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女性いちご狂さん

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グレープフルーツムーンとは

芹澤先生のデビューコミックスだそうなのだけど、この頃から画力がずば抜けていてとても綺麗!
お話の要なケーキも、キラキラしていて美味しそうでお上手。
『グレープフルーツムーン』とタイトルにあるように表紙のケーキがグレープフルーツのケーキで作品に絡んでくるのだろうなと思っていたけど、なるほど...!
言われてみたらそう見えるけど私にはない感性だった。
センスがいいな。
最後まで読むと実は香月と洋一郎は昔出会っていて───なんだか赤い糸のようだなと思ったらタイトルが『甘い糸』。
香月も洋一郎も男性が好きな人というわけではなさそうなのに自然に互いに惹かれていたけど、運命だったんでしょうか...そうだというなら納得です。

洋一郎は好きなことをする為にパティシエになったはずなのに、お兄さんのウエディングケーキで燃え尽きてしまったそうで。
ん?それって好きなことではなかったんじゃないかな?それだとお兄さんを喜ばせたくてなったってことじゃないかな?と思ってしまい。
香月のおかげで“大切な人が喜んでくれるケーキが作りたい”と思い出したようなんだけど、動機を忘れるものかなぁと少しモヤッ。
もしかしてお兄さんのことが好きだったんだろうか?そのショックで?と思ってしまったりもしたけど、そういう訳ではなさそう。
燃え尽き症候群ってこうなっちゃうのかな。
それほどまでに洋一郎にとってお兄さんが大切で、大きな目標を達成したということなのかもしれない。

あと、ボーイズがラブすることよりもケーキのことに向き合う時間に重きをおいているように感じられました。
恋愛要素がなくても成り立つお話だし、濡場がなくても場をもたせられる実力がおありなので、それが余計にBL漫画である意味を考えさせられてしまったというか...面白かったんですが少し評価が下がってしまいました。
濡場がなくても...と書いた通り、エロなし、受け攻めもどちらがどちらなのか分からない作りです。
エロがないのは全然いいんですが、BLじゃないと描けないお話だともっと萌えられたかなと思います。

受け攻めが分からないと書きましたが、どちらとも取れると思うんですよね。
でもちるちるさんの表記を見ると洋一郎が攻めになっている。
確かに外見的なことを含め洋一郎攻めかなと思うんですが、作中リードしているのは香月なところもあったので、私は香月攻めも消しきれません。
多分何度読み返しても答えは出せないと思う。
どっちでもしっくりくるから困っちゃう。
エッチしなくていいから、どちらがどちらかこそっと教えてもらえたらスッキリしたんだけど、きっとあえてはっきりさせないで読者に委ねているのだと思うので、受け攻めは各々の好みで妄想していいと思います。

じれった拗らせ両片思い

「ひねくれさくらに恋が咲く」「ためいきの春に恋の夏」のスピンオフです。
カメラをしている五十嵐は、撮った写真を覗き見て話しかけてきた志田と話すように。
クラスで目立つモテそうな志田...苦手なタイプだと思っていたのに、一緒にいて居心地がいい。
バレー春高予選、カメラマンをすることになった五十嵐は自分が志田を追ってしまっていることに写真を通して気づく。
自分の目線がバレたくなくて撮った写真のいくつかは隠した。
けど、志田は写真越しに五十嵐の視界や感性を感じ取るのが面白いらしい。
わかられたら困る───志田のことが好きなことを。
気持ちを隠そうとしても、おかずにしたり寝ている時にキスしてしまったりで体が勝手に動いてしまい、このままでは隠せない、もう片思いはやめようと決めるのだけど...。

読者目線で見ると、志田も五十嵐のことが好きそうなんですよね。
すれ違いざまに頭くしゃってしてくる志田とかときめき過ぎた。
友人にはあんなのしないと思う。
結構頻繁に「好きだよ」って言うし。
酔った五十嵐に押し倒されてそういう事になった時に“樹”って下の名前で呼ぶし。
何より、酔いのせいにしてもそう何回も好きでもない男は抱けないよ。
君たち両思いだよ~~あぁぁぁじれったい!!!!
志田の忍耐力と優しさはすごいけど、でも逆に言うと臆病。
2人とも臆病なせいでこんなことに…。

受け攻め両視点が読めるのが嬉しかったです。
ただ、時間軸が前後するところがあるので理解するまでん?ともなった。
作中、モテるのは志田で五十嵐はそういうポジションじゃないんだけど、私は五十嵐の方が好みです。
赤面症好きなので、よく赤くなってくれるのも好み。

Kindle→白短冊と白抜きが混ざってる。1箇所だけ白短冊。修正忘れかな?

