恋愛できない仕事なんです

renai dekinai shigoto nandesu

恋愛できない仕事なんです
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神16
  • 萌×248
  • 萌21
  • 中立6
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
20
得点
341
評価数
95
平均
3.7 / 5
神率
16.8%
著者
砂原糖子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
北上れん 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
恋愛できない仕事なんです
発売日
価格
¥560(税抜)  
ISBN
9784403523250

あらすじ

警視庁、薬物捜査係の刑事・本名は後輩の塚原のガサツさが嫌いだ。
苛つく本名に対し、改める気配のない塚原の態度がまたストレスだった。
ある日一斉摘発があり、事件に関わった男をとり逃がした二人。
手がかりを得るため男の恋人を取り調べていた最中、本名は「あなたってさ、恋愛したことないでしょ?」と指摘される。
言葉の意味を測りかねていた時塚原にゲイバーへの聞き込みに誘われ、出かけていった本名だが……!?

表題作恋愛できない仕事なんです

塚原一頼,後輩の刑事,29歳 
本名映視,警視庁組対薬物科の刑事,32歳

その他の収録作品

  • キスさえできない仕事なんです
  • あとがき

レビュー投稿数20

それでもするんです、恋愛。

これはかなり自分のツボをついた作品でした。
強気で美人、腕っ節も貧弱じゃないよ!な本名とガサツで少し生意気、でも一途で男前な塚原。

薬物取引がるとの情報を得て張り込み捜査をする二人。
いよいよ突入となり本名と塚原も建物へ。
そこで男をひとり取り逃がしてしまう。

本名さんの見事な背負い投げが決まるも、その無茶さに塚原は本名を咎めるんですが本名は気にもせず。
けれど係長が窘めると素直になる本名が面白くない塚原。
塚原の態度が如実すぎて笑えた。

逃げた男の恋人だった真帆。薬物を所持していたため逮捕となったが容疑を否認し続けていた。
自分をおいて逃げた男。あんなやつ早く捕まればいい。
そう悪態をつく真帆に本名はそうだと共感の言葉を並べていくんですが。

「あなたってさぁ、恋愛したことないでしょ?」

突然そんなことを言われ、本名は戸惑ってしまう。

律儀にも自分の恋愛遍歴を振り返る本名さん。真面目ね(笑)
まぁ真帆の一言から本名は振り回され始めます、策士塚原によって。
本名さん、ゲイ疑惑浮上。
俺は男なんて…と戸惑う本名に、素質があるんですって、とサラリと言う塚原。
マインドコントロール?笑
そこから塚原のさりげないでも強引な誘導で。
試してみよう、と自分の家に本名を招いた塚原。
そこで本名を言いくるめて、塚原は自分のモノを触らせる。
塚原、アンタなかなかやるね!
最後までしちゃうのかなーと思っていたら、塚原の優しさですかね。
素マタで終わらせました。
うん。ここで塚原の評価うなぎ登り。
ヘタレの優しさではなく、本名の怯えを感じ取ってやめたってとこがね。
ま、言いくるめて手を出してんだけど。笑
本名にシャツ一枚着せる塚原。グッジョブ!
シャツだけ羽織って覗く足。それを実行させるあたりあんた欲望に忠実だよね。

一方本名ですが、気づけば塚原のことを考えている。
塚原にもらった携帯灰皿。
大事にしたい、無意識に働いたその意識で本名はピンチに陥ってしまうんですが、そこはヒーローご登場。
塚原の本気の怒鳴りがグッときました。
普段敬語な年下が感情的になってタメ口になるところってどうしてこう萌えるんでしょうか。
『あんた』って呼びかけるところがたまらなく好きだー。

「おまえがこんなもの寄こすから…」

そんなかわいいことを言われちゃあ塚原もおさえらんないよねー。

このあと当て馬も出てきて話を盛り上げてくれます。
無事逃げた犯人は出頭してくるし(この犯人出頭までの恋人同士の感情の揺れがいい花を添えてます)、万事解決。

本名が頑張ってお誘いしましが、そこで塚原が気づかないっていうね。空気読め。笑
本名がもうかわいくて、いじめちゃう塚原の気持ちも分からんでもない。
塚原の地味に鬼畜なとこもいいです。

これからも本名の小言は続くんでしょう。
まるで夫婦漫才のような二人の掛け合いが面白い。
あぁもっと二人の話が読みたかった!

