江名
shounen wa kami wo uragiru
A5サイズの紙に、両面印刷されているSSペーパーです。
タイトルは「番外編・異世界へ」
このペーパーは、ネタバレを含みます。
本編を読了後にお読みください。
そうペーパーの上のところに書いてあったのですが、
わたしは我慢できずに最初に読んじゃいました (^^;)
全部で9章あるこの本の、7章の前に入るエピソードです。
やっぱり素直に本編の後に読んだ方がよかったかも…
個人的にはそう思いました。
ということで、
このレビューも本編の後にお読みになることをオススメします。
☆☆☆☆
神殿の地下通路でエクスカリバーなどを手に入れた後、
いったんガレッド村に戻って…のお話です。
アーサー・ランスロット・マーリン・樹里の4人は、
用意してもらった4人部屋で雑魚寝をしながら体を休めていますが、
樹里は地下での不思議な体験に興奮して、ずっとしゃべり続けています。
そんな樹里にアーサーが、
『それよりお前のいた場所についてもっとくわしく話せ』と言ってきます。
樹里は「こことはぜんぜん違うからなぁ、王様とかいないし」
そう言うものの、じゃあ誰が国を治めるんだ?と聞かれると、
上手く説明できません。
でも、騎士団もいないし戦争もない…との樹里の言葉を聞いて、
アーサーは『面白そうだな。一度行ってみたものだ』と。
それを聞いた樹里は、
敵であれば人を殺すことを躊躇しないアーサーが現代に来たら…
想像して鳥肌が立ちます。
改めて考えるとふたつの世界の間には、あまりに違いがあるのですね。
話は樹里のいた世界に行ったことのあるマーリンにふられて、
マーリンは、非常に文明の発達した都市…と言いつつも、
電磁波が邪魔して魔術の効きが悪いのであまりお勧めできませんね、
などと不満を口にします。
その話を聞いて、
樹里も初めて、現代の地では魔術の力が弱まってしまうことを知ります。
この時それを知ったせいもあって、
本編で樹里はすぐに元いた世界に逃げようと思ったのかな?
このエピソードの終わりでは、
樹里がアーサーとランスロットが自分の地元の街を歩いたら…
そう想像していると、アーサーが身を寄せてきて、
『お前の生まれた世界をいつか見てみたい』と甘く囁いてきます。
ランスロットも「私もお供させて下さい」と言いますが、
マーリンはぼそりと「全力で阻止します」と呟いて、
樹里はつい笑みがこぼれてしまう…という、微笑ましいものでした。
アーサーやランスロットが現代の日本に行ったら…
これは、次巻ではそれが見られるという伏線なのかな? 見たいなぁ!!
より次巻への期待を高めてくれたペーパーでした。