てんてん
sakura mau
本品は『あなたのベッドであたためて』の
初回特典ペーパーです。
晶が藤枝のプライベートスペースに
呼び出された夜のお話です。
晶の留守電に
恋人からメッセージが入ったのは
いまから1時間前のことです。
今日、時間があったら
2階で待っていて
いつにない事に
いちいち言われなくても
行くのにと晶は訝しみますが
仕事を終えた晶が「le cocon」の
2階にやってきたのは
11時を少し過ぎた時間でした。
わずかに藤枝の香りの残る
ベッドに身を投げると
調度早じまいした藤枝が
入ってきます。
客が切れた上に珍しくもトムが
出かけたがっていて帰すつもりで
店を閉めたのだそう。
藤枝は晶の頬にキスをして
窓辺に近づいて行きました。
ロールスクリーンを引き上げて
ガラス窓を両手で開いた藤枝は
何かを確認すると
晶を窓辺に呼び寄せ…
B6サイズペーパー両面中折り
2段組3頁と長めの番外編は
藤枝がある美しい光景を
恋人と見たいと望むお話です。
藤枝が指し示した先には
まん丸の銀の月の下、
1本の桜の木がありました。
ほっそりとした樹なのに
豊かに咲き誇る花をつけ
微かな風に花びらを舞わせる姿は
月の光を集め輝いていました。
ライトアップされたわけでもないのに
花びら1枚1枚までもが見えるようです。
藤枝は去年たまたま満月の夜に
外を見て初めて気づいたと言って
晶と見たかったと囁き
2人がシャンパンを片手に
時を忘れて桜を見つめ続ける
幕く引きまで
月と桜の幻想的な景気と
恋人達の幸せな時間を溶け込ませた
しっとりとした大人の恋人達の
一時がロマンチックでした。
昼間は薔薇に隠れていても
月夜に輝くように咲く桜の樹は
藤枝にとっての晶そのものなのかな
と思いました (^-^)