フランク
hourouken to mayoineko
電子書籍には電子限定番外編として6Pもの後日譚が収録されています。
番外編、冒頭では南室と吉見がコーヒーブレイクをしているシーンから始まります。
加瀬の花火の絵について 初チューの思い出だろと鋭く見抜く南室と、動揺する吉見。
続いて、ついに加瀬と吉見が結ばれたということも見抜きます。
(というか、それは編集長もピーンときてたらしい)
そして、加瀬がイギリスに帰っちゃったけどいいのか?と尋ねると
「そりゃ帰るだろ」とケロッとした表情の吉見に拍子抜けする南室。
それでいいのか?
せっかくモトサヤに納まったってのに
と南室はけしかけるんだけど、途中でハッと気付きます。
これじゃ結局やっぱりただのいいやつじゃねーか!!と。
吉見の気持ちを自分へ向けようとしていたのに、それが吉見の拗れた気持ちをほぐして背中を押すことになってしまった本編の過ちを再び繰り返そうとしている自分…。
そんな南室の気持ちを知らない吉見は、お礼&今度は自分から会いにいくって決めてるんだと極上の笑顔で報告するんです。
時は変わって夜。
同僚達と一緒にバーカウンターに座ってる南室はすでにかなり出来上がっていて、くだをまいてる真っ最中。
おまけに「こんなに好きになるなんて思ってなかったーー!!」と立ち上がって大声で叫ぶし、完全な酔っ払い状態。
だけど
「…でも俺じゃ あいつにあんな顔 させてあげられないんですよ…」とポツリ。
その様子に、店内全員がウルッっっ&グスっとなり、同僚達にいいこいいこされるといった可哀想な南室が描かれてます。
南室が当て馬にしておくには惜しいキャラで、番外編でも彼の良さがでています。
本編の吉見はちょっと精神不安定ぎみだったけど、加瀬と思い通じあった今、加瀬が側にいなくても憑き物がおちたかのように穏やかで平然としてて、そしてあの笑顔。
南室がぐっ……と何も言えなくなってしまったのも無理はないなと思うほどなんだけど、結局、同じ渡英というシチュでも自分の気持ちが満たされればあんな健やかに見送れるのか…という点に、吉見の自分ありきみたいなところを感じてしまいました。
(吉見に対してついつい辛口になってしまう私なのです)