akabeko先生のチャームともいえる太眉タレ目。
本作はふたりとも眉が細くて攻めの光はツリ目。
貴重な太眉タレ目じゃない作品が出るとやったー!となります。
なのでルックスの時点で期待大。
光が赤くなってるのはじめてみたときは怜慈の泣き顔に惚れたのかな?と思ってしまったのだけど、そうじゃなくて赤面症の男の子でした。
言われてから見直すと頬だけでなくおでこの方まで赤い。
やったー!(2回目)
赤面症大好き!!
自分のことをバカにせず見放さなかった母、その弟の怜慈も光のことをバカにせず「おまえ頭いいな」と認めてくれる。
一見似ていないように思えるお姉さんと怜慈だけど、価値観に血の繋がりも感じられます。
怜慈は自分の価値をあまり見出してないというか、自分はどうしょうもないと自覚していて、性格は素直なんだけど破滅的な生き方をしていました。
でも、おじさんがいてくれたお陰だと言って光が存在価値を認めてくれます。
互いに互いの存在が大切になってきていた2人。
そんな時怜慈にかかってきた電話相手の女性が抜いてあげようかと話している会話が筒抜けで聴こえてきて、光は嫌悪感を感じます。
怜慈の持っていたアイスを使いいたずら。
ここで、光が怜慈に抱いている感情が親愛ではない独占欲、恋愛感情であることが分かるのだけど、いつ恋に変わったのかはここにくるまで分からなかったのが正直な感想。
うーん?と思いながらページを捲ると、光自身もこのことをきっかけに気持ちに気づいたようだったので、もやっとせず読むことができました。
ただ、拉致られて木に括り付けられている怜慈の背後に光が急に現れて助ける描写には、どうやって近づいたの?と思ってしまった。
「俺がどんだけ頑張っておじさん助けにきたか全部聞いてよ」のセリフのあとに組の親父さんが現れてるコマが入るんだけど、親父と光は会ってない解釈で大丈夫でしょうか…?
赤面症も外に出ることも克服できていない光が、吐き気や呼吸困難に見舞われながら助けにきたことがどれだけ大変だったかという解釈でいるのだけど、どんだけ頑張って…の中に親父と接触したことも入っていたりするんだろうか?
ちょっと分かりにくかった。
どんだけ頑張ったかの話は読者は聞けません。
タイトル回収といった感じで幕が閉じます。
ちょっと駆け足な展開もあったかなと個人的には感じるものの、厄介者同士が出会って互いに補い合って、光が怜慈に救われたお話であり、怜慈も光に救われたお話でした。
本編には濡れ場がない作品なんですが、描き下ろしで見れます。
描き下ろしてくださっていてよかった…!
ただ、akabeko先生基準でいうと控えめかな。
評価は残念ながら、神…!とはならなかったんですが、ルックスと関係性は◎
家から出ない光の爪がすごく長いところなんかも引きこもりとしてのズボラさや根暗さが読み取れる細かい描写でおっ…!とさせられました。
これからは爪は欠かさず短くなるんでしょうね。
光の髪型が好きなんですが、この髪型もおしゃれで長いのではないことが分かります。
とても似合っているので、これからも長いと嬉しいんだけど、いつか短くなる日が来そうです。
三角関係モノです。
大好物…!!
