雀影
renai dekinai shigoto nandesu
仕事のせいだけじゃなくって、
むしろアンタの、
そのデリカシーのない性格のせいじゃないですかーッ!
って、
そんな塚原の心の叫び声が聞こえてきそう。
久しぶりに揃って取れた日曜の休日。
本名としても、けして口にはしないけど「デート」という認識はしています。
それなのに、早く目が覚めて空腹だからといって、1時間も早く来て、一人でサンドイッチをばくばく。
本名が、たまたま買ってきた和歌山のガイドブックの表紙を見て、塚原がパンダを見に上野動物園へ行こうと提案すると、恥ずかしいからと却下。
挙げ句に事件で呼び出し、、、。
そんながさつな恋人に報われないカップルのお話の裏は、
「言ノ葉ノ花」の甘いカップルのお話。
同じお題で、全く違う二つのカップルのお話が読めて、とっても得した気分。
おや、ここで「言ノ葉ノ花」と同時ペーパー???
と思いながら読んでましたが、なるほどです。
いろんなカップルがいるもんだと(笑)
●塚原×本名編
お互い久々に同じ休みになった2人がカフェで待ち合わせ。
お腹がすいたが家に食べるものがなったので早く家をでて先に空腹を満たそうと
待ち合わせのカフェでコーヒーとサンドイッチを食べながら塚原を待っていた。
そこに塚原登場なんですが、本名が読んでた本「和歌山ガイド本」に気付き
動物園へパンダを見に行く?と提案したものの断固拒否されたので
諦めて「(塚原)まったり飯でも食いに行きますか」と当たり前のようなセリフの後に
「(本名)あー、俺、昼飯いいや」のセリフ。
そうなんですよ、これは2人のデートだったはずなんですが
本名の恋愛オンチ炸裂ですよね…(^^;)
2人で(強調!)お昼ご飯を食べるなんてことが、頭の片隅にもなかったわけです…
(なので空腹を我慢せず、サンドイッチを食べている。)
おかげで拗ねてしまった塚原ですが、それと同時にメールが。
はい、デートどころかお仕事です。
やはりタイトル通り「恋愛できない仕事なんです」ね。
お疲れ様です。
●長谷部×余村
塚原と本名が待ち合わせてた同じカフェでこの2人も待ち合わせ。
長谷部を待つため、余村はコーヒーを手に1つだけ空いた席を見つける。
その向かいの席に見つけたものとは…
はい、先ほどの2人が忘れて行った「和歌山ガイド本」
その本を見ていると長谷部登場。
その本に気付きた長谷部と和歌山県の話題になり
前の2人がいけなかった動物園に行ってパンダを見ることに。
そしてお昼ご飯。
余村は本当はお腹がすいてたのに、食事もデートの楽しみの1つと思っているので
長谷部が来るのを我慢して待ってた訳だ。
ここまで読むと本当に笑ってしまうよね。
前の2人と正反対なカップルだ!!
まぁ塚原によってこれから変わっていくはずですよ!!(たぶん)
本編より半年後のお話。
二人とも非番でデートですか?とにやにや。
ところが雲行きはあやしく…とことん恋愛偏差値の低い男ですね本名さん。
パンダ見に行ってあげなよ。二人でおいしいもの食べなよ。
塚原、玉砕。笑
それでも塚原を転がす知恵は身につけたようです。
ズルいぞー本名。そこで名前呼びは。
塚原くん、頑張って恋愛偏差値上げてあげなさい。
…上げたら上げたでどんどん塚原が振り回されるのか?
それはそれでオイシイですね!笑
裏は『言ノ葉ノ花』番外編。
恋愛できない~とリンクしたお話になっています。
見事に違う、両極端なカップル。
塚原がしたかったことを、全部この二人が叶えています。
本名、余村を見習いなさい!
裏を読んでから塚原の不憫さに涙が…(笑)
わたしは君を応援しているよ、塚原!
何だか今回のペーパーはむっちゃ太っ腹です!
A3サイズ二つ折り、裏表ギッシリ♪なんですよ。
何と、本編『恋愛できない仕事なんです』と『言ノ葉の花』の番外編の2本立て。
それぞれに”休日””和歌山””パンダ”を共通項目に、時間軸として、刑事カプが席を立ったその席に言ノ葉カプが座るというすれ違いリンクをしております(憎いねぇv)
【恋愛できない休日なんです】
本名と塚原、二人して非番の日。そう!デートの日です。
つい習慣で早起きしてしまった本名は、約束の1時間も前に来てしまった。
手には駅の売店で見つけた和歌山の観光ガイドブック。
彼等にとって思い出の地。
二人で行ったけど仕事でずっと張り込み。ラーメンも温泉も白浜もパンダも味わえず、二人の思い出話は、張り込み先でばあちゃんが出してくれたおにぎりの梅干し(笑)
相変わらず、気遣いが足りないと塚原が本名に小言を言い、ああー全然二人かわってないや(爆)甘さのカケラもありゃしない。。。と思わずクスリ笑いを誘われたところに!
あ~あ、、、刑事には休みはないのか。デートもおじゃんに。
「いいじゃないか、喜べ。俺と走る密室で二人きりだ」
ハイハイ。本名さんはポジティブでございます。
一応、二人、恋人ですからね!!
【言ノ葉の休日~朝~】
呼び出しで仕事にはいらなければならなくなった二人が立った後、その席についたのは余村。
見つけた空席にはまだ新しい和歌山のガイドブックが・・・
手にとって見ていると長谷部がやってきた。
それを見て、今度上野の動物園へパンダを見に行こうという長谷部。
実は余村、以前デートで女性と何度も行っている。その点長谷部は恋愛経験もすくないからと、ちょっと余村のネガティブな思考が見えたか?と思った時、それに気がついた長谷部がわざわざ行く必要も・・・と言うと、余村が「せっかく天気もいいし君と行きたいな」と!
そうして席を立つ二人。
言ノ葉カプは、朝からお腹が空いていて食べないで来た余村に、何か食べていてもよかったのに、という長谷部。
でも余村は食事はデートの愉しみの一つだと考えている。
恋愛できないカプは、腹がへったから先にきていた本名、サンドイッチを食べていて塚原にガッカリされている(笑)
こうした、ガサツカプ(!?)と、思いやりカプ(!?)の対比も面白いと思います。
休日はデート日和。そんなお話でしたw
量的に読みでがあるお得感溢れるSS二編。
時間差で同じ場所での有る休日の2カップル。
恋愛カップルが去った後に、言ノ葉カップルが登場して、
お互い全く知らず全く別個だけれど、
同じ物をきっかけにして展開する、全然別な雰囲気。
言ノ葉カップルの方は、平和で幸せそうな話。
恋愛カップルの方は、本編とあまりに同じムード。
相変わらずの本名。
それも悪くないだんだけれど、本編で見られなかった意外な感じ
とか。関係が進んだ事による本名の変化とかが見られてもよかったかな。