すごかった、圧倒された。
でもBLとしてちゃんと萌える。
千地さんのキャラ(脇役も含め)は生きている。
傷や歪なとこを抱えている部分の描写が上手く、上滑りな記号じゃなく血が通ってる感じ。
そして恋愛も含めて色々考え葛藤して成長するところを描く。
だから恋が成就するってとこが自分や相手の世界や価値観を受け入れて前に進む力強さみたいなものを感じる。
今回はアーティスト同士だったから余計にその部分がはっきりしてた。
終盤の武の意外な決断がでっかいなあと思った、あんなに卑屈だったのにね。
著者は今のところ王道とは受攻逆に感じるようなCPを書いているけど、キャラ造形も物語の構成も説得力があるからその組み合わせもすごくすとんと落ちてくる。
今回千地さんでは初めての両者視点もすごく意味のある形式だった。
奈良さんの表紙もぴったり過ぎで、読む前からわくわくさせてくれたけど、読み終わってまた表紙を見たらこれ以外にないと思った。
中の挿絵も武の家を初めて訪ねる場面で慎吾が懐中電灯持ってるのに感動。
前後の文には無いんですよ、ずっと後の場面で彼が夜道を歩くときに懐中電灯を使うって分かるんですけどそこまで読み込んでるんですよね。
…タイトルは仮タイトルのミリオンカラーズのが合ってたと思うんだけど。
慎吾のまだ子供と大人の狭間で自分の才能と運命を持て余している感じの危うさ。
武の卑屈で草食系の枯れた風情。
全然違う世界で全く違う軌跡を描いてきた彼ら。
でも互いの軌跡が交わって互いの才能に魅かれてスパークするような感じ。
そういえば千地さんってデザイナーや料理人、役者、歌手、画家とか右脳系の職業(味覚は左脳だったΣ(´Д`; ))を描くことが多いけど、そういう世界をちゃんと左脳で文章で表現できるのがすごいなあ。
モノトーンの世界で生きてきたにしては慎吾が色の名前の知識があり過ぎなんじゃね?とか引っかかるところが無いわけじゃないのですが。
武の「尽くすタイプ」とかもうかわい過ぎた。あと「あかん」エロかったw
慎吾の買物に笑った、若いのうw
互いが奇跡で、二人が手をとって選んだ世界がこの先も極彩色に彩られているのが想像できる。
読後感がとても気持ち良かった。
すごい好きな作品なのにこっちでは感想書いてなかったので今更…
なんかやっぱ歩田川さん好きだ。
ざっくりした絵・台詞で進む独特のぽんぽんとした舞台劇のような展開・個性的な噴き出し、どれもクセがあるけどじわり仄々とクる。
この作品の世界を構成するのにどれも必要な要素。
主人公の仁は後ろ向きなんだけどそれが彼の愛(自分や周りを傷つけずに関係を長続きさせたいという)だし、その部分込みで受け止めるのが千聖の愛(ヤンデレ半歩手前)なんだと淡々とした展開なのに説得力があり、なんだか結末はふわりと優しい。
今がいいってシンプルだけどいいな。
チョークのエピソードも青い感じで面白いなあ。
主人公CPの馴れ初めも面白かったが城崎CPも馴れ初めや生活に興味ある…のでスピンオフになんないかな!