北上さんのイラストがハマっていました。
そこも評価アップ!です。

6

大好きな作品

レビューのために再読。
『恋愛できない仕事なんです』とその後の二人を描いた『キスさえできない仕事なんです』が収録されています。

今まで読んだ砂原作品の中で一番好きかも。
よくあるバディものなのですが、なんかこの作品は特別好き。
どこが他の作品と違うのかな。

うーん。
二人の距離感が好きなのかも。
イチャイチャしたいけどできない感じ?

そうか、それだ。

受けの本名のキャラが好きなんだ!
強気で、素直じゃなくて、小言ばっかりだけど、かわいい、愛すべき人です。

だから、二人の想いが通じてからの『キスさえ~』の方が好き。
本名のかわいさが、ものすごく発揮されています。
攻めだけじゃなくて、読者の私たちも魅了されちゃいます。

シリアスが好きで、コメディはあんまりだったけど、この作品は好き。
一番好きなのは「彼シャツ」のシーン。
これ、すごく萌えた。

4

やっぱり年下攻めは美味しい♪

刑事ものがすごく好きってわけじゃないんですが、
なよっちくない男同士の恋愛、大好きです!!

しかも年上で先輩で尊敬できる相手が
組み敷かれて喘いじゃうんですよ…。
神経質そうとは言ってましたが普通レベルの綺麗好きだし、
世話好きな一面もあるし
恋愛出来ないのを仕事のせいにして
興味無いと思ってただけなんて…。
まさに、仕事が忙しくても
普通の男だったらもっと女性を追い求めるはずですからw

そこに付け込んだ塚原、うまい!!
ああいう、年下のくせに含んだ言い方とかツボりました!
利害一致ですよとかなんとか
うまく丸め込もうとしたり、自分の部屋まで連れて行く途中
本名が正気に戻る前にっていう焦りが少し見られて
ここもお気に入りのシーンです♪

捜査の為、しばらくぶりに再会した先輩・皆川が良い当て馬で、
塚原とは全く違うタイプですがチャラくない余裕さがあって
好感が持てましたよ!
実は本名を好きだったとか。
男のバツイチって美味しいです!!
(何個も×ついてたら人間性に問題ありかもだけど!w)
塚原と皆川の言い合い(探り合い??)が楽しかった。

塚原の言う事をわりと素直に信じてしまう本名も可愛いし
恋愛下手な様子がいとおしかったですよ。
携帯灰皿のエピソードも効いてました♪

前から本名を好きだった塚原、おめでとう!!
本名に構ってほしくて、
本当はひととおりきちんと出来るのに
わざとだらしない恰好とかかわいいじゃないの!
なんだかんだで仕事はちゃんとこなすし、
頼れる男は良いです。
本名が塚原を好きになる過程に、
私はさほど不満は感じませんでした。


表紙も口絵も、勿論中の挿絵も素晴らしい北上さん!!!
特に口絵カラーの、シンプルでいて色気漂うスーツ姿の二人。
座っている塚原のネクタイをくいっと持って
この本名の細腰がね、とにかくたまらんわけですよ!
そしてその手首を掴む塚原はちょっと余裕のある笑みを浮かべている。
この雰囲気いいわ……。
北上さんの挿絵だったから萌×2、というのもあります☆

7

恋愛オンチ

水と油のような性格の相棒なのかな?
かたや少し神経質(いや普通なのか?)、かたやかなりの大雑把。
小さな喧嘩は日常茶飯事。

この2人が組んで張り込みしてたが、犯人を逃がしてしまった。
そこから捜査と2人の恋愛が絡んでくるのですが…
(捜査よりも今回は恋愛方面ばかり気にして読んでしまった(^^;)

見かけによらず恋愛に疎い本名。
ひそかに塚原が自分を狙っているとは思ってもいない。
そんな時ゲイバーへ聞き込みに誘われ、
本名の性癖を勘ぐられ、その後流されたように相互オ●ニー的な?!
(それでいいのですか本名さーん!!)
いろいろとあり本名も塚原が好きだという展開になるのですが
面白いことに伏兵がいたんだな~っ。