ストーリー力と構成力が光った女子BL

女性視点のお話です。
各タイトルごとに主人公が変わるので、短編集かと思ったら全てのお話が繋がっていて驚きました。
各お話の女主人公ごとに視点を変え鬼怒川くんと泉くんカップルを辿る作りで、ストーリー力と構成力がとても高くて面白かったです。
お話によって時間軸が前後するので、もう一度時間軸通りに読み返したくなりました。

『ひみつの公園』
仲のいい小学校低学年くらいの女の子マナちゃんと男の子守くん。
よく2人で遊んでるんだけど、幼稚園の頃は男女関係なく遊んでいたはずなのに小学生になると同性同士で遊ばないといけない空気になり、周りから付き合ってるとからかわれてしまう。
守くんと遊びたいだけなのに……マナちゃんは人気のない公園を見つけて守くんを連れて行くのだけど、そこには先客の高校生がいて。
優しそうなお兄ちゃんと、ちょっと怖そうなお兄ちゃん、いつも2人でベンチにいる。
2人と接するうちに、マナちゃんは暑いといいながらも寄り添い合い座る2人を疑問に思う。
窮屈な偏見の目という悩みを抱えたマナちゃんと守くんと、高校生のお兄ちゃんカップルの悩みがシンクロしているのがいい。
2組にとっての特別な場所だった公園は秘密の場所ではなくなってしまって、お兄ちゃん達は来なくなってしまった。
大学生になったマナちゃんは、守くんとは年々自然と距離ができ環境も変わったけど、お兄ちゃん達を思い出す。
マナちゃんにとってあの秘密の公園の思い出は特別な記憶。

『キラキラさん』
大学生になったらアルバイトをやりたくてコンビニ店員をしている七さん。
コンビニでは常連客にあだ名をつけていて、キラキラさんという人がいると聞いてどんな人だろうと楽しみにしていた。
キラキラと呼ばれる理由が面白い...!
よかれと思ってついお客さんとの距離が近くなる七さんが主人公だからこその展開でした。
うっかり口が出る七さんだけど、ちゃんとキラキラさんの話をひみつにしていたのも好感が持てる。
優しそうなお兄ちゃんとちょっと怖そうなお兄ちゃんが繋がった時の爽快感。
買い物の中身だけで何が起きたのかどういう買い物なのかがすぐ伝わってきた。
やだもう、いいもの見た~~~七さんもう1つの願いも叶うといいね。

コンビニ店員さんあるあるがリアルだったんだけど、もしかてチョコドーナツ先生もバイトされたことがあるのかな?
店員さんに覚えられるのが嫌なお客さんもいる...私は七さんに似ていて、常連さんにはいつもありがとうございますと言ってしまうし、相手もその方が喜んでくれると思ってしまっていたんですが、そうか...これって時代もあるのかな?
あまり干渉せず距離感を持った対応をしなきゃなと学びましたが、でも全員がこうなってしまったらそれはそれで寂しいなとも思ったり…七さん達の出会いも生まれなかっただろうし……難しいなぁ。
これからは私も買い物の量が少ない時はバーコードを上にするようにしてみます!

『推しがほしい』
周りはみんな推しがいて楽しそうで自分も推しがほしい!と思っている新名さん。
友人の推し活(ライブ)に付き合った帰りの電車で、怖そうと思っていた部署の先輩と鉢合わせる。
気づかれませんように~!!と祈りながら見ていたら、スマホを見ながらとても幸せそうに優しく笑っているのを見て、こんな顔もするんだな~恋人かな~と思う。
きっとあの表情を見たからだろう、新名さんから先輩に声をかけて話してみると意外と話しやすくていい人で───?!
恋人がいる人を恋愛対象として好きになると角が立つけど、推しは別!
推し≠恋愛対象(恋愛対象の人もいるだろうけど)、推し=崇拝対象!
結局推したかったのかお慕いしていたのかは分からないけど、誰かを好きになるのを諦めたくなかった気持ち、なんとなく分かる。

『同窓会』
学生時代に後悔をかかえている本好き薬剤師のるなさん、同窓会があるというので行くことに。
学生時代、泉くん(名前が判明した~!)とるなさんは本好き同士交友があって、鬼怒川くんと泉くんが付き合っているんじゃないかと噂されているのを庇うつもりで「男同士でありえない」と否定した。
これ、るなさんを責めきれない...。
だってそんなつもりはなく人を傷つけてしまうことが人生に一度もないなんて言いきれない。
しかも正義感...。
私はるなさんのことは許せたんだけど、クラスメイトにはモヤついた。
理解ある人たちばかりだったけど、だったらあの相合傘を書いた奴はなんだったんだと。
知っていて暖かく見守ってくれた優しいクラスメイトもいるんだけどね。
虐めとか弄りって、大人になって謝ればすむ話じゃないし、若気の至りですむ話でもない。
でも、本人が許してくれるならこれ以上外野がどうこう言うことではないし、るなさんはやっと後悔から解放され、もう二度と同じ轍を踏まないように気をつけるんだと思う。

