夏水さんは最近凝ってるので数冊買ってみたんですが、これが一番好きかもしれないです。
個人的な好みだと思うんですが、話にブレがないのと、変な回収されない伏線がないせいだと思います。
表題作は、上司・篠原の引越しの最中に、些細な事からMっ気を見抜き、あるかないか分からないけど一か八か突いてS的に近付いて行く部下の上田トのお話。
実際篠原にはM性があるんですが、その事について自分自身もまだ良くわからないし、認められないという状態。
それでも、何とか距離を詰めたくて小さな弱みを握った事からS的に攻めて行く上田。
上田の心中は結構後の方まで分からないので、からかわれてる、脅されてると感じ、信用できない嫌な奴と思いながら、体だけは落ちて行く篠原。
気持ちと体がスレ違いばかりの二人にちょっと切なくなりました。
こういう時のお約束で、上田がかなりやきもち妬きなのもいいですねー!
その辺をきっちりプレイに持って行って篠原を満足させるとか、偽装Sながらやるもんです。
他の作品も読み切りなせいか、いい感じで収まってて良かったです。
私は最後の探偵×推理小説家のお話が好きでしたね。
ベタでしたがいいお話でした。しかしそこで男の探偵を使うってのが意味わからんなとは思いましたけど。
一冊で受け攻め両方の眼鏡(しかもリーマン)が見られるとは、何ともお得!
メガネスキーなら買うしかないでしょう! それは私か。眼鏡と聞いて、いそいそと買いに走りました。期待は裏切られませんでした!
表題作は受け眼鏡。
本社に転職?した美樹(眼鏡)は、元の職場に期間限定で出向してやって来ます。しかも、元上司だった新(あらた)の上司として。
美樹は、かたくなに彼の事を「アラタさん」と呼びます。周りのみんなは親しみを込めてか、愛称のシンさんで呼ぶ中、一人だけそう呼ぶってのに、特別感がありましたね。
5年前に同じ職場にいて、実は5年間片思いしっぱなしの美樹がかわいいです。
お互いがお互いを意識してるのに、これまたお互いノンケゆえにすれ違うさまは、切なかったですね。
そして、色々な伏線をきっちり回収してのラストは気持ち良かったです! 個人的に伏線放置なお話があまり好きではないので…。
描きおろしの新が美樹にハマってるお話がほのぼのしててよかったです。
お互いがやたらにかわいいのです。
もうひとつのお話は、外資系の会社に勤めるエリート(眼鏡)の宇堂の部屋を、不動産屋の晴友が探すことがきっかけで始まるお話。
これまたノンケ同士なんだけど、こっちはその辺がさらっと流されてるレベルで付き合い始めちゃうのが面白い。
どうも連載じゃないのも関係してるのかな?と思ったりしたけど、まあそれはそれで面白かったので無問題。
忙しい宇堂とのスレ違いを我慢したり工夫したりして頑張る晴友がかわいい。
冷静で動じないように見える宇堂のあれこれも結構面白い。
全体的に、すごく気持ちのいい流れのお話で、するする読めて、何度も読み返してしまいました。こういうお話、かなり好きですね。
この作家さんは初読みだったので、他の作品が気になりました。
あ、そうそう、この表紙は非常に好きな感じです。切ない新の表情がお気に入り。うつむく美樹もかわいいです。表紙買いはかなり失敗する私ですが、今回は成功したと言ってもいいかもしれません。
表題作が最もそうなんですが、どの作品もどうにも現実離れしてるように感じます。絵本を読んでる気分になるんです。
それは多分絵のせいかな? デッサンが狂ってるせいで、どうしてもそう思ってしまう。浮世絵的な狂いなんで、本当に「二次元」に感じちゃうんですよね。
ストーリーもどこか浮世離れしてます。でも悪い意味ではないです。