捜査で和歌山県を訪れた2人。
そこには本名の元同僚(皆川)とやらがいて…
(ああっ、この人も本名が好きなんだよな~と思いっきり分かってしまう)
もちろん本名はそんなことに気付いてなんかないですよ。
塚原は別ですけどね(笑)
なので塚原はちょっとイライラ?
おかげで捜査よりも、こちらの方が面白くなりました。
結局、皆川は4年前に移動になった時に、
本名のことは吹っ切ってるって言ってましたけど…
(塚原がいなかったらわかんないよね)
とにかく犯人も捕まり、初エッチです。

でもね皆川さんも凄くいい男でしたよ。
移動もなく同じ職場で働いてたらどうなってたかな~。
塚原みたいなのに振り回されるのもいいけど、
皆川さんみたいなのに、すっぽり守られるのも案外似合うよねvv
(もちろん恋愛面で!)

5

キャラがより全体的な話が面白い

ネタバレなしで書きます。

砂原さんの作品の中では毛色が違う?
北上れんさんのカッコ素敵なイラストのせいでしょうか、硬派な感じかな。
表紙のバックがピンクなところは、わたしのイメージの砂原さんぽいかな。
ひじょうに面白かったです!


受けの本名は刑事で仕事はできるけれど、人の感情の機微や恋愛には鈍感。
若干、神経質なので、攻めの大雑把ぶりが癇に障る。

攻めは本名の後輩刑事、塚原。
本名にかまわれるのを密かに喜んでいて、惚れている模様です。


事件関係者への事情聴取で自分の恋愛観に疑問を感じた本名を、まんまと口八丁手八丁で自分へ引き込む塚原。
彼はガサツに見せて、なかなかの策士。
反対に本名は神経質設定なのでなにかしっかり者な感じがしていましたが、天然風味が入っているようです。

個人的には、後編の方に登場する当て馬的な本名の先輩・皆川の存在が良かったです。
捜査でふたりが地方へ行きそこで再会するのですが、塚原と皆川のやりとりや塚原の勘ぐりが発生したおかげで、刑事物という硬めな話にも恋愛色が混じりました。
塚原の強引な押しで形になるため、塚原自身は本名の真意を図りかね不安になるんですよね。
読み手側にも、本名が嫌っていた塚原に惚れる過程がちょっと性急かなあと感じたくらいですから、塚原は心配になっちゃうよねーって感じで可愛いです。
ただ彼の性質上、切ないとかそういうものとはかけ離れておりますが。
このくっついてからの後半が面白かったです。
えっちもあるしね(笑

わたしはツンツン受けは嫌いなのですが、硬い仕事の男ならこれくらい良いかーと思いました。

5

船舶免許が気になりました。

新刊チェックの時から、面白いタイトルで気になっていて、
あらすじを読んで、読んでみたいと思い、特典ペーパー付きということで、
いつものお店で予約して購入しました。

お互いに刑事ということで、タイトル通りの内容でしたが、
面白かったです。

受けの本名さんの、恋愛に関しての鈍感ぶり、天然ぶりが
とても可愛らしく思いました。
攻めに対して良い印象を持っていないのに、攻めの言うことを
疑うことなく真に受けているところが、可愛らしく思いました。
仕事では言葉の裏を読んだり時には疑ったり色々と張り巡らしているのに、
仕事以外ではそういうところが抜けているところに萌えました。
これらの萌えが随所随所に散りばめられていて、
楽しく読むことが出来ました。

攻めの塚原さんが本名さんのことをとても大切に思っているのが、
とても伝わってきました。
特に、初めての濡れ場で、自分がゲイなのか確認するために行うという
本名さんのことを思いやって、素股で済ませる塚原さんの優しさに
好印象を受けました。
本名さんを手に入れるために、色々と手際が良く準備の良い塚原さんが
面白かったです。
鈍感な本名さんにヒヤヒヤさせられている塚原さんの心情が
とても伝わってきました。

そんな塚原さんが、船舶免許を持っていて、一体、この人、何者?
っていう風に、本名さんと同じ気持ちになりました。
単に船が好きだからという理由で取っただけなのかもしれませんが、
一体、何のために、いつ免許を取ったのか、
また、今まで活用することがあったのかが気になります。

今回の評価は、迷うことなく「萌×2」評価です。
物語の内容や展開、人物設定や絵など、
不快に感じた所はありませんでした。
読み始めから読み終わるまで、
テンポよく楽しみながら読むことが出来ました。

5

パンダは着ぐるみを着たおやじ?!