『まっすぐ育て』
鬼怒川くんと泉くんの出会いのお話です。
子供が大好きな新米教師ハナちゃん(生徒からそう呼ばれている)の受け持つクラスに鬼怒川くんが転校してきて。
金髪で怖そうな鬼怒川くんはクラスで浮いてしまっていたんだけど、泉くんのお陰でクラスの子達とも打ち解けられて、鬼怒川くんと泉くんは仲良くなる。
「かっこいい」という言葉を外見のことではなく内面に使っていたのが、感性が繊細な泉くんらしくてよかった。
ハナちゃんがハナ先生と生徒に呼んでもらえたのは、生徒全員をよく見ていると認めてもらえた時。
子供ってよく見ているし素直だなぁと思いました。

『いつまでも』
鬼怒川くんに指輪を渡す前日の泉くん視点のお話。
今までのお話が走馬灯のように時系列順に思い出され繋がるところが好き。

設定を取捨選択して整理してほしい

菖蒲も天然なんだろうか...。
柊も合わないけど菖蒲のノリも合わない。
独特な子達だぁ~~~。
あとやっぱり情報の出し方が突然に感じてしまう話運びで。
ひよこ(妖精)のマスコットのマムちゃんとか、年末に旅行に行った時に好きだと聞いたとのことなんだけど、そんな旅行こちらは全然知らないのでハテナが浮かぶ。
それならマムちゃんを登場させない方が自然な流れで読めた気がする...と思ったら、またですか。
上巻と同じくおまけ漫画で補足。
本編に差し込めない話や情報をキャラ紹介や幕間のおまけページで片付けるのって私はあまり好きではありません。
本編で土台ができている上でのおまけはありがたいんですが。

あと、柊が勉強ができて仕事もできるらしいのは情報として知っているけど、その姿を作中見れていないので菖蒲や楓がべた褒めしていても言葉が上滑りしてしまって。
くるみの件も、アレルギーで死にかけたのは分かるしダメなのも分かるけど大きな声で騒ぐノリにえぇ?となり、どんぐりと分かって口汚く罵るのには引いてしまい。
こちらはえぇぇ...となっているのに、菖蒲はそれを可愛いと言っていて、あぁいうところに惹かれたそうで...。
ギャップに恋したのを描きたいんだと思うんですが、なんか描き方がズレてるように思う。
何度も色んなところで感じているけど、ノリが難しいし共感するのが難しい...。
でも、学生時代菖蒲が頻繁に柊を呼び出していたりしていたのは他のα(興味本位の友人達)から守るためだったというのは分かりました。
ただやっぱりズレてるように思うんですよね...不器用というよりズレてる感覚。
あの構い方のせいなのかな。
可愛がってるように思う時もあれば、なんでそんなおちょくった嫌な感じなんだろうと思う時もあって。
柊にキャラブレを感じる描写が多いんですが、菖蒲にもそういうところがあるなぁと感じます。
それを言うなら楓もか...。
お花ちゃんな時もあるし、そうじゃない時もあって、お花ちゃん設定はなくなったの?と思っていたらひょんなところでまた復活したり。
お花ちゃんってずっとお花が飛んでるものだと思うんだけど、楓の場合雰囲気がガラッと変わりすぎなんですよね...だからキャラがブレてると思ってしまう。

菖蒲はαだけどΩの柊のフェロモンをあまり感じなかったのに、普通に感知するようになってしまったそうで。
柊が菖蒲の匂いを好きすぎるのでもしかして2人は運命の番なのかな?と上巻で思ったりもしたんですが、それなら菖蒲が最初からフェロモンを感知していないとおかしいから違うんだなと。
フェロモンに鈍感だったのに突然体質が変わった理由を考えていたんですが、菖蒲ってある意味発育が遅かったということなのかな?今になってようやく周りのαと同じ感覚が芽生えたということ?と思っていたら...え?閾値???
なるほど...それならそうとこんな巻末にネタばらしするんじゃなくて作中で教えてもらえたらスムーズに読めたのにな。
楓が好きなのは同僚の如月君だということが分かるのだけど、このお話って必要なのかな?
葉月の登場もなくてよかった気がする。
そしてまたおまけ漫画でお話が進んでいる...。

作者さんの中に色んな設定があるのは当然だけど、読者は小出しに教えてもらわないとそんな情報は知りえないので.....屋上の温室の女性、なんとなく雰囲気的に皐月の親戚かなにかなんだろうか?と上巻の楓と菖蒲の件もあり気になっていたけど、突然の菖蒲呼びにだからどういう関係なの?こんなのばっかりだなと思ってしまいました。
こちらは知らないんですよ...そんな親密そうに語られましても...???
柊が「菖蒲?皐月先輩とお知り合いですか?」とか聞いているなら素性も知れていいけど、柊はこの女性と菖蒲の関係を知っているのか知らないけど突っ込まないのかすらもよく分からない。
普通に会話してるけど、頭にハテナが浮かんでついていけない。
あとで菖蒲のママだと判明するんだけど、またこのパターンですか。
おかしいよ、なんでこんなにも知ってるでしょ?って体で話が進んで、ネタバラシはおまけなの?

