これは少女漫画だと思う。最初から最後まで周囲が祝福し過ぎている。愛し愛しされる為に生まれた彼ら。各々の立場で別れても、またそこに周囲が彼らを祝福してしまうので再び結ばれる。大人同士の甘酸っぱい初恋の続きなのだ。
所帯を持ったが妻となった女性の身体を触れる事ができない受け。理由は七年間前に別れた男が忘れられないから。この理由はとても良い。だが、そうならそうと分かっているなら結婚するなよとどうしても現代人なので思ってしまう。時代的に男は所帯を取り子孫を残さねば男として舐められるといった、そういうものなんだろうか。女性は浮気し子を生むけど生んだ後子供の顔を見ないようにして書き置きして家を出ていくが逃げる際に後ろ髪ひかれたようなシーンがある。次回引き取りに来るのだろうか、その辺にノイズがかかる。だが女性作家ならではの圧倒的な表現力、残された子が純粋無垢でお転婆で愛くるしい。この子なら父親が同性と愛し合っているのを知っても軽蔑せず喜んで受け入れ家族となるだろう。という、うん、なんかその漫画を大量に読んだオタクには物足りない次の展開が読める漫画である。別な方のレビューに展開が目まぐるしいとあったが、展開が読めるタイプの人はだろうな感があるため、これが目まぐるしい?となってしまうかもそれない。だが安心して欲しい。作者側が彼らの問題点をラストで即効解決してくるから読んでいてストレスは全く無い。この子供問題を更に先延ばしされたらレビューはしないつもりだった。話が一段落して作者からいやはや良かったねぇ丸く収まってさぁという内容の書き下ろしがとても心地よい。
ただただ美男と美男がすれ違いにすれ違ってる様を拝める漫画である。普段は凛として仕事をこなす男が、攻めの前では無垢な少女の様に恥ずかしくて逃げたり避けたり色艶となる姿はたまらないほど興奮する。攻めは最初から受けに絆されてるので好きすぎるあまりにちょっと避けられただけで傷つくという繊細な様子がコミカルで面白い。
1巻では七年間どこでなにをどうしてただったが、2巻では共に暮らし始めるのだ。もうラブラブになるしかないだろう。そうだろう。そうして欲しい。