その分、人の感じる気持ち、痛み、喜びみたいな感情だけを素直に感じられるようになってる気がするからです。
誰もが一度くらいは感じた事のある気持ちを、ストーリーに絡めたりちりばめたりするのが凄く上手な作家さんだと思います。
実はネット時代から…いえ、ネット時代の方がより好きでした。
今ちょっとしんどく感じるのは、盛り込み過ぎな気がするんですよね。特に表題作。
その為に字が多くて、凄く読みづらい。いい事書いてあるからよ見逃したくない気持ちで頑張るんですけど、少し疲れます。
情報量半分にして、尺長くしてもらえたらもっといいんだけど、それは多分P数の関係で難しいんだろうなぁと思うと凄く惜しい。
多分ネット時代はその辺が自由だったから、私の中でちょうどいい分量だったんじゃないかな?と思ってます。
表題作以外は普通の読み切りなんで、私にはとても読みやすい。
そしていい感じの盛り込み具合でとても好きです。
でもどうしても私の中で神になり切らないのは、やっぱり絵かな…。
自分の中で崩れやデッサン狂いにOKとNGがあるんですが、アルクさんはNG方向ですね…。マンガである以上、やはり「絵で魅せたり語らせたり」が出来ないってのは致命的だと思うんです。
一枚絵だといい表情なんかもあるんですけど、キメ顔だけじゃ物足りない。それ以外の表情でグッとくるのがないとな…と思ってしまいます。
これはホント個人的な意見でごめんなさい。ストーリーがいいだけに、どうしても惜しいと思ってしまうんです。
とにかく上手いなーと思います。毎回表情とかコマ割りとか。物凄く安定感があって、面白いんですが、どうも何か引っかかる感じがあって読みにくいと思うのは、キャラの心情が時々分からないからなんでしょうかね?
例えば今回は、冒頭の二ノ宮の泣いてた理由が最後まで分かんないし(何となく彩賀のせい?と思ったけど)、大学の先輩の話も具体的には出てこない(もしかして付き合ってた?って感じだが、出てこないから結局二ノ宮が元からゲイなのかどうか分からず)。実さんへの住人の絶対服従加減もよくわかんないし。
細かい回収されない伏線のようなもののしっぽが邪魔して、私の中でお話が上手く流れなかった感じがあります。
特にこのお話については、結局二ノ宮は本当に彩賀が好きだったのか? 好きだったとしたら一体いつ百目鬼に気持ちが移ったのか、そのきっかけは何だったのかが全然分からなかったのももやっとしたのかな?
今回は随分とすれ違いと勘違いが多くて、ヤキモキというよりイライラしてきましたね。この辺のさじ加減って意外と重要なんだなと思いました。
彩賀と侑くん編、結構好きでしたが、こちらも侑くんの家庭事情が色々謎すぎだし、彩賀の女との付き合い方の汚さが妙に気になるし、そっちに気を取られてやっぱりお話が流れなかったです…。
それでも萌だと思うのは、時々挟まれたキャラの表情の色っぽさや、セリフ、エロシーンがいいんですよね。
そこになると、ぐっと引きこまれる。今回はエロ度低かった分余計にそう思いました。
実はこの本が夏水さん初読みだったので、山田くんと田中課長がブツギリで始まって??でしたけど、フツーに楽しかったです。
これ、いつかはまとめて一冊で読みたいなぁ。無理かもだけど。
ガッツリ、リーマンだらけです。色んなタイプのリーマンが出てきて、あまつさえネコミミまで!!(しっぽブワッ!がツボった) バラエティに富んだリーマンに出会えます。素晴らしいです。リーマン萌の方にはオススメ。
全体的に、仕事内容はよくわからなかったけどなんちゃって感がなくて、みんなちゃんとやってる風に感じたのはすごいですね。