結局柊も菖蒲のことが好きだったし、本当は会いたかったし離れたくなかったらしいんだけど、そんな相手のことを「嫌い殺す」なんて嘘でも言いますかね.......。
普通嫌いな人のブレザーを持って引っ越さないし、香りを嗅がないし、酔っているからといって寝ないし、もたれかかったりしないので、それらから嫌いじゃなくて好きでしょとは思っていましたが、嫌い殺す言っていたのは一体なんだったんだろうとなんだか腑に落ちないです。
不器用な人っていますが、柊も菖蒲もそれとは違うと感じるし、なんていうか疲れる人たちだなと。
疲れる人たちのお話を読んでいるので、当然読んでいて疲れてくるわけで。

あっちでもこっちでも恋してて矢印が飛び交っているけど、色んなキャラの恋愛を入れ込むと情報過多でごちゃつくと思うんです。
最後の最後にあるおまけ漫画でまた情報を放出されたのだけど...柊のママの項の歯型はパパがつけたものではない......葉月は楓のことがとても好き......。
いやいやいや...なんでもかんでも設定を投げればいいってものじゃない。
作家さんの中にある数ある設定から、漫画としての纏まりや読みやすさを考えて取捨選択して整理してほしいのだけど、情報の出し方も雑だし、時間軸の経過が描ききれておらず突然場面が変わること数回、乱雑な印象が残ります。
ここまで気になったことを書き連ねてしまいいいことを何も述べていないんですが、絵はお上手なんです。
商業漫画には一定基準以上の画力とストーリー力と構成力を求めますが、画力は満足です。
しかしその他が......。

困惑…

上巻表紙の柊。
そばかすで大人しそうで繊細そう……と思ったのだけど、作品冒頭は中学生時代から始まるのですが眼鏡で小さくて地味な見た目...だけど意外と口が悪い。
そして心の内の声が面白い、ギャップ(?)のある独特なテンションの子でした。
そして下巻表紙の菖蒲。
勝手にクールな不器用さんかと思っていたけど、作品冒頭は高校生時代で...ヤンチャそう。
『会社で再会したのは、学生時代によく面倒をみていたアイツ』とのあらすじなのだけど、面倒を見ていたというより虐め...というほど陰湿ではないけど柊的には虐められてる認識だし、見ている限り可愛がっているというより呼び出しておちょくっている感じで...想像と違った。
2人とも表紙から想像していたのと大分印象が違っていたので驚きましたが、そんなことって珍しいので逆に気になった.........んですが、読めば読むほどどういうキャラなのかよく分からなくて。
キャラが固まっていないのかと思うくらいコロコロと変わるので、掴みきれず......。
どういうこと?と思いますよね、読んでみると分かってもらえるんじゃないかと思います。

菖蒲にぶつかってから目をつけられた柊。
それまでは特に接点がなかったようなんですよね。
なので、菖蒲はあの瞬間柊の何が気に入ったんだろう?と想像したのだけど、あの瞬間で気に入る要素がズレたメガネの下に現れたお顔...くらいしか思いつかなくて。
それともぶつかるもっと前から柊のことが気になっていたんだろうか?
どこに惹かれたのかなぁと考えつつ読んでいると、あれだけ菖蒲のことを嫌っていた柊が上階の窓から花瓶の水と花を捨てられたのを浴びてびしょ濡れになり、「見てると本当にイラつくよなあ、目立つんじゃねぇよ」という冷たい言葉とは裏腹に菖蒲にブレザーをかけてもらい、菖蒲の卒業で平穏が訪れたことや誰とも話さない(友達がいないのか????)こともあり、菖蒲のことを考えてばかりになっており.........え???
普通嫌いな人のことなんて、離れたらとっとと忘れようとしますよね?
怒りを発散させるために勉学に打ち込む......ん???
怒る元凶の相手よりいい学校に行ってやる!!!見返してやる!勝ってやる!とかが理由なら理解できるんですが、そういう訳ではなく。

そして、あれよあれよと下着メーカーに就職するのだけど、普通は嫌いな人のブレザーをわざわざ一人暮らし先にまで持っていかないし、抱きしめて匂いを嗅ぎません!!!!!それは好きの間違いです!!!!!と思ってしまいました。
柊本人はずっと大嫌い殺すと言っているんですけどね、行動と言動がチグハグなんです。
どうなっているんだい!?鈍感さん??天然さん??とモヤモヤしながら読んでいましたが、もしかして柊と菖蒲は運命の番で、嫌いという気持ちとは裏腹にどうしてもその匂いに惹かれるということなのかなぁ?
凄く分かりづらいけど、それならチグハグなのも分からなくはない...。
きっと職場で再会するんだろうなと思った通り菖蒲と再会するんですが、バディシステムがある会社だそうで、柊のバディが菖蒲でした。
お酒に酔って致すのですが.........展開が早いよ。
嫌い嫌いと言いながら酔っていたとはいえ自分から嗾ける柊に、どうなっているんだい!(2回目)と突っ込んでしまい。
記憶がないけど全裸だったからヤったんだろうと言っていることにも突っ込み、使った検査薬をペンと間違って菖蒲に渡すところで更に突っ込み。
冒頭に出てきた憧れのお花ちゃん先輩(楓)も同じ会社でえっ?!となり。
この流れだと楓の好きな人......菖蒲では?となり。