女子BLに掲載されていた作品なので、三角のうちの1人は女子、男2人と女子1人の三角関係です。
攻めの耀司は戸森と付き合っていますが、転校生の受けの三郷にとても執着していて、暴力という形を向けています。
ある日三郷がクラブ棟の上から飛び降りて、それを庇おうとして耀司も一緒に落ちる。
軽い怪我ですんだ耀司と入院した三郷。
そして別れを告げられる戸森。
戸森は耀司の気持ちに女の感を感じていたのだと思う。
伝う涙は自らの悲しさと、やっぱりという気持ちが含まれているように感じられた。
このあとされるキスは唇と唇が触れ合う描写がないので、目覚めなければしていたけど寸止めだったのかなと私は初めて読んだとき思った。
読み進めていくとキスしたあとだった可能性の方が強くなったのだけど、この離れた唇と唇の描写が余白があって好き。
音がない世界、でもそこに確かにある空気の流れや熱を感じる明日美子先生の妙技を味わえる。
また転校していった三郷と停学になった耀司。
残された戸森。
火花とは、耀司と三郷の間に散った熱を戸森が感じた表現だった。
もう会うこともないのかと思っていたら、戸森は3年後三郷を見かける。
耀司と会うのも3年ぶりだった模様。
入った喫茶店で、ウェイターをしていた耀司と偶然出会う。
再び体を重ね合うけど、耀司の心は三郷にあることを感じる。
病院での寸止め(初見時私は寸止めかと思っていたので)の件があったので、高校生時代耀司と三郷はそういう関係ではまだなかったのだと思っていたのだけど、そういう関係だったという回想がここで挟まります。
泣きながら戸惑う耀司と、同じく泣きながら唇を合わせる三郷。
唇を合わせると書いたけど、厳密にはここでも唇が合わさった描写はない。
病院の時と同じ描き方でした。
なのになぜか私は病院では寸止めに感じて、ここではキスしたあと離れた唇に感じた。
先に書いた通り、読み進めたあとはどちらもキスしたあとなんじゃないかと思うのだけど、最初に読んだときはそんな風に感じて、読み返した時は両方キスしたあとだったんじゃないかと感じたこの想像力に委ねられた描き方がとても素敵で好きです。
「お前さ、三郷と会ってんの?どこかで見た?」
この一言に、耀司の三郷に会いたい気持ちがすごく乗っていて、見ていないと嘘をついた戸森の気持ちもよく分かる。
火花とは、恋心。
3人の恋心が交錯する。
気持ちが三郷にあるのに、耀司は戸森と元サヤに戻ります。
戸森は内心びっくりしたんじゃないだろうか。
でも、また自分が耀司と付き合えて嬉しい。
糸が繋がったのは自分だと思っていたら、戸森は合同説明会で三郷と鉢合わせる。
偶然は運命で、運命は必然。
先に牽制したのは、既に負けを感じているからもあるのではないか。
2人の間に火花が散るかと思いきや、三郷には付き合っている人がいるという。
でもこれは嘘なことがスマホの画面の描写で伝えられる。
一コマでその事実を伝える技量。
「三郷に会ったよ」
今度は嘘をつかなかった戸森。
心の余裕が伺える。
一方、出会系で会った人とヤろうとしていた三郷は「肌白いね」と言われて昔耀司に同じことを言われたのを思い出す。
蘇る当時のこと。
耀司との行為。
耀司への気持ち。
あの日の幻。
ーーー切ない。
三郷の気持ちに気づいている戸森が男前なんです。
耀司を巡って三郷に対抗心を持っているのに、それでも喝を入れてくれる。
耀司の元につれてってくれる。
出会ったが最後、もう言葉なんて必要ないくらい絡み合う火花。
自分が恋をしているから、知っているから、目の前の2人の光景が眩しい。
自分じゃなかった切なさと、それを美しく思ってしまう気持ち。
戸森の、認めるしかない気持ちと葛藤が伝わってくる。
戸森は耀司と三郷の間にいてもらわなくてはならない存在でした。
あれから1年。
せっかく2人の糸を結ばせてあげたのに、耀司と三郷はまたすれ違っているらしい。
「思ってたんと違ったか」
この言い方が好き。
関西人でもないのに唐突に関西弁を挟む喋り方が最近の若者らしいなと思うし、サバサバした戸森の男らしさも感じる。
三郷と会っていないと嘘をついた戸森。
同じ嘘でもそれぞれ気持ちが違うのが伝わってくるのがすごい。
戸森と三郷の不思議な共同生活。
だけど意外と相性がいい2人。
さながら女子同士の友達のようで、男だけど女側の三郷の立ち位置を表してもいるようで面白い。
(女側という言い方はよくないけど。)
別れてるのに、まだ耀司が戸森の家の合鍵を持っていることには驚いた。
戸森と三郷の関係を勘違いした耀司が激怒して戸森に手をあげようとしていたところを庇う三郷。
ここで三郷と戸森の間に友情を感じたのは私だけだろうか。
耀司と戸森が仲直りすることと一緒くらい三郷と戸森にとっても大事なシーンだったと感じる。
すごい大事なシーンの戸森のセリフが誤植になってるように思うんだけどこれでいいんだろうか。
誤植だったら勿体ない。
かっこいいと言われて嬉しくなる戸森。
誰かの言葉と誰かの言葉が繋がり合っていく。
この最後の会社の先輩後輩女子2人の間の糸も友情に発展したりする可能性もあったりするのかな。
恋のお話であり、友情のお話でした。
戸森視点なんだけど、三郷視点でも読めてすごく面白かったです。
描き下ろしがまた上手くて。
この短いページの中に3人の気持ちと関係性がとても表現されていて、かつ甘さも感じる。
一コマの表情とセリフで幸せを感じさせられます。
満足!