警察物大好物です。ヤクザ物も大好きなので一瞬そっちに気持ちをもっていかれそうになりつつw
ストーリー構成が秀逸です。事件の内容と任務の遂行、受が性癖に気付くきっかけや気持ちの変化が上手く絡み合ってたいへん面白かったです。

組対五課で先輩後輩として勤務する本名と塚原。
塚原はがさつなヤツでいつも先輩刑事の本名に小言を言われている。
ある事件で犯人を取り逃がし検挙するために奔走する二人は情報を得るためゲイバーでの聞き込みをする。
それがきっかけで二人の仲はなにやら怪しい方向へ…

本名は、逃走した犯人の恋人の取り調べで言われた「恋愛したことないでしょ?」と言われたことが心に残る。
この一件からノンケだった本名が塚原に押されて徐々に変化していくところが上手いです。
逃亡犯を追って行った地方では本名の昔の同僚が当て馬として登場するのも定番のようでいてなかなか効いてますし、塚原が本名にあげた「パチンコで取った景品の携帯灰皿」が本名の気持ちを表すものとしてうまい具合に使われています。
そういったいくつものエピが事件を軸に上手く積み重なって、流れるように物語が進みます。

ちゃんとBLなのにきちんとした警察物の読み物としても成立していて夢中になってあっという間に読んでしまいました!

※レビュータイトル思いつかず。これは本編読むとこれか!とわかるタイトルなのですm(__;)m

4

計画的犯行?

作者さん初買いです。
小説は未読ですが「言ノ葉ノ花」のCDを聴いたことがあったので、
勝手に、泣きの得意な作家さんだと思ってました。

ちるちるの作品紹介では。、トーン=シリアスとありますが、
本作はコメディです(と、私は思います)。
はは。そこからびっくり。
作者さんの幅の広さがわかりますね。

いまどきそんなんいないだろっつーくらい恋愛沙汰に疎い本名(受様)。
取り調べ中に言われた一言から恋愛について考え始める。
聞き込みに訪れたゲイバーで後輩の刑事、塚原(攻様)に
言葉巧みに誘導(?)され、
「そっか、オレ、ゲイかも」なんて、あっさり納得。

えーっっ!!そこ納得しちゃうんだ!?
割と性的嗜好でぐるぐるする話が好きなので、
肩透かしくらいまくった感じですが、
もう、いっそ清々しい。
本名の天然はじけっぷりを堪能してください。





3

服装だけでも楽しい一冊

砂原糖子先生のお仕事ものです。
しかも挿絵は北上れん先生。
大好きなスーツ(しかも刑事)男子でした。
北上先生の描くスーツ男子が大好きなので、それだけでも楽しい一冊♪
表紙はスーツですが、中は他の姿も色々出てきて更に楽しいかったなぁ。
リラックスした服装とか、変装している時の服装とか。
北上先生の絵で様々な服装が見られて最高です!


警視庁組織犯罪対策部、薬物捜査係の刑事さん。
本名(ほんな)と塚原(つかはら)は同じ職場の先輩後輩です。
三つ年上の本名。
細身で繊細な顔立ちですが、かなり武術に長けています。
仕事時は眼つきも口も悪いくて、あまり仲良くない塚原には、いつも小言ばかり。
恋愛事に関心が薄く、女性の扱いはかなり下手です。
ただし、尊敬する係長の言うことはよく聞きます。
そして後輩の塚原。
眼つき鋭くガタイの良い野性的なイケメン。
しかし仕事が忙しいと自分の事には大雑把。
先輩の本名の小言に嫌味を言い返してくるような、可愛いげの無い相棒です。
仕事の合間にキャバクラ通いしていて、色恋事にはマメなタイプらしい。
仕事時は、捜査内容もかなりマメです。


お話は、
「恋愛できない仕事なんです」
「キスさえできない仕事なんです」
の2話構成(本名視点)でした。

「恋愛…」は、
麻薬取引現場の一斉摘発のお話。
どさくさに本名達から逃げた男と、その男を待っていたのに裏切られて拘留された女。
その二人について取り調べたりしていくうちに、本名は恋愛感情について色々考えさせられていきます。
そして、気が合わないと思っていた塚原の意外な一面や本音を知っていき…。

