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equus コミック

えすとえむ 

何もかもが美しい

えすとえむさんは好きといっても雑誌で見るだけ、ましてやケンタウロスは前作も読んでおらず未知の領域でした。
表紙と装丁に惹かれ、また初めて触れるジャンルということで購入しましたが、結論から言いますと大当たりです(笑)

最初はほのぼのから始まり、進むにつれ慣らされているかのように静かになっていき、ラストでは二人を残すように静寂が敷き詰められた、そんなイメージです。
最後の1ページからまた物語が始まる…命が長い故に繰り返す孤独と出会いがひしひしと感じられ、悲しいとも虚しいとも違うすうっとした感情になりました。

少女漫画…?

少女漫画というか、とりあえず一応not腐女子向けなんですね…びっくりしました。データのコミックが苦手なので単行本購入です。

あれよあれよとほだされるノンケも嫌いじゃありませんが、葛藤しまくるノンケは大好きです!
しかし恭一はあらゆる面で流されすぎて苛立ちとか通り越して心配になりました(笑)
今ヶ瀬は毎度毎度余裕ありそうな振りして必死で…何回悶えたことか!
一番ぐっと来たのは表題作「窮鼠はチーズの夢を見る」
今まで今ヶ瀬と真っ向勝負だった夏生が見せる表情の一つ一つに胸が苦しくなりました。彼女には幸せになって欲しいです。
煙草の吸い殻のことを今ヶ瀬が気付くくだりはとにかくやっとか…と安堵しながら見てましたね(笑)

買って早々に続編購入を決意しました。書き下ろしが加えられているということなのでそちらも単行本を(・ω・)

恋と罪悪 コミック

たうみまゆ 

OL (オッサン・ラブ)

隅田川心中で惚れ込み、本屋でこちらと出会い買うしかないと思いました!

 恋と罪悪
表題作。真面目な飯田と自由な柴田。別れる度に「じゃあな」と言っていた飯田とそれに一度もこたえられなかった飯田の今の関係は警察署長とマフィア…これだけ見たら切なく叶わぬ恋ですが切ないだけじゃないのがたうみさんの魅力です。
30年越しにやっとこたえられ、抱き締め返せたさわやかな甘さ。単純には行かないけど今更何十年かかろうとこの二人なら大丈夫だと思います(笑)

 あいのいろ
トウジが静かに一途にハルをあいする姿がもどかしくてもどかしくて…そしてあいであいを伝える、何とも粋な。
あと終盤の顔を寄せ合う場面にもうやられました。ちなみに柳梅のヘラヘラ感が大好きです。

 きつつきのノック(前・後)
二話編成、トイレで泣き声が聞こえたのがすべての始まり。関わらない、干渉しない、そうして自分を守ってきた桂がいろいろな「音」を感じていく。
面倒なくらい不器用で弱い桂の心、樋口の"きつつきのノック"で開くことは出来たのでしょうか。
ほのかな見どころ:なでギャラのあずさナナトがちょろっと出てくるんですよ!

 絵に描いたような。
これはいい生徒×先生。意外と余裕のない先生、余裕しゃくしゃくな生徒が好きな人は見たらいいと思います。見てください。
さらっと甘酸っぱい感じ。たうみさんも書いてますが、確かに青春くさい!笑
二人もいいんですが、何より佐藤先生が名脇役すぎます。たうみさんの描く女性はみんなが好きになる!

 2/3の世界
伝えられなかった三人の言葉。残された二人がそれぞれの後悔を口にするページで涙が止まらなくなりました。
ある一人に想われていた、そして想っていた二人が柔らかに関わっていく。ハッピーエンドとは言えないですが、喪失感だけではありません。

 恋は罪悪
「恋と罪悪」の続き、書き下ろしです!
やっぱりたうみさんの描く女性はみんながry
恋と罪悪は追う側、こちらは追われる側。このオッサンたち可愛すぎて悶えました。四つ葉は柴田と飯田のモチーフです確定です。

やっぱりたうみさんは切なさもコミカルも甘さも葛藤も綺麗にはめ込んで一つの感情だけじゃ足りないような動悸が忙しくなる作品を描かれます。
甘すぎず辛すぎず暑すぎず寒すぎず…程よいこころが欲しい時にぴったりです。

切ないだけじゃない

日の出ハイムさんの作品は初めて見たのですが、胸が苦しくなる程切なくもそれだけでは終わらせない…そして元禄の様々な「粋な愛し方」がぎゅっと詰まっていて心から満足できました。
時代背景もわかりやすく説明されていて、あまり知識のない私でも存分に楽しめましたし!

ただ唯一残念なのが、時々絵が荒いところ。全てじゃないのでそこまで気にはなりませんでしたが、お話がすごく素敵なだけに惜しくてたまりません。