテイメントにちょうど良く、いやこれが本当に塩梅の良いドキドキ感で。
シリアスすぎてドキドキを通り越して心臓に悪い、という一線を絶対に越えないでくれます。感謝。
元々、もっと執念深い……というか重たくドシリアスなものが好みなのですが、疲れた日に元気をだすならこういうやつが良いです。涙。
同人誌(エピソード0)の方も読みました。
良質のエロを吸いました(賛辞です)。
私は古今東西の淫乱受けとクズが好きなので、川崎くんへも先生へも感謝の念でいっぱいなのですが、欲を言えばストーリー的に、先生が最後まで責任持ってくれるか若しくは、馬場君とくっつくに至るまでの描写や理由にもう少しの説得力が欲しいな……という気持ちです。
いや、馬場君とは「普通の友だち」を初めて味わい、かつあんな良いヤツでもう十分というのは重々承知なのですが。一冊完結だと難しいのも分かっているのですが!
でもクズで軽くて、かつちょっと最後だけ良いヤツのようなそうでないような、みたいなところもリアルクズっぽくて良いですよね。先生のエピソード2はあるのでしょうか。楽しみ!!
内容というよりも、描写というか見せ方というかのびっくりがすごかったので、それを書きます。
本当は可愛いものが好きだし可愛いと言われたい姫島さん(受け)が、竜二に可愛いって言われた時とかに見せる不思議ワールド描写が癖になります。
なんだろう、ただ単に一途とかではなく、独特の世界観を持ってるんだろうな姫島さん。妖精さんみたいな感じで、こちらの常識はあまり通用しなさそうな危うさが。(弁護士なのに!?)
竜二に対しても罪悪感はあるんだけど、でもその独白も全て、不思議な間と共に展開するので……読者もそのふわふわしたテンポに乗せられて、気づいたら着地、おめでとう!! という感じで。
セリフ外の空白で魅せてくれる作品でした。
勢いが良い! みんな、悩むといっても即行動という感じで、ポジティブな印象。こじらせ過ぎない、男の子らしい感じが好みの人にはたまらないと思います。
逆に言うと、こじらせが好きな人には物足りないかも。
最後の「犬に餌付けをする時には」が唯一、受けの正くん(受け)がちとこじらせてんなぁと思ったけど、1話完結なのでテンポよくハッピーエンドでした。
懸念事項としては、表題作の慎太くん(攻め)が、童貞すぎるので、苦手な人がいるかも。航(受け)のことを「ビッチ」って喚きすぎたり笑
逆に童貞攻めが好きな人にはたまらんでしょう。
あと歯がみんな特徴的かな。ギザギザで可愛い。
個人的には2つ目の「ラブはどこへいった」が特に好きだし続きが読みたい……。