「火花」のほかに、もう一作「英雄と少年」という短編が収録されていました。
戦いの中、行き倒れていた少年を救ったのは憧れの人。
これはどう受け取ればいいんだろう?
キスは同情なのかな。
別離のお話でした。
明日美子先生の作品はどれも大好きなのだけど、リブレさんの作品は特に好きかもしれません。
雰囲気のある短編集です。
深く考えるとどう汲み取るのが正解なのか考えさせられる作品が多かったです。
なので、明日美子先生が伝えたいことを100パーセント汲み取れているか自信がない作品もありますが、読んだ人それぞれの感じるままでいいのかも。
初めて見る出版社なので、この本はBLじゃない分類なの?と思ったりもしたけど、収録内容はBLです。
■春の画
ハーフの加賀屋とチビの安藤。
パリの音色、初めての手淫。
淡い恋の気配はあるのだけど、「春の終わりを待たずに彼は行ってしまった」が初恋になるのを待たずに行ってしまったとも感じる。
なんだか風を感じた作品でした。
アニメイト限定セットの小冊子に収録されているお話が加賀屋視点で、安藤に興味をもった理由が少し伺えます。
■夏と冬のであう場所
借金まみれで甥を誘拐した叔父。
姉と同じ顔の甥に惹かれてしまう叔父と、それをわかっていて叔父のことが好きな甥のお話。
甥が誘拐された側なのだけど、真に拐われたのは叔父の方だと思いました。
雨の音が聞こえてくる作品でした。
■ぼくのすきなにいちゃん
近所に住んでる高校生(?)のにいちゃんに懐いている小学生のカズ。
憧れのにいちゃんがキスしているのを見ておれにもしてと口にする。
手をつなぐみたいな、なんでもないノリで応えてくれたように思うのだけど、本当はどんな気持ちだったんだろう。
最後のページ、笑顔の横で告げられる衝撃の結末。
空気で(触覚)、匂いで(嗅覚)、味覚で、煙草を感じる作品でした。
■ヘンタイ
同人誌も持っています。
教育実習先が昔性癖(女装で興奮)を見せてしまった子の学校で、弱味を持ち出されてまた女子の制服を着せられ体を弄ばれて変態と罵られる。
でも実際は生徒の方も興奮していて同じ穴の狢。
罵られる側が罵り返す展開が好きです。
収録作の中で1番好きなお話がこの作品でした。
■ボーイズラブ
愛しあう2人が同性愛への悩みを打ち明けあうお話。
■温室の果実
一人でするのが見たい、男に犯られるのが見たい。
高齢の政治家先生に望まれて、デリヘル男とヤる秘書のお話。
彼はいつ先生に惚れたんだろう。
先生と同じことをいうデリヘル男との間にも新たな気配が漂う。
■悪い男
表題作なのだけど、めちゃくちゃ短い(4P)ので驚いた。
表紙の子が鼻血垂らしてボコボコになってて(?)死ぬ死ぬ言ってるのだけど、実は血じゃなくてラズベリージャム。
誰かに痛めつけられたようにも見えるのだけど、自作自演ってことでいいのかな?
そして、惡い男っていうのは受けのことでいいのかな?