なんだろう、柊のテンションが独特で鈍感なのが読んでいて合わなくて、不器用だけど好きがダダ漏れている菖蒲の方が好感が持てるんですが、その菖蒲も天然というか独特なところがあって...。
中学時代の柊がトイレでご飯を食べていたのを知っていたからなんだろうな、というのは伝わるんですが、柊にご飯に誘われてOKしたあとトイレに食べに行こうとするのに突っ込むよりも引いてしまい...。
なんでやねん.........これって天然なんだろうか、なんなんだろう...どうなっているんだい...(3回目)
なんかしんどい。
ノリがしんどい。

あと、学生時代に柊が楓に世話になっている描写なんてあっただろうか...。
更には菖蒲が社長令息とのことなんだけど、学生時代からそれらしい話を何かしらしていてくれたらよかったのに、突然情報として出されるのでえっ?となり... 。
菖蒲と楓の苗字が同じなのが作中ではなく途中に挟まるキャラクター紹介で判明するんですが、ん?親戚...というわけではないよね?
でも皐月ってそんなに多い苗字かなぁ...??
.........と思っていたら、巻末のおまけ漫画的なので兄弟だと言われ。
情報の出し方が唐突だと感じるのは私だけでしょうか?
仲良さそうとかの話じゃないじゃないですか...もっと早く教えて?!
楓が菖蒲に「現実の弟は可愛くないからね~」と言っていたシーンがあるけど、それが菖蒲のことだとはあの流れでは分からなかったよ。
柊や周りの友人達が楓を苗字で呼ぶ描写がどこかにあればよかったけど、肝心の苗字が全然出て来ていないのだから、気づけるわけがないと思う。
うーん、.........兄弟というのなら、楓の好きな人は菖蒲ではないのかなぁ?

色んなことにん~???となってしまって。
結局上巻では菖蒲が柊のどこに惹かれたのかもよくわからないままだったけど、下巻で分かればいいな...。

Kindle→白抜き

ガツンと心に残る名作

イッキ×峰山さんのお話かと思ったら、あれ?トシミツとイッキってそういう仲なの?えっ、トシミツ×龍!?からのイッキ×龍じゃん!?!?と、カップリングが全然読めなかった。
喧嘩三昧なイッキとトシミツ、2人は腐れ縁のマブダチ。
トシミツがドラッグに手を出していて、イッキにも勧めるんだけどイッキはそれに乗らない。
なんでも、昔マジック〇ッシュルームですごい幻覚を見てしまったからしい。(手を出したことあるんかい!)
どんな内容か聞いてもイッキは言わなかった。
トシミツはやがてイッキから見ても手遅れになり、ついには覚醒剤にまで手を出し、人を殺して刑務所に入った。
人を殺してしまった時点でもう何も庇えないけど、恐怖を抱えながらも自殺したトシミツの最期に、無茶苦茶に好き勝手に生きているように見えて抱えた闇があったんじゃないかと考えさせられた。
イッキの言う通り考えたってトシミツにしか分からないことなんだけど、ぐるぐる考えているうちにシンプルに考えるようになって、自分が自分でいられるうちの後始末だったのかなと思ってる。
あの幻覚で大切な人をあんなふうにしてしまったことも許せなかったし、自分が手遅れだと思い知ったのかなって。
カラスの扱い方がお上手でした。
トシミツの生まれ変わりのような。
大切な友人と想い人が支え合い幸せになってくれてそれを見守って満足そうにも感じられるメリバとハッピーエンドの間のような、どちらも味わえたような作品でした。

とても面白かったし、ドラッグの怖さを描くのもお上手だし、キャラクターも全員魅力的で絵が上手い!
ショーロンポーはぶちゃいくだったりおデブだったりな冴えない三下なんだけど、読み終えてみると味がある。
特に龍は読めば読むほどあのお顔に愛着が沸いて、いいな、好きだなと思った。
イッキとトシミツは2人ともタイプの違う男前でかっこいいし、トシミツの死が繋いだイッキと龍のトシミツの死を背負い合う関係も好き。
...なんだけど、モヤッとしてしまったのが、同じ悲しみ、心の空洞を抱えたもの同士で体で慰め合うこともあるというのは分かるんだけど、イッキは遊んでいた描写があるのでこうなっても受け入れそうだし気にならないんだけど、龍は...どういうことだろうって。
恋?!いつ……?イッキが泣いた時?
あの姿を見て何かしてあげたい、慰めてあげたいって思ったんだろうか。
あと、ショーとポーが外で待ってるんだよね???それでこうなるのはちょっとなぁって思ってしまって。
でも作品全体のテイストには合っているとも思う。
奔放っぷり?破天荒っぷり?アングラっぷり?そういうのと合うなと。
あと、峰山さんのこともモヤッと。
好きだったんじゃないのかなぁ?って思ったので読み返したんですが、うーん、そういうのではなくて憧れだったのかな?
もし好きだったなら、そこからその気持ちを切り替えて龍に行くのが早くてモヤッとする。
面白かったんですよ、面白かったんですけれども!
読解不足かもしれない&好きなのでまた読み返します。

