ポッチ
sekai no hanbun
私はコミコミスタジオさんで購入してこの特典ペーパーをいただきましたが、このペーパーって『出版社さま特製ペーパー』だと思うので、おそらくほかの協力書店さんでも配布されていると思います。配布される書店さんはちるちるさんで確認できますので、ぜひ。
大きさはA5サイズ。グレーというか薄い紫色のような色に両面で印刷されています。
内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。
時系列は本編終了後。
本編はカイ視点で書かれていましたが、このペーパーはエルヴァン視点で書かれています。
夜、エルヴァンの寝室にて。
エルヴァンの乳母子であるサザーンが水差しを持ってきて、「今宵はこれで」と挨拶をしに来ます。
サザーンと、サザーンとともに見張りとして存在しているチェンクにも気軽に挨拶を返すカイですが、廊下に聞き耳を立て二人が本当にその場を去ったのか確認をして。
おお、もしかしてこれから…?とちょっと期待したのですが(ゲスくて失礼…)なんのことはない、カイはエルヴァンに建築学などを教えてもらうところで。
アイラ姫と偽っていたのをエルヴァンに見破られて以来再び少年の姿をするようになったカイですが、両親からの愛情を一身に受けて育った彼は明るく聡明で、ディライ宮のほかの面々からも好意的に受け入れられている様子がエルヴァン視点で細やかに書かれています。
そして思わず笑ってしまったのがチェンク。気軽に声をかけるカイにどう接していいのかわからずキョドってしまうチェンクが可愛く見えるから不思議です。チェンクが、彼の仕事(暗殺)を忘れてくれる日がいつか来るといいのだけれど。
そしてエルヴァン自身も。
かつて彼の母親を殺されて以来、心を開くこともできず希望も見いだせなかったエルヴァンが、カイという存在を得て、再び生きる希望を見いだせるようになった様子が描かれていて、気持ちがほっこりとしました。
本編では少しわかりづらかったエルヴァンの気持ちが細やかに書かれていたのもよかったです。
いつか、カイの故郷であり、エルヴァンの母親の愛した地でもあるカフカス地方へ帰る。二人でいろいろなことを学び、助け合い、その希望をいつかかなえたい。二人がお互いに信頼しあい、愛し合っている様子がうかがえます。
シリアスムードにあふれていた本編とは異なり、ほんわかと優しい空気が流れ、希望に満ちた、そんなペーパーでした。
コミコミスタジオ特典の描き下ろしペーパーです。
もっと、波乱があっても良かった作品だったと思います。
が、この描き下ろしペーパーではまた違った二人が見られます。
本編でのカイの印象は、笑うことも少なく美しく大人びている感じ。
この描き下ろしペーパーで17歳のカイは足枷を外されて自由になった少年のように笑ってる感じです。(ちょっと大げさだけどそんな印象)
あの、チェンクもカイに笑顔で話しかけられて戸惑ってるよう。
その姿を見ているエルヴァンは可笑しそうに笑う。
二人きりになった夜、自分たちの故郷であるカフカス地方の地図を広げて帰るための策を練ってるようです。
二人は幸せそう。
カイの笑顔でエルヴァンの兄たちも笑顔に出来たら良いのにね。
エルヴァンが自由になり故郷に二人で帰れれば良いけど、波乱は欲しいね。
色んな意味でカイを鳴かせよう。きっと可愛いから。