もう少し長く読みたかったです。
ヘンタイはとても好き(神)なんですが、総合評価は萌でした。
前巻も絵柄が可愛くなられたのが衝撃でしたが、今巻はますます可愛らしくなられていました。
目の中がハートになる表現も西本先生は今回が初めて。
私は前巻のガクの方が好みなんですが、可愛いのがお好きな方は前巻よりお好きかも。
甘えたさんだし、甘いもの好きだし、全体的に可愛いが増し増しです。
表紙もですが、漫画内でも唇(やお口)に拘られていたように感じました。
〝新しい表現への挑戦〟が伝わってきます。
お臍は相変わらずえっちで、へソックス健在でした。
服を受けの顔に巻き付けて結ぶ描写では別作品が頭に浮かんでしまったんですが、踵の伏線が生きた表現だったと思います。
誰にでもあることだけど、相手によって別の顔を見せたりキャラを作っちゃったりするあの現象って一体なんなんでしょうね。
違う顔を知って引くんじゃなくて色んな顔が見れて好きって思えててよかった。
そして、周りへの顔とは違う自分にだけ見せる顔の破壊力たるや。
今回は委員長がキーマンでした。
続編と言えば当て馬(男)が出てくることが多い中、女子にスポットをあてていたのが新鮮でした。
女子は女子でも昔からのモデル仲間で男装の麗人って感じの子なので、タカラが心配したり焦ったりしてくれて、ちょっとした当て馬感も出ていました。
突っ込まずにいられないんですが、ガクはすね毛なんてものは生えないの...????
急に女の子の服を着ることになっても毛が悪目立ちしない足...女性でさえ未処理でショート丈は履けないよ?!
格好といえば、変装で眼鏡を掛けてくれたタカラと侑弦ありがとう!
眼鏡姿が見れるとは思ってなかったし、ハーフテールもかっこよかった。
後半はガクの誕生日旅行編と年越し。
ガクのピアスホールって閉じてなかったのか...!
ピアスしてる姿が全然出てこなかったので、もう閉じてある昔の跡なのかと思っていました。
2穴攻め...なるほど、穴は穴でもこの穴にフォーカスを当てるのが西本先生らしい。
ただ、「シーツにおもらししましたごめんなさい...」はどうなんだ?
精液でも汚れまくっていたと思うけど、あの後潮吹きしたという解釈で大丈夫かな。
うーーーん......あの流れでのおもらし謝罪おまけは私はない方がよかった。
1つ前のコマで終わりならこんなに気にならずにすんだのに。
激しく汚すような行為は萌えより迷惑な客だなと思ってしまって...フロントさんが頬染めてるのもなんだかなぁって冷めちゃって。
そこまで羽目を外すのなら初めにタオルとか敷いてくれていた方がまだよかったな...とか思っていたら、年越しでタカラの家でする時は服を敷いてしていました。
うん、やっぱりTPOで汚さないように対策してる描写ってリアルで萌える。
でも、旅館は汚してもいいって価値観かぁ...。
あのおまけ、皆さんは嬉しいのかな。
今回で完結だと思って読んでいたので、続く終わり方で驚きました。
最後に登場した子、ちょっとタカラに似てる気がするし同じ位置にピアス開いてたから、例のピアスの相手なのかな?
次巻ではこの子が当て馬なんだろうな。
あと、侑弦の相手って男性だったりするのかな?
ガクみたいに綺麗な子なら男同士も興味あるみたいだから可能性はありそうで、それならスピンオフもありえるのかもしれないなぁ、なんて思ったり。
私が思っていたよりも広がりのある作品なのかもしれません。
原作未読でドラマCDから入り、何度か聴いたあと原作を追いました。
リピ率が三本の指に入るくらい多いです。
原作既読後の方がより萌えたのですが、音から入った私がこの作品好き!原作も是非読みたい!と思わせられたくらいですので、原作未読でも楽しめると思います。
内容は原作通りなのですが、原作より分かりやすい言葉や流れで状況説明し、セリフを組み立てて作られていたのだと既読後知りました。
「チューされると思って目ぇ瞑っちゃったん?」という台詞と「お揃いの指輪、嬉しかったん?」という台詞が追加されているんですが、あそこの阿座上さんの言い方が好きなので、ありがとうシナリオさん!の気持ち。
ただ、原作未読の時は気づかなかったこともありました。
雅を犯そうとしてきた3人組が部屋でたむろして(雅のことを)「ヤりてー」と言っているシーンは、実際は横に彼女(セフレの可能性も...)がおり、原作では一応彼女にもセリフがあるのですが、CDでは登場しません。
