幼馴染みっていいなあと改めて実感する作品
幼馴染みのお互いがお互いを理解して心底で大切にしている感じが大好きなんですが、この作品で改めてそれを思い出しました。
けれど、片想いをする過程で生まれるすれ違いはどうしようもなく、幼馴染みの関係性上、それが余計に辛く切ないんですよね
そうして離れていったトキオに今度はナツメが片想い
恋愛だけじゃない、現実の厳しさを知って自分の小ささを思い知るナツメの心情がどうしようもなくリアルで切なかった…
そしてそんなナツメを好きな気持ちを、改めて実感していくトキオ。
普段は冷静なトキオがナツメに対してだけ余裕をなくしていく様子が随所に現れて、きゅんきゅんするわけですが同時にヤコ先生の存在も確かにあって
右往左往しながら、最終的には本人よりも周りがよく二人を見ていたわけで
最後のヤコ先生は本当にかっこよく大人。
これから幸せにと願わずにはいられない。
とにもかくにも、幼馴染みならではの要素がたくさんたくさん含まれていて、幼馴染みすきさんにはおすすめです。
イサクさんといえばツンデレ!
とよく聞く気がするんですが、まさに本領発揮のこの作品。
なんだか世の中に普及しすぎて見失ってしまったツンデレの本当の形を思い出させてくれるような受け、尾上のツンデレ加減は最高だと思います。
最近ツンツンばかりで攻めに暴力的であったり、攻めを省みない自分本位なツンデレ受けに辟易していたので、この尾上には大満足です。
だってツンツンしつつも攻め、蕪木を好きなことが駄々漏れなんですから。そして自分が蕪木を傷つけていたことに気付けばしっかり反省、思いやりもきちんとある。
正直、初見の印象では、どこか尾上を受け入れられませんでした。あほすぎるというか、なんというか。イサクさんの別作品・タイトロープの受けがすごく理想的だったこともあって。
けれど読み返すうち、じわじわくるというか。
あ、このこいいこ!かわいい!と最後にはすんなり受け入れていました。
自分本位なことをすることがあっても、きちんと周りを見返すことの出来る、尾上が好きになりました。
そして攻めの蕪木!
このこがもう恋をする過程が中学生男子みたいでかわいすぎます。
あれ?もしかして俺好かれてる?からの相手を意識する感じとかもうね。
あーかわいい。
そしてそれがただの錯覚にはならず、尾上をしっかり知ったうえでどっぷりとはまっちゃうのがもう、もっとやれ!って感じでね。
イサクさんの作品は、受け攻めともにどちらにもベクトルがより過ぎず相思相愛な関係が見えいて本当に心地よいです。
またただの恋愛脳にならず、しっかり自分の分をこなすところも男らしくかっこいい。
やっぱりこれからもイサクさん大好きです。
どこまでも応援していきたい作家さんですね。
最近すっかり凪良さんにはまってしまい、既刊を読み漁る日々なのですが、評価も高いだけあってさすがと言いたくなるこの作品!
なんとなく、可愛そうな受けが苦手で、躊躇していたんですがとんでもない。
受けのニーナには、病気という背景があり、いじめの過去もある。確かに同情を誘う設定ですし、かわいそうな型に当てはまると思います。けれどやはり凪良さん。そういった設定をしっかりと生かしつつ、けしてかわいそうな悲劇のヒロインではないニーナがしっかりと作中に生きていました。
卑屈になりながら、人間らしく、不器用ながら攻めの陽光をしっかりと想っていて…すごく良かった。これに尽きます。
また、ニーナだけはなく陽光もしっかり良い男です。少年から大人への成長。けれどまだまだ幼い部分、どうしようもない葛藤や、けれど前向きでいたい気持ち。がんばれと素直に応援したくなるようなそんな攻めです。
ほかにも脇キャラとして、本来なら当て馬。むしろ嫌われるであろうキャラ・唐崎もすごく良い味を出しています!
なんて憎めないおっさん…と軽い感動を覚えつつ、総じて、すべてのキャラが良かった。そう思います。
凪良さんの印象として、設定はどうあれけして派手な作品を書く方ではないと思っています。
むしろどこか良い意味でBLらしくないものを書くとも。
けれど中身のぎゅっと詰まった意味のあるものを書く方だと思うので、今後とも期待しておっかけていきたいと思います。
悪人を泣かせる方法が良かったので買ってみました犬とつばめ
正直表紙を初見した時点では好きなタイプのカップリングではないかも…?と思っていたんですが
すごく良かったです!
なんとも言えない若さゆえのワガママな高校生男子らしさのある楓(受け)は、人間味があって愛しくなります。
対する野呂(攻め)もただ楓が好きで戻ってきたなありきたりな感じではなく、自分本意に動きつつ楓に振り回されるところもあり…
どちらも纏めて幸せになれ!そう思える二人でした。
ギドさん、すっかりファンになってしまいました。
なんともいえない人間らしさ、どうしようもないけどどこか優しいお話が、すごく魅力だと思います。