ポッチ
tokimeki best sellection 2016
今更ながらレビューを。ネタバレしてます。
例年恒例、年に一回シャレード文庫さんで開催されるフェアで配布される「ときめきベストセレクション」。
2016年版は、
秀香穂里さん『トリプルルーム』の番外編「トリプルバレンタイン」
丸木文華さん『オタクな俺がリア充社長に食われた件について』の番外編「CDデビュー!?」
吉田珠姫さん『鬼畜』の番外編「愛についての個人的考察」
が収録されています。
この中で丸木文華 さん『オタクな俺がリア充社長に食われた件について』は未読。
縦14.5cm×横40cmの紙を4つに蛇腹に折りたたまれている造り。一枚だけ表紙で、残りの部分に3人の作家さんの書かれた3つのお話が裏表に印刷されています。
秀香穂里さん「トリプルバレンタイン」
修次視点のお話。
伊織とともにホテルのラウンジでティータイムの楽しんでいるときに、伊織にバレンタインデーのチョコをプレゼントされます。
バレンタインって女性が男性にチョコをおくるイベントでは?
と戸惑いつつも、「恋人だから」と告げる伊織にドキドキしてしまう修次で。
早速食べて、と口に入れられたところに宮乃が登場。
ところがそのチョコには媚薬が入ってるんだ、と伊織に告げられ、さっそく身体に火が付いてしまった修次は…。
というお話。
濡れ場は描かれていませんが、3人のアンバランスなようでバランスの取れた危うい関係がなんとも色っぽい。
丸木文華さん「CDデビュー!?」
デビューシングル発売を記念してのイベント、について泉田さんに話を振られた倖太郎くん。
何とかその「イベント」を回避すべく泉田さんに告げたことは…?
というお話。
この作品は未読なので、この小冊子を読んだ限りでのレビューですが、泉田さんという男性のハイスペック男性ならぬ一直線ぶりが可愛いです。思考が明後日を向いている男性のようですが、それもこれも倖太郎くんを愛すればこそ、なんですね。
そんな泉田さんを手のひらで転がす倖太郎くんも、なかなか可愛かったです。
吉田珠姫さん「愛についての個人的考察」
視点は達也。
閨を共にした翌朝のお話。
自分がいかに文人を愛しているのか。
文人がどれだけ可愛いか。
そして、そんな文人を手に入れて、自分がどれほど嬉しいか。
をしみじみと味わっている達也。
そうしながらも、彼の心中を占めているのは、自分たちの父親を、いつ、どうやって殺してしまおうか、というどす黒い胸三寸で…。
相変わらず怖いの一言。
そんな達也の心中も知らず今日もせっせと働く父ちゃんが気の毒です…。
本編では文人視点で描かれていたので、こうして達也視点で読み返してみると…、いや、やっぱり怖い。
執筆陣の作家さまのお名前を拝見するとエロが特化されているイメージはありますが、そして作品自体エロ度が高い作品ばかりではありますが、直接的な濡れ場はナシ。
ないのですが、そこかしこで見える色気というのかエロさというのか。そういうものはにじみ出ています。
こういう番外編が書かれた小冊子というか特典は、好きな作品のものなら欲しくなっちゃうので、本の売り上げにはうってつけだとは思うのですが、でも、全員が手に入れられるものでもないので、読者としてはちょい微妙なのではありますが。
でもとっても満足度の高い小冊子でした。