原作未読勢にはそこに女子がいるとは全く分からないと思います。
旅行の会話も原作では行ったことがない旅館を提案している感じだったのに、CDでは行ったことがある旅館になっていたのでん???となりました。
もし未読で聴かれる方、聴かれている方がいらしたら、原作も手に取ってみると発見があると思います。
(私は音だけで聴いていた時は晴の妹をロングヘアの晴似の美人でイメージしていたのだけど、原作を手に取ると活発そうな見た目のノリがいい子でこんな子だったんだー!となったり、お父さんもピアスホールがあいてる若い時ヤンチャ(?)してた系だったんだ!となったり、想像とのギャップも楽しめました。)
小林さんは今まで拝聴してきたBLCDではあまり刺さらなかった声優さんだったのですが、ご出演作の中で雅が1番好きだし、1番萌えさせていただきました。
雅に出会えてよかったです。
阿座上さんは相変わらずお上手すぎる。
あまりにもご出演率が高いので、聴いていて別のCDのキャラが浮かんできたり被ったりしてしまいそうなのに、ニュアンスの付け方が絶妙で飽きがこない。
すごく晴でした.......なんでこんなに自然体で役柄ごとに変化させた演じ方が出来るんだろう。
素晴らしかったです。
「善いと思って決めたらもう信じて祈るしかないんじゃないかな」
私はどうしたら最善なんだろうどうしようどうしようと悩む癖があって、考えたって分かるはずがない他人の立場視点でまで物事を考えて自分の中の気持ちもブレだし、他者を尊重して本当の気持ちに嘘をつくこともあります。
なので、苦悩するルカの気持ちがとても分かる。
一生懸命考えたって答えなんて分からない…延々と悩んでるとしまいに病んでくるので、早く決断しなければいけない。
でも、そのなんとか捻り出した答えが最善だったと思えるかは結果次第。
結果は神の領域だから、ユキの言う通りできることは祈りくらい。
頭では分かっているはずなのに、深刻に悩んでいるとこの「決めて祈る」がうまくできなくて。
決断する怖さと重圧のドツボにハマった時の後押しって、自分が間違っても受け入れてくれる人がいるかどうかだと常々思います。
例え世間的に間違っていたとしても、「あなたは正しい」と言ってくれる人の存在で救われるし心が軽くなる。
4巻のユキとルカの会話も、本作冒頭のこのユキの言葉も、鳴海さんの「君の判断は正しい」も、私が言われたわけではない言葉ですが、改めてそれを実感した導きの言葉でした。
「過去と未来」と書いて「不安と不安」と読むところもすごく共感。
yoha先生、ほんとこういうのどこで培われたんだろう。
苦しんでいる人に対する理解がすごいので、アンサーも的確というか。
だからこそ、つらいし重いストーリーだけど、読んでいて救われる作品となっているのだと思います。
散りばめられた言葉が煌めき(救い)です。
今巻は終盤に不幸のなり方しか手本がなかった道を踏み外して生きる子達が出てくるんですが、もうThe アングラって感じの地獄絵図で。
「外村はクズだけどいいところもあるクズ」っていう言葉が4巻でも出てきましたが、こういうところも当てはまるんだろうな。
悪いことだけど、見方を変えるとマシな道を用意してるのは否定しきれない……。
読みながら倫理感が混乱してくるけど、やっぱりそれは人助けではないと思う。
外村が自分は人助けをしてると心から思っているのは、彼も施設で育って誰にも助けられず生きてきたせいもあるのかな…。
…なんか言葉が出ないな。
救うって何なんだろう。
正しいって何なんだろう。
色々考えさせられます。
イチさんもいい人と言ってはいけない人種なのかもしれないんだけど、要所要所で大事な言葉をユキや鳴海さんに伝えてくれていて、2人のことを放っておけないのも滲み出ていて、結構キーマンだなって思います。
外村には惹かれないんだけど、イチさんにはなんだか惹かれてしまうんですよね。
鳴海さん、ほんとユキを抱いてやって………。
ユキを救えるのはあなただけだし、あなたを救おうとしてこんなに頑張ってくれるのはユキだけだよ。
描き下ろしの「自分とだって約束しましょう」の家政婦さんの言葉が本当に大事なお話で…私も小さい頃にこんなお話をしてくれる大人がいてくれたらなぁと思ってしまいました。
私はこの作品が大好きなので続くのは嬉しくもあるんですが、心配も生まれはじめています。
一体あと何冊出るんだろう?