「キスさえ…」は、
前話に出てきた犯人カップル話の続きです。
拘留を解かれた女が田舎の和歌山へ帰り。
彼女に会いに来るかもしれない犯人を捕まえるため、期限付きで張り込む事になった本名と塚原。
和歌山には、本名が以前世話になった先輩刑事が応援に加わりますが。
塚原と先輩刑事は犬猿の仲の様子で…。


このお話の一番面白いところは、次第に表面化してくる塚原の素顔かな。
塚原は、はじめはかなりひねくれている感じなのですが。
実はひねくれた物言いには訳がありました。
その訳を知ると、なかなか可愛いなぁ~と思ってしまいます。
実は大雑把どころか、かなりきめ細やかで一途なタイプなのでした。
はじめツンデレで実はワンコという、変化が面白いキャラクター。

そんな塚原の本音を知って、化学反応を起こす本名の気持ちがまた面白い。
恋愛に興味がないと思っていましたが。
塚原からはある理由で、ゲイではないのか?と疑われていました。
塚原があまりにも本名の真相心理を突いてくるので。
苦手だった塚原への気持ちが変わった時、様々なものが違って見えてきます。
本名は頭がカタいタイプに見えますが、人の言葉を素直に取り入れる柔軟さがありました。
そして、恋愛事にはかなり可愛い一面も♪

もう一つ、犯人側の男女の恋愛感情が細やかに書かれていました。
BLの中で男女の恋愛心理を書くのもは少ないなか、女心とか考えさせられたりして。
女から言われたある一言が、本名の心をかなりかき乱して。
本名の知らない本名自身の気持ちを引き出します。
その辺りの男女二人と主人公二人の感情のリンクが、かなり楽しかったです♪

プレゼントについて、女心のシーンがあるのですが。
これに反応した本名のシーンが2話共にいくつかありまして。
普段可愛いげの無い口うるさい本名の、可愛い姿がなかなかに甘いです♪
贅沢な希望ですが、もう少し刑事さんとしての捜査や格闘シーンを長く読みたかったなぁ~。
そしていつか続編が読んでみたい、と思う楽しさでした。
砂原先生と北上先生に感謝!

2

本名が半端ないって

砂原さんのお話は好きで結構読んでいるのですが、何故か読み落としていたこのシリーズ。
ひねくれ者なので『王道まっしぐら』という感じがして避けていたのかもしれないと読んでみて思いました。
こんなに面白いのにアホでした。

好感を持って読み進められたのは、本名が『事実に対して真摯に向き合おうとする』タイプの人だったからなんだと思うのですよ。
出版社あらすじにある様に、本名は麻薬取引の一斉摘発で取り逃がした男の連れと思わしき女性の取り調べの最中に「あなたってさ、恋愛したことないでしょ?」と言われます。
最初はその言葉に(実に確信を突いた嫌味だったので)傷ついて、えらく気にしているだけなんですけれど、そんでもってそれがきっかけとなって塚原にゲイ疑惑を言われ「試しに」とか騙されちゃってあんなことをするまで流されちゃうんですけれども。
確かにこの辺はどこかで読んだことがあるお話なんでけど、ここからが凄い。
その後、塚原へ気持ちが動いていくのと同時に、ずーっと気になっていたその科白がまた出てくるんですよ、本名の中に。科白の影に隠れていた彼女の心境に気づいていくんです。
ここがねー、良いのですよ、実に。

本名が塚原に惹かれていく気持ち、つまり『恋を知る』ことによって彼女の気持ちを理解していくのと同時に、他人の気持ちを疎かにせずに、事件の陰にある関係を見ていこうとする本名の『刑事としての真摯さ』とか『加害者を悪人として切って捨てないヒューマニズム』だとかがクッキリと浮かび上がる構成になっているんです。
ああ、そう言えば砂原さんは『(実は)生真面目』な人を書くのが上手い作家さんだった。

ここが丁寧に書かれていたので、塚原が何故、これだけ本名にメロメロなのかが良ーく解ったの。
確かに、これは惚れるわ。
仕事を離れれば、素直に慕情を表明したりするし(読んでる私はもう既に知っていたからそれほどではないけれど、突然あんなことを言われちゃった塚原はギャップ萌えで爆発したんじゃないかと思う)。
刊行は2013年だけれども、私が今年読んだBLで『受け王座決定戦』を行ったら間違いなくメダル授与ですよ!避け続けずに読んで良かった。
まだの姐さまは是非ご一読を!

2

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