こんな最後の方に書きますが、トシミツと龍は従兄弟で、兄弟のような関係です。
それがあぁなってて両片思いだったので、血縁BL好きとしては嬉しかったです。


『エンドレスサークル ちっぽけがいっぱい』
あれから4年、イッキと龍はあの後すぐに付き合ったのかと思っていたけど、そうじゃなかったらしい。
猫ちゃんも可愛いんですけど、龍が可愛い!!!
こんなに可愛いのはイッキにたくさん愛された結果かな。
これを読むとメリバ感が薄まってハピエン感が強まるというか...読後感が変わってしまうので、読まない方が好みな人もいるかもしれない。
できるなら、少し時間を置いて読むといいと思う。
読めてよかった情報がいくつもあったので私は読めて満足です。
最後にエッ?!?!?!

神と悩むくらい好みなんだけど、上記の通りモヤっと感も少し残っているので萌2で。
書き忘れていたけど、女性との濡れ場があるので苦手な方はご注意を。

Kindle→白抜き

10DANCE 8 コミック

井上佐藤 

水を差して申し訳ないんですが…

あの突然挟まるDNAから〜という裸体の鈴木とアキとノイズが走ったような文字で綴られるものが何なのか分からず。
あんなの撮ってるなんて全然そんな話なかったし、突然会話に割って入った壮大な世界観(?)の異質な物に頭が混乱してしまい、分かりづらくて何回も読み返してしまいました。
他の方は読みながら瞬時に理解できたのかな。
隠れて…るのか?…隠れてなくない?
ヌード配信して大丈夫なのかなという心配とすごい覚悟だなという驚きと、え?未来の話なのこれ???という再度の混乱と。
もうちょっと読みやすく描かれていたら助かったんだけど、構成が読みにくいと思うのは私だけかな。

ノーマンの2度目の失恋、高いよと言っていた鈴木の言葉を覚えていたのかは分からないけど、差し出すだけのものをもらったからと貴重な時計を鈴木に渡すところまではノーマンらしいなと思ったんですが、まさかあんなに号泣するなんて。
それ程本気だったんだなぁと分かり、少し驚きました。
個人的には杉木よりノーマンの方が好きなんですが、杉木に勝てるわけがないのは分かっていて…この結果はしょうがないよなぁ………。
報われない人を好きになってばかりのノーマンにいい人がみつかりますように。

杉木と鈴木の宇宙との交信みたいな何か受信しあってるあの描写は前からあったけど、やっぱりどうしても気になって仕方がなくて。
サイコメトラーみたいになってませんか?
なんでああいう描写なんだろう。
みなさん気にならないのかな?とレビューを拝見したら、同じ意見の方がいらして安心しました…。

ここ数年でおいていかれてきている感はあったんですが、前半巻が大好きでここまで追いかけてきました。
でも巻数を重ねるごとにおいていかれてしまう回数が多くなってきてしまい…なにかと違和感が残ってしまうように。
神とか同一人物とかも私には刺さらず。
ダンスといい、すごいエネルギーと情熱を見せられているんだろうということは分かるんですが、その表現に共感できないというか………そろそろ引き際なのかなぁ…大好きだったんだけどなぁ。
私の記憶力が悪いせいも大いにあるけど、登場人物の顔と名前が覚えられないのもつらい。
誰?!と何度もなり…そういうところからもついていけていないなと自覚する。
このような者のためにもどうか登場人物紹介をお願いしたい。

私は攻攻だろうがリバだろうが面白ければ全然気にならないんですが、確かに地雷の人は駄目だろうな…と玉手を見て改めて思いました。
このリバ感がこの作品のよさな気もするんですが、どっちがどっちなんでしょうね。

特装版小冊子の描き下ろし特別編…これは……どういうことだろう?
初期構想だそうなのだけど、子持ちのシングルファザーがってことですよね?
それとも獣耳しっぽもなんでしょうか?
これ、つけ耳とかではなさそうなんですが…獣人だったということ????
急にファンタジーになってしまうけど…???
エロよりそっちが気になってしょうがなかったんですが、こちらでは杉木が攻めていました。