受の女装は本来あまり好きではないのだがこれは倒錯的で好き。
女に見えないからこそ女装の色気があります。
淡々とした序盤から百瀬の熱に煽られて、中盤から追い詰められ畳みかけるように暴かれていく八代の本音。
「ゆるふわ服を着たい」「可愛いって言われたい、女のように愛されたい」の間にはものすごく深い溝があるはずで百瀬が居なかったら八代は多分その淵をふらふらしながらも見ないふりをして越えなかったかもしれない。
そう考えると百瀬の業は深いなあ。
萌えというよりは倒錯的で閉鎖的な緊迫感が面白かった。
閉鎖的といえば「たった二人きり」に収斂していく結末が木原さんに近いと思った。
本編のラストで切り離されたような友人、渋谷の人ごみでけれど人々と全く交わらずにぽっかりと浮かび上がる二人だけの世界。
個人的にはあの余韻のある本編の終わり方が好きなのでボーナストラックはなくても良かったかも…
ジャケ買い。
カバーだけでも定価の価値がありますが中身もすごいクオリティです。
お話はBLというより青年誌で連載しているような本格派サイコスリラーと言った感じ。
攻がサイコパスなシリアルキラーでそっち系の映画や小説(日本発信のもので言えば漫画のMONSTERとかドラマの沙粧妙子のような)好きには堪りませんw
ハンニバル・ザ・カニバルな活躍を期待したくもありますが、お話は密室劇になりそう。
あとがきによれば恋愛面もこれから出てくるそうですがこのまま平行線のグチャドロ系に進んでも燃えるし萌えるからいいかなあw
要するにサイコスリラーって好きなのさ。
ストイックさがまたかえってエロい眼鏡美人が堕ちるのか堕ちないのかはもちろん興味あるけど。
あらすじから何故かアメリカ舞台をイメージしていた(サイコパスと精神科医の組み合わせのせい?)のですが舞台は日本。
でも意外と違和感はありませんでした。
ただ日本家屋を靴下で歩くのに「コツッコツッ」はどうよ?って思いましたけど…その後のシーンはトントンなのになあ。
浴衣姿もあってやっぱ浴衣は外国の方にとってもBL萌えアイテムなんだね!と妙に嬉しかったり…あとすね毛や胸毛はやっぱりないんですね。
彼と彼の過去の因縁、そもそもそのときも何故彼が選ばれまた解放された(逃走?)のか、あれは棺桶なのかー何に使われた(使われようとしていた)のか。
また現在に戻り睡眠薬のことや彼の他目的の犠牲者たちのこと、他にも居たという愛した人のこと、さらにどこからどこまでが彼によってコントロールされた世界なのか…沢山の謎と伏線がちりばめられ今後の展開が気になります。
なにしろまだ攻・篠原の名前を含めた素性すらわかっていないのですから。
ヤバいヤバい。
一冊目好きすぎなのに毎回新刊が期待以上とか!
一冊目の教習所のおっさんツボだったんでおっさん描いてって切願してたし嬉しいよ〜でりこさんだけどエロ無しでも全然満足。
むしろエロ無い方がでりこさんの味が出てていつもより濃かった感じ。
恋してるからおかしいのかおかしい人が恋してるのか。
愛すべき変人達がどいつもこいつも可愛くて!
ラブもだけどそれだけじゃないおっさん達の捻れた一言で言えない感情も堪らん。
◇資料室の魔王
3CPの中では意外に一番落ち着いてた方かもw
「正直さはときに猛毒だと知りたまえ」とかもうつかもっちゃんの台詞がいい。
しかしこういう誰かの策略で近づくって展開でこういうすっきりしたオチが付くって珍しい。
◇ネバーランドカップル
それにしても陰毛連想が暴走してまさかの肩車?!とかすごいよね、発想が。
そのクセ井上が「相手に合わせてこの車両にいたのか」って気付くシーンとかリリカルでイイ。
いちいち二人の表情が良くて、特に井上の表情が全く自分を制御できない感じでかわいいっっっ。
しかし「交接」とか。日常で「コウセツ」なんて雪か南にしか使わないよ!
井上の言葉遣いとかメールとかなんか細かいところまで行き届いてたなー。
◇遅咲き中年男子
清水谷さん、仕事もできるし綺麗な人なのになんて残念な人…かわいいw
春海さんも輪をかけて残念な人だったけど。
そして部長クラスは三つ揃えなのか、イイね!!
ところで「オッショーイ!」って何w
思わず調べたら九州の掛け声?
清水谷さんはツンデレかと思ったら意外と素直クールなのかも…最後の台詞が超かわいかった(*´∀`*)
どうでもいいけど清水谷さんのディフォルメ絵が誰かに似てると思ったら某○リエルさんだった。
書き下ろしもカバー下も口絵漫画も隅々まで好きだー、もう一回好きだーーーっ!
噴き出す場面多かったけど春海宅の○ウシカで本気で声出して笑たw
「こないで!」の使用方法が違うハズだけどね!
