麗音
ai wo egaku otoko
本編終了後のお話。
文庫化で追加された書下ろし『描くのは愛欲』で書かれた京都旅行でのことなので、番外ぺーパー付きで購入してよかったと思いました。
何をしているというんじゃないんですけどね。
次の仕事の参考のため訪れた京都の美術館で見た絵からのインスピレーションとてもいうんでしょうか、きっと作者はこんな風に身悶えていたのかもしれない、などと言いお仕事のためなのか欲望の発露なのかあるいはその両方か、筆に水をつけて体に描いていきながらすっかりその気になって盛り上がる二人のイチャイチャです。
二人が公私ともにしっかりとした伴侶となっていく未来が見えるようでとても楽しめました。
新装文庫版に入った出版社の特典ペーパーは、09年小説ショコラ11月号の特別付録に描かれた『愛を描く男』の再録となります。
本編中の書き下ろしの中で、京都の美術館に次のポイズンの贋作を描くために通い詰める脩平と、それに付き添う幸洋の姿が描かれていましたが、3日目の夜の話しです。
生まれ育った土地である京都へ脩平と来た幸洋はちょっぴり新婚旅行の気分もあったのですが、絵を前にした脩平は警備員に追い出させるまでずっと絵と対面し続ける毎日。
やっと現実に戻った脩平と語るポイズンの事。
ポイズンは自分の愛を絵に描いている。
そこで思いついた脩平のアイデアとは・・・
幸洋の身体に水で愛を描く。
脩平にはたとえ水でも絵筆に愛を込めて幸洋の身体をカンバスにしているのだ。しかし、幸洋にはわからない。
ただ筆の動きがエロティックで興奮を誘い、早く脩平が欲しくてたまらなく昂りは昇り詰めて行くばかり。
ただの筆によるエロプレイなのに、何やら芸術を語りながらだと高尚になってしまう(笑)
しかし、互いがいてこそいい仕事ができるのだと認識し、すっかり幸洋は恋人として嫁として、脩平の良きパートナーとなったようです。