薄雲
kotonoha tsukai
出版社特典のSSペーパーです。
片面印刷、本編後日談となってました。
ふたりが住むアパートの、曲がっている風見鶏を直すお話です。
仕事がまだ見つからない時、ガクタがペンキの剥がれたアパートの壁を塗り直してくれたんですが、そうなると今度は曲がっていた風見鶏も直したい、と午前中から金槌の音を響かせて修理を試みるカンナ。
響き渡る妙な金槌の音に目が覚めて起き出したガクタは、カンナの作ってくれたホットケーキを頬張りながら心の声で「なにしてんの」とカンナに話しかけます。
風見鶏を直してる、というもののカンナの手元はおぼつかず、何度も振り下ろしては空振り……そんな様子をホットケーキの感想を交えながら、ガクタは下手だの何でそうなるだのと、いちいち心の中で呟いてしまい、カンナに心の声を控えろと言われてしまいます(笑)
一向に直らない様子に業を煮やしたガクタが、最終的には力任せに風見鶏をひねり、一発で直してしまうんですが、そんな力強いガクタにカンナが惚れ直す、という甘い日常のお話でした。
心だだ漏れでも、嫌みなく普通にしていられるふたりが幸せそうでなによりです。