萌えもあったけど良い話で小説として上手いなあ~という読後感。
小菅の中でハコイチさんが特別な存在になり、惹かれていく過程がとても丁寧に書かれていた。
全体的に地に足が着いた作風で構成も整理されていて好き。フラッシュバックのように過去が細切れに語られるシーンも自然。ラストもきれいにまとまってた。
主人公はもちろん小菅ですけどこの小説の魅力は何と言っても小菅を通して見るハコイチさん。
ギャップ萌え属性なのでハコイチさんの新たな面が見える度転がりたいほ萌え悶えた。
ハコイチさんの「バカだけど子供じゃない」にローリング萌え、やっと思いが通じ合ったと思った行為の翌朝、ハコイチさんが「好きだから疑ったんだ」って言うシーンで萌えながら切なくて泣きそうになった。
小菅はバカだけど彼の焦りや諦観も理解できた。その部分のリアルさが物語の奥行きになっていたと思う。
小菅の人生にハコイチさんが寄り添ってくれてギリギリで踏み留まれて良かった。
小菅には心の底まで覗いて暗闇に手を差し伸べてくれるハコイチさんが必要だったのだから。彼のリアルな存在感を指や腕の体温が表しているのだろう。
まあ小菅にハコイチさんは正直もったいないけど本物を見抜くハコイチさんの目を信じることにするw
花村や和泉もハコイチさんをとても大事にしてるのが伝わってきた。そして花村達も多分そんなハコイチに救われているんだろう。
ばーちゃんや刑事さんも伝聞でしか出てこないけど素敵だった。
基本的にはダメっ子は攻のが好きなのでこの左右で良かった!優しい男前受ってのもツボ。
受が攻をおんぶするってのもとてもいいなあ…。
小菅はハコイチさんと同棲しちゃえば借金返すのも楽になると思うんで続編同棲編とか出ないでしょうかw
スピンオフにしても「和泉×花村」でも「花村×逆井」でもどちらも美味しくいただきますよ!
作者さんは文体や比喩表現、練られた構成に宮部みゆき氏に似たものを感じるので小説文法をちゃんと学んだ人ではないかと思いました。あとラノベもよく読む人かと。
っていうかデビューにしてはあんまり達者なので一般作家さんのBL用PNじゃないかと疑っていますw
ただタイトルがイマイチだと思うのよ…ラノベ風じゃなくもっと簡潔でさらっとしたのがいいのに。
「不器用な策略」読んだら何故かこれ思い出して引っ張り出して読み返し。
さばさばした受と当たりは柔らかいけど強引な攻が共通してるからかな~と思ったら受の通り名が「カズキ」でしたw
敬語理詰め学者肌攻×ツンデレ眼鏡受…なんという萌え組み合わせ。
いや、受攻単体でも萌えツボキャラなんだけど。
攻の一見飄々として見えて一歩間違ったらヤンデレwな振り回されて振り回している感じとか。
敬語でヤンデレ、いいわ~w失踪状態の相手だけじゃなくて恋敵っぽいのまで調べさせてたり結構嫉妬深いぞ、コイツ。
っつかそこそこもてるけど淡白な男が初めて本気で好きになって執着を見せるっていうのは王道だけど鉄板!
受のひねくれ方と諦観からくるさばさばした潔さ(捻くれているけどいじけない感じ?)とか猫みたいな可愛らしさも良し。
っつか結局受の晴臣って「ばーちゃん」といい餌付けされ易いのかも。攻がときどき感じてるようにほんと猫っぽい。
篠倉の尽くし方も通い猫を家猫にするために餌付けし住環境を整え…っていう感じだし。
物語はBLとしては定番の「うっかり体から」な感じの話ですが、不思議君と捻くれ者の変わり者同士カップルなのに理屈先行で、それでいて「家族」に関して妙に「情」という面で健気(二人とも妙に長男キャラだし)で常識的。その辺りからくるすれ違いにキュンキュンしました。理屈キャラがぐるぐるしてるのって好きだ。
しかも天然型変人の篠倉が屈折型変人の晴臣にベタ惚れなのがたまらん。
ものすごく口八丁手八丁(エロ親父とか言われてるし)なバカップル万歳。
あと二人の喋り方が変にツボでした。二人とも柔らかい話し方だけど理屈っぽい。
そうそう喋り方といえば篠倉妹の梨香ちゃんの話し方もなんかツボでした。可愛い…(*´∀`)
なんかあの子も二人のことを自然に思える日がくるといいなとかちょっと思いました。なんかね、二人のためというより彼女のために。
受が兄貴で男前なのにやたらかわいい。
椎崎さんの受ってトラウマ持ちの繊細(敢えていうなら弱々しい)な受が多いイメージだけど「本当の~」とかたまに強かだったりさっぱりしたタイプの受を書くとすごく好み。
っつか見た目にしても地の分で「地味顔」「目つきが悪い」とか言われちゃう受ってのも椎崎さんの話では珍しいかも。
高星さんの挿絵もキリッとしてて男前な受のイメージにぴったりだった。
そしてなんと初物…(*´Д`)
攻は本人や受も言うようにめんどくさいけどこういうタイプをほっておけないってのは受の兄貴キャラ的になんか分かる。
っつかただ情緒が子供なんだと思うと一周回ってかわいいやつ。
あとエチの最中でも敬語な年下攻好きw
っつか初めて想いが通じ合った後に作った料理が初対面のときの思い出の雑炊ってどんだけ乙女なんだよ!!