お菓子とキスと可愛さと

四ノ宮が七尾のことを製菓学校時代尊敬(製菓の技術を認めてたライバル的な)していただけじゃなく好きだったようで、好きだからこそ分け隔てなくみんなと仲がいい七尾の大勢の友達の1人になりたくなくてツンケンしていたと…
それは分かったのだけど、七尾はノンケ。
急に俺にうつせばいいとキスされたって普通は気持ち悪く思ったり引いたり突き飛ばしたりすると思う。(驚きすぎて固まっちゃう場合もあるだろうけど。)
それなのにめちゃくちゃキスしたりその後もなすがままキスしたり…七尾も尊敬していただけじゃなくて四ノ宮のことが実は好きだったんだろうか????と頭にハテナが。
でも学生時代は純粋に目標として尊敬していた感じで、そんな風ではなくて。
その時から実は好意を持っていたのなら分かるんですけど、再会からのキスで意識しだしたならどこにそれ程強く惹かれたのか疑問に思ってしまい。
自分のかわりに泣いてくれて救われたのは分かるし、目標として尊敬していた人だということも分かるけど、それと同性とそういうことをするってイコールじゃないと思うんですよね。
絵も可愛いしキャラクターも素敵なんだけど、この辺の展開が急に感じてしまいました。
読んでいてリアルだなぁとか、こういうの本当にありそうだなぁとドキドキするというより、あぁBL漫画だなぁって思ってしまったというか。
四ノ宮も、それまであんなにトゲトゲしていたのに、その後はあのトゲはどこにいったのってくらい纏う雰囲気も変わって目つきも甘くて優しくて素直で、その変化も私には急で取り残され気味に。
デートもするんだけど、えっこれデートなの?!えっいつ付き合ったの?!と驚いてしまい。(デートと言っていただけで付き合ってはなかったとあとでわかったのですが、男友達同士ならデートってワードにももっと突っ込んだりするよなぁと。)
四ノ宮はいいんですよ、気持ちは分かっているので…七尾〜〜友達同士でキスしてる認識ってなんだそれ!キスフレ…?!異性だったとしてもハテナだけど、同性でそんなのないない!!!と突っ込んでいたら、友達と思ってるけど、もう友達としてのキスではなくなっているらしく、七尾も四ノ宮のことが好きなのだと判明…したのだけど、やっぱり七尾の気持ちが私には弱くて。
七尾が四ノ宮のどこが好きなのかは理解しているんですが、どうもふわふわとしている感じに思えてしまうというか…なんだろう、ちょっと天然さんなところがあるのかな?
うーん、この辺の処理がなぁ、勿体ないなぁと思ってしまった私は贅沢なのかな…。
とても光った物をお持ちだったので、余計気になってしまっているのかもしれないのですが。
でもこれがデビューコミックスなのかな?
それならすごいな。
上記のとおり個人的には残念に思ったところもあったんですが、画力・ファッション・お菓子などから伝わるセンスの高さ!
魅力的な作家さんに出会った!と思いました。
今後が楽しみです。

モノクロとカラーイラストが少し印象が違っていて、どちらもよくてどちらも好ましいんですが、私はカラーイラストの可愛さが好きです。
この表紙に惹かれて手に取ったといっていい。
目元と頬の赤み可愛い〜!

作中、濡れ場は1度あるんですが、サラッとしてるというか朝チュン系な感じです。
そのかわりキスが多い。
後半四ノ宮の髪型が変わるんですが、長い時は個性的であちらの髪型もよかったけど、私は切ったあとの方が好みでした。
学生時代も含めると四ノ宮の髪型が3パターンあるところに南華先生の拘りを感じました。
ヘアアレンジも色々あって、オシャレです。

pa◯cyで限定のおまけ漫画が沢山読めるのでご存知ない方がいたら覗いてみてください。

5巻に引き続きしんどい

エルヴァ様の口調、綺麗な見た目とギャップがあって、ちょっと口が悪いけどとても優しいのがまたよくてとても好きなんですが、あれってミカの真似だったんですね…!

「抜け落ちた記憶」が見つかり、レティのひいおじい様が巫女をポルノしてる連中の1人だったというのが分かったけど、それを脅しに使われて圧力を掛けられてたってことなのかな。
それにしても、夜明けの唄って人間の醜いところをグサグサ描いてきますよね。
5巻の巫女の件も今回のミカの件もこういうのを見せつけられるとしんどくなってしまう人もいるだろうなと。
特にミカは、最期といい悲しすぎる。
正義感があって面倒見がよくて気のいい子。
墨痣が全身に広がってもういつ死ぬか分からない状態まで一生懸命覡として戦った…なのに最後には母に抱きしめてもらえず拒絶され、過去の覡の記憶を見て真実を知り反旗を翻した。
貴族皆殺し計画で多くの人を殺めてしまったことは庇えないけど、その行動心理は理解できます。
その最期があぁも惨たらしいなんて...。
エルヴァ様も親友を手にかけてしまっただけでもしんどいのに、ミカを村人にあんな目に合わされてそのショックたるや言葉が出ない……。
エルヴァとアルトが寝所で結ばれる時はハピハピだと思っていたけど、こんな怖さを宥めるような不安を抱きしめるようなものになるとは思っていませんでした。
おめでたいけどクラッカーを鳴らすような雰囲気ではない。
想像と違ったものだったけど、1つよかったのは、エルヴァ様は性に疎くていつもはアルトが主導していたけど、今回は手網を握っているのがエルヴァ様だったこと。
あれはその場の空気やアルトの不安を上手く生かした描写だったと思います。