特に中盤の先輩後輩ものはよかった。一番作品数多いのに何で表題作じゃないんだろう?と思ったほどです。
どれも好きだったんですが、やっぱり珍しい感じで言うと「通り抜けできません」と「お気に召すまま」ですね。
通り抜けできませんというセリフ、こう引っかけてくるか!とラストでうなりました。上手いね! 同僚の何気ない一言で目覚めてしまうツンツンツンツンツンデレの石井が面白い。ふとかわいく見せる小技が上手いです。
お気に召すままの二人はよかったなぁ。特に猫になっちゃった後輩がたまらなかった。
この突拍子のない設定にもめげず、ちゃんとストーリーが展開してたのも凄い。感心しました。おもろエロかったですしね。
そして凄いと言えばこの方の妄想力! ブ○ボンであそこまで妄想するとはスバラシイ! 擬人化物も好きなんで、こちらも楽しかったです。
とても上手い絵だと思うんですが、個人的に少し好みじゃない所が引っ掛かって今まで手を出していなかったんだけど、これからはちゃんとチェックしようと思います。
表題作は、高校生二人のお話。前の席に座ったイケメンのいい香りがキーワードの爽やかなお話でした。
ワンコで一途な攻めの宮坂が片思いして、シュッとしたイケメンの沢渡と付き合うお話なんですけどね、うん、なんだろう、何でそうなっちゃった?って思った、いきなりすぎて。
イキナリ好きって言われていきなりそんな!ってハードル低! おまけにあんあんにハート付いてるし!ってなんかこう、おいてけぼりで盛り上がられ過ぎちゃって、乗り遅れました。あーあ。
エロシーンはそれなりにエロいんですが、表情もいいんですが(特に唇の描写が好きです)、毎回置いて枯れちゃう感があって、どうにも乗れなかったなー。
Pの関係で入れられなかったんだろうと推測された書きおろし部分がなかったら沢渡の気持ちが全然わかんなかったし。
海の話は結構好きでしたけど、前後の話が私にはどうにもピンと来なくて。
むしろ表題作よりも、「王様ウィスパー」が好きでした。たまらん、女王受! これはホント、キャラがピタっとくるお話だったです。
ここまで書いて、乗れない違和感の正体が、どうもキャラが不安定だからなんだろうか?と思いました。
どの話も、どうもこうキャラの掴みどころがなく、特徴がはっきりしないもやんとした印象だったので、ストーリーも作った感がして乗れなかったのかな?
とにかく絵が綺麗だし、体の描き方や、エロ方面の描き方も好きなんで(汗?を舐める描写はぐっときたな!)王様ウィスパー方面で頑張ってほしいなと思いました。
何でもそこそこ出来て、彼女もそこそこ出来て、でもなんか物足りない春日部は、校庭の背景の一部でしかなかった杉山をだんだん知るにつけ惹かれて行きます。
この出だし、話の流れ、基本的な学園物って感じで実はテンプレなんですが、ヒコさんが味付けすると何だが一味違うんですよね。
杉山に惹かれて行って、だんだん変化する春日部、杉山の微妙な変化、文化祭実行委員の女の子、春日部の母、関わってる人の行動がいちいち意味があるのがすごい。関係ないようでいて、複雑に絡み合って、お話に深みが出来ています。
エロ度はかなり低いんですけど、なかなかエロい。雰囲気エロいんですよね。私はガッツリじゃなくてもストーリーが良ければ満足派なので、そういう意味では無問題でしたね。
表題作も良かったんですけど、小型犬みたいなちょっとアホの子受のお話も良かった。とりあえずお友達から初めてどうなるんだろう?って思ったんですけど、二人の自然な変化が非常にかわいくてほのぼのしました。
全部学園ですから、学園物好きな人にオススメですね!
