完結まで読み、最初の一ページを読み返すと熱い涙が溢れてきます。
こういうの読みたかった。読むまでわかりませんでした。純愛ものより、どちらかというとドロドロエロエロが好きなので、お涙頂戴的な話は興味なかったんです。でも、これ良いです。
泣けるのですが、可哀想だから泣くのではない。一ノ瀬さんに感情移入してしまうからでしょうか。一ノ瀬さんが泣き虫なので(笑)一ノ瀬さんが泣くと一緒に泣けてしまう。涙腺がバカになったようにです。小説を読んで、こんなに泣いたの初めてかもしれない。それくらい良かったです。
あらすじにもありますが、冒頭から「タイムスリップしてきたんだよ」と主人公が高校生の白崎(シロちゃん)へいきなり自己紹介するのが意外でビックリしました。タイムスリップに重きを置いてないというか。
そして読者は考える。「なぜタイムスリップしたの? どうしてそんなに必死なの?」主人公の背景が分かるのは第二章からです。そこで一年間の降水量が一ヶ月で降りましたくらい泣きます(笑)
そして第三章で主人公の想いの深さに改めて涙します。(泣いてばっか)
主人公である一ノ瀬君の「愛する人に心から笑ってほしい」という気持ちが愛でなくてなんなのだろう。
愛するってただ、自分のモノにしたいとか、体を繋げたいとか、それだけじゃないんだよな。究極は愛する人の幸せを願う心。そんな当たり前のことを改めて感じ、考えさせられました。
私的には白崎君のおばあちゃんがね……(涙)
良かったね。良かったねおばあちゃんと涙を流しながら微笑んでしまいました。
しかも読み終わったあとの爽快感よ。大満足しました。こんなに心を揺さぶられるとは思ってなかった。今作がデビュー作らしいのですが、凄い実力のある作家さんではないでしょうか。
たろまろさん、覚えておきたいです。