そしてアルトのお父さん。
もう死んでいるんじゃないかとニナが言っていたけど、交信しないだけで生きていてくれていると思っていたんですが、そうですか───。
黒海側ではない人なんじゃないかなとニナと交信しなくなったというところから思ったりもしたのだけど、アルトを黒海と会わせたり初めて人間との間に子をもうけた人だったりで、どうだろう分からないなと思っていたんですが、迷う時はあっても中立の人だったんですね。
そしてこういう描き方をされる予定だったのか...!と扱いが意外でした。
もっと重要な立ち位置なのかなと思っていたんです。
いや、エルヴァ様を殺さなかったのがものすごく重要か。
エルヴァ様の誓いかっこよかったな……。
あの言葉がきっかけになったってことですよね。
愛しい人を見つけられたこと愛しい家族に感謝しながら響く声には従わず1人静かに最期を迎えたのが、苦しみから解放されたかったのもあるだろうけど、誰にも悩みや素性を打ち明けず迷惑をかけない後始末をしたようで胸が苦しくなりました。
理由は違うけど、樹海で命を絶つ人もこんな最期なのかなと重ねてしまい...強い決意がないとあの死に方はできないよ。。。
あの時アルトのお父さんがエルヴァ様を殺さなかったから、今のアルトとエルヴァ様がいる。
お父さんの願いがかなっていることが救いでした。

いよいよ次巻から外の世界に足を踏み入れますね。
地獄のような出来事が続いているし、もう少し暗雲立ち込めそうな気がするけど、光が差すのを信じて、楽しみに見守りたいです。
ゆりかごから墓場まで描くぞとのユノ先生のお言葉を見て、エッッッ!!!!最期を見守って幕が閉じるの?!と驚いたんですが、どうなんでしょうか。
結末の予想がつかずに拝読していますが、もしそうなら最期を見守れるBL大好きなので嬉しいな。

番外編が癒しでした!
エルヴァ様の前とそうでない時(他の人から見たアルト)の違いが描かれていました。
スペ高イケメンモテ男だってことは分かってるつもりだけど、私の知ってるアルトもエルヴァ様視点のわんこくんだよ。
このギャップが可愛くて愛しい。
エルヴァ様の手紙、こんなの宝物じゃん!!!
お返事にお返事を返し続けてほしい。

空気感がよい

息子×義父モノです。
人形作家でちょっと頼りなそうな次郎はボロアパートのオーナーをしていて、喜一の母夏海と再婚して父になった。
そんな次郎とそのボロアパートの住人のご飯の面倒をみてあげてるのが息子の喜一。
親の次郎より、子の喜一の方が世話焼きさんで親のようです。
ひとつ屋根の下でアパートの住人たちと毎日賑やか暮らし...なんだけど、全体のテンポ感と空気感はしっとりしていて落ち着いて読めます。

夏海が次郎のことをライバルと言っていたので、もしかしてそういうことか?と思った通りの三角...いや、喜一を含めると四角関係。
亡くなった喜一の父昭雄を挟んだ三角関係の上で夏海と次郎の再婚があるのだけど、この相関図でドロドロしているわけではなく、関係が協力的で良好なのが新鮮でした。
息子の喜一は次郎が好きで、次郎も昭雄の面影を息子に重ねて叶わなかった恋が実るかもと思っているところがある。
喜一が次郎が描いた昭雄のスケッチを見つけて次郎の気持ちに気づくのだけど、知っているけどそれでもという喜一の母と通ずるところもあるというか...、なんかよくて。
好きだなこの相関図。
次郎と喜一は結局もう両想いなんだけど、次郎が答えを出せなくて喜一が好意を伝え続けている状態……このままの関係で終わるお話なのかなと思ったら、最後のこれはどう受け取ればいいんだろう?
家族としてなのか、恋愛の意味でなのか。
もしかすると両方の意味が含まれているのかもしれない。
はっきり答えが出て恋人になってハッピーエンドではなく、解釈を委ねられた纏まり方でした。
私はこの読後感が当初の期待と違って、中盤まで高評価だったのが失速していってしまったんですが、この作品は息子×義父モノという歪さや禁忌感をあまり感じず、なんだか自然という不思議な空気感で、このラストもそれを崩すことがなかった纏め方だったと思います。
キスはありますが、濡れ場はありません。
なくても物足りなくありませんでした。
というか、濡場がないのもこの作品のこの空気感を出すのに一役買っていると思います。
親子な時点で歪ではあるんだけど、ドロドロしてない、しっとりとした親子ものを読みたい人に向いている作品です。

夏海が次郎の気持ちを知っていたのは女の勘なのかな?
昭雄は次郎の気持ちは知らないまま亡くなったんじゃないかなと思う。(真相は分からないけど)
喜一視点も次郎視点も見れたので、BLではなくなってしまうけど夏海視点も気になるな、読んでみたいなと思いました。