少なくとも2冊は出る気がするので、もっと続くのかもしれない。
長引きすぎると好きが薄れていくこともあるので、この好きをなくしたくないから怖い。
次巻で出口が見えてくれると嬉しいな。
兄弟BL×miso先生という好物のコラボにとても期待していたんですが、兄弟モノ(本作は義兄弟です)の醍醐味である兄弟であることの葛藤が希薄というか、結ばれてから親にもサラッとカミングアウトしちゃう(そして受け入れられる)ので、兄弟BLに倫理観や背徳感を求めるタイプの人はちょっと違う作品かもしれないなと思いました。
先に兄を好きになった弟の夏芽は兄を好きになってしまったことを悩んできたんだけど、酔っ払った兄にキスされてから兄が酔っ払う度にキスされることを期待してしまい、実際しちゃいます。
その日もまたそんなことになっていたのだけど、酔いが浅かったらしく弟が自分に欲情していることに気づいた兄...しかし、それに動揺する訳でもなく「可愛すぎ!」となってそのまますんなりえっちしちゃうし、そのままなし崩しにセフレみたいにセックスするようになってしまいます。
本の半分くらいまではこんな感じのノリで、私が期待したものとは違うかも...いつものmiso先生味はないお話なのかな?と思ってしまいました。
でも後半、少し空気が変わりはじめました。
ここで弟の葛藤や兄の抱えるトラウマや感情の重さが見え始め、miso先生らしくなってきたと思いました。
兄は最初から弟のことを溺愛しすぎてて、モテるのに別れてしまうのも弟が何より優先だったからだったし、置いていかないと信じられるのも弟だけだった。
読み始めは兄は恋情なのに兄弟愛だと思っていた鈍感さん?と考えたりもしたんですが、それよりはネジが飛んでるの方が近いのかも。
弟とか兄弟愛とか恋情とかいちいちカテゴライズしてないタイプのクソデカ愛を弟に抱いていて、弟より愛が重いのは実は兄の方でした。
病んでいるわけではないのだけど、心の傷を持っている為かちょっと近しい執着と狂気の片鱗を最後の方で味わえるので、そういうのがお好きな方はおいしいと思います。
私も後半の方が好みです。(首に残る圧迫の跡とか好き。)
今回は中立ですが、miso先生は読み手に考察の余地を作っている作家さんだと思います。
真意が汲み取れれば理解するまでとは受け取り方が変わるというか...なので、私が汲みきれなかったものがあるのかもしれません。
先生が兄弟BLを描いてくださったこと、読めたことは嬉しかったです。
シーモア→白短冊、カラーページあり
「魔女と猫」のスピンオフです。
復讐のために悪魔(のように強い男)と契約した魔女と、魔女の犬(使い魔)になる悪魔のプロローグ。
スピンオフですが、こちらの作品だけ読んでも楽しめるように描かれていました。
時系列で言うと「魔女の犬」→「魔女と猫」になります。
前作未読でも楽しめると書いたのですが、前作から読むと少し未来の彼らや残機数を知って読むことになるので結末をハラハラしながら楽しむことができますし、あちらでは敵側です。
未読の方は、本作がお好みに合えば是非読んでみてください。
一言でこの作品を表すなら、ダークファンタジーバイオレンスバトルラブ(ラブはこれから)。
そんな作品読んだことありますか?
私は前作で「こんなBL漫画初めて!」をいただいたのですが、本作もアクションシーンの迫力と筆力が素晴らしかった。
ラブシーンもとってもお上手なんですけど、そちらは次巻乞うご期待!
前作で受けた印象とはまた違う2人を知ることができました。
夏美は前作ではぶっ飛んだ戦闘狂の印象が強かったけど、兄貴肌で優しい面も知れたし、啓悟は想像していたよりずっと真っ直ぐで可愛かった。
2人のバディ感好きだなー!
ネタバレになるので知りたくない方は読まないでほしいんですが、夏美の左足が義足だったなんて前作では全然気づきませんでした。
何があったのかも気になるし、この足でこんなにバカ強いなんて...魅力がまた1つ増えてしまった。
私はスピンオフの方が好みなことが多いんですが、こちらも例に漏れずかもしれません。
「どう生きて、どう死ぬ?」
彼らの生き様と最悪の魔女への道程、楽しみで仕方ありません。