シリーズ二作目で、前作の主人公、史鶴の親友として登場してきた相馬のお話です。
相馬、一作目に出てきた時は向こう見ずな元気者(ちょっとウザい)というイメージだったんですが、色々考えてた頑張ってる子だったんですねぇ…。
専門学校に通ってる相馬は、卒業したら一般企業に勤めようとしています。ところが、担任である栢野は大反対。むしろ嫁とも思えるイラストで勝負するようにと持ちかけてきます。
そして、コンペに出品しろと執拗に迫ります。
そのウザさに辟易しつつ、栢野に対して複雑な心理を持つ相馬。
そんな日常にちょくちょく挟まれる謎の電話から、相馬は事件に巻き込まれます。
最初出てきた時から、あ、この二人が付き合うんだなとは分かるんですが、ここからどうなるの!?ってのが今回特に難航?した感じがしましたね。
栢野の言動にいちいち惑わされてしまう相馬は、頑張って元気な子供を演じてる子で、感受性がとても敏感。
色んな事を抱え込みすぎてどん詰まりになったり色々しんどそうだなぁという性格の子です。
まあの特殊家庭じゃこうなってしまうよね…正直これは優しい虐待じゃないかって気もしましたね。意外とみんなエゴイストで子供忘れてる感が馴染めなかったです。
明るい雰囲気を出してるのは必至の演技なのですが、それに気付くのは栢野ってのがいいじゃないですか。必要な救いでそこにはほっとしました。
栢野も色々過去アリな人で、見た目爽やかでモテモテ講師なんですが、あんなに爽やかニッコリな人もある意味怖いんだなと思いました。
今回は現役先生と生徒なんで、微妙にエロ度は抑え気味かな?と思いましたけど、なんかもう、崎谷作品では毎回思うんだけど、生々しくてそういう意味ではエロいんですよねー。
描写だけで状況が分かりますからね。
歳相応…いや、初恋な分ピュアで可愛いのにやたらと虚勢を張る相馬と、爽やかそうに見えてやらしい先生のエロシーンはなかなかですよ。
読んだ最初の感想はタイトルの一節でしたね。
シリーズ最終巻みたいですね。これからの二人に必要なステップだったと思える、ちょびっと困難アリ?なお話でした。
大学の寮に入り、野球部の下っ端としてまた新たに活動を始めた今井。
毎日会えないという状況の二人の間に微妙に入り込む他人の影に、引田だけじゃなく今井が悶々とするのに萌えでしたね!
引田の自己評価の低さゆえに色々見えてない様子にやきもきする今井。
引田の周りに見える女の影に、何でもないふりして実は全然穏やかじゃない今井。
部活を頑張ると決めて、中々会えなくなるのを我慢する今井。
今まで今井に振り回されて、オロオロしてばかりだった引田が、逆に今井を振り回してる様がちょっと面白かった。
これらの事を通して男の子として少し成長する姿が見れたのはとても嬉しかったです(オカン視点ですが)
そうやって成長した事により、今井の言う所の色気が出てきてるんでしょうね。前から確かに妙な色気がありましたけど、今ははっきりと出てる!って感じです。
今回はかなりエロかった印象。やってる事は多分標準くらいなんでしょうけど、この二人だと思うと妙にエロい。
多分引田がかなり積極的に今井の事を、「男として」好きだと思い始めた事と関係あるんでしょうね。
この二人の力関係がずっと今井寄りだったのがいい感じに是正されて、これからに更に期待が出来るようになって、ほっとして送り出したような気持がしました。(どこまでもオカン視点…)
ところで、思うにボンちゃんは絶対あの子の事好きだったよね?
ボンちゃんが上手くいく事をちょっと願ってしまいました。
表題作はコンサルティング会社社長×家具屋の社員で、まあ色んな意味で王道でしたね。
話の流れもいいし、攻めも魅力的。なのに何だかこう、逆にさらっとし過ぎていて読み終わってすぐに「あれ?どんな話だったっけ?」と忘れてしまうくらいのさらっと具合といいましょうか。
綺麗すぎるのかなぁ? 葛藤とか悩みをあまり感じない。私はBLではその葛藤とか障害が割と好物なんで、悩みなくさらっとイキナリ付き合うのって妙に違和感を覚えるんですよね。
雑誌掲載されていた、「遠くても近くても」が結構好きだったんで買ってみたんですけど…申し訳ないけど微妙でした。
しかし、初コミックと聞いて、それも仕方ないかな?と思ったり。全部が短編ですからね。
個人的な感想なんですけど、多分この方は長編の方がいいと思うんですよ。短編の中に(エッチも合わせて)全部入れると、どうしても表面的にならざるを得ないんじゃないかと。
深い心理描写や、ややこしいストーリーにするには尺が足りないんでしょうね。
今度はどのシリーズでもいいんで、続き物を読んでみたいですね。
絵は硬質で割と好みなんですが、時々挟まるギャグテイストのチビキャラがあまり好きじゃないです。だもんで、そこで結構いちいち引っ掛かりました。
かなり個人的な意見ですみません。こういうキャラ上手く描ける人ってごく一部だなって思うんですよね。