厄介そうな性格の神野さんの挑発に乗って火花が散ったら結局振り回されるのは受だなあと思うといろいろ楽しい。
神野、シン、タロ、牧田とどの脇キャラでもスピンオフが来そうだなあ…その説には今回の二人の後日を是非。
あとがき読んで椎崎さんはナチュラルにご老人を書くのが好きなんだな、とw
元作品を読んでないけど元タチが受っぽい展開と聞き。
元カレな元攻が受けに回るスピンオフって大好物です!!
掴みどころのないバイのボンボンデザイナーーにいろいろかき乱されてるツンな宮田がひねくれててかわいい。
目隠しであれこれやられてるところなんかどう考えても受w後ろをいじられて慌てたり感じちゃったり…
後半のス○タもかわいかった…(*´Д`)
気持ちも体もいろいろ開発されてしまえw
どう陥落されるのか続きが楽しみ。
攻と思われる伊倉も飄々として図太いだけじゃない背景が出てきそうな気がするし。
伊倉が基本敬語(宮田はたまにタメっぽい口調)でちょっと年下攻っぽい雰囲気だけどどうなんだろう?
攻×攻に期待して読んだけどそこは案外あっさり決着。
でも人間不信から臆病と卑屈をこじらせて外面だけはいい小狡くスレた受が超俺様だけど一途な(まさかのDT!)クーデレ攻に籠絡され混乱する様は面白かったです。
序盤強姦そのものより張り手に若干ヒいたけどね。
芸能人×医者というカップリングで派手っぽいのを想像してたけど意外に地に足が着いている感じのお話。
普段は芸能界物苦手にしてるのでそのくらいで調度良かったかも。
時計のプレゼントのシーンは不器用な前岡の真摯なアプローチとそれに心動かされながらも「君は僕を裏切らないか」と尋かずにいられないほど信じきることができない柚木の臆病さ、二人の温度差が切なくて泣けた。
大事な人が一生自分の傍にいるって言ってくれてる至福の瞬間なのに。
攻がカレー見て料理してくれたって嬉しそうなとこはわんこっぽくてかわいかった。
変わり者っぽく見えるけど、他にも弁当を持って試合見に来てほしいとかなんか意外と発想が普通の男の子でおかしかった(笑)。
関係ないけどゴールキーパーなのがなんかツボでね。普通ああいうキャラのポジションってフォワードなイメージが。サッカーはGKで野球は捕手萌えです。司令塔に弱いの…。
年下だし不器用なのに男としては何枚も上手な攻。
裏切られることを極端に恐れる柚木に対し「裏切られてもいい」という決断を突きつけた前岡の男っ振りがいい。
粘り勝ちですね。
不器用な言葉で受のコンプレックスを溶かし戸惑う受に待つと宣言し仕事面で成り上がって最後に攫う。
強姦以外はかなりなオットコ前な攻でした。
「ダメな人ほど愛してやらないといけない」っていう前岡のセリフは彼の傲慢な態度からは考えられないほど存外まともに愛されて育った人だと想像させられました。愛されて育った人の強さみたいなものを感じるよね。
分からないものを「分からない」って切り捨て方もすごいけど。
始まりこそ強姦だけど荒療治じゃなきゃ行きずり以上にはならなかっただろうからね。
そういう意味では物語上意味のある強姦だったな。
っていうか柚木のタチ設定も「攻×攻萌え」っていうより始まりを無理矢理の関係からにするためのものだった気がする。だからネコ転向がわりとあっさり目で処理されてるのかも。
メロドラマチックなあらすじですが物語の構成はかなり理詰めで作り込んでいるような気がします。
この辺り好き嫌いが分かれそう。
リリカルな表現もあるのに全体として乾いてるのが不思議なんだけどその辺が原因か。
あと文体や台詞等も少し独特でショートムービーっぽい印象(読み手を突き放すような感じというか敢えて歩み寄らない感じ)なのでその辺りも感想が割れそう。
ドライイに見えてウェットな二人の雰囲気とは合ってたけど。
素直にすんなり入ってこない独特の歯ごたえを面白いと取るか稚拙と切り捨てるか。読み難くはないんだけどところどころ引っかかる感じがクセになる。
あ、紳士過ぎて謎な当て馬西谷君救済スピンオフ地味に希望。