茶鬼
ikutasanchi no kome ouji
こちらは書店限定ではなく、初回についてくるショートなのですが、なんと口絵カラーの花火のイラストピンナップの裏にという具合になっております。
折れているのがちょっと残念ですが、数多が「あ・り・が・と・う」と言った時のシーンがとても素敵です。
さて、このショートは数多視点の3場面からなります
【竜の子】
初めて万里と出会った時の数多の衝撃が。
あの冒頭の裏にこんな気持ちがあったのですね。
万里を一目見て龍みたいなんて、これは自分のやっている仕事への打破の糸口だったかもしれないけれど、本人も知らない”一目ぼれ”の瞬間だったのかもしれないですね。
たしかに、その後の本編を読んで行くと万里にはパワーがありますもん♪龍という比喩もまんざらではないと・・・
【竜の玉】
あっちの玉じゃないですからね(笑)
秋、台風がやってきて、あれほど止められていたのに万里が勝手に田んぼを見に出てしまい川に流されそうになったその後の話。
自分も同じ状況なのに、震える万里を優先して、わが身を忘れるほどだった数多の必死さ。
迷惑をかけて我慢していた涙がこぼれる万里の姿に、胸を打たれないはずはない!
【竜の巣】
稲刈り後、数多の家へ万里が越してくると言う話でしたが、なかなか引っ越してこないことについてのお話。
万里のまだ来られないこだわりが、健気でかわいいです♪
それにもまして、彼にとって色々なものが全て目新しい発見と興味になり、それを嫌悪しない姿は、数多にとってとても好ましい「嫁」←何となくw ではないでしょうか?
大きな蜘蛛とか、鼠とかムカデとか…ちょっとビビりもんですけど(笑)
とってもラブ甘な後日談ではない、本編に入らなかった数多視点が少しあるだけで、いかに万里が魅力的な存在なのか、数多を突き動か原動力になっているかが見られるお話で、改めて万里ってすごいな~と思います。
これが主人公の魅力ですね。
草間さかえさんのとてもきれいな絵の裏にあるショートストーリーで得した気分です。
本編ではあまり書かれていなかった生田さん視点を読むとより一層楽しめます。
生田さんから見た、自転車ごと田んぼのダイブして泥んこになっている万里を見た時の印象。一目惚れですね。王子は泥まみれでもキラキラしてた!?
本編の最後のほうで同居しようということになったけれど、そう簡単に万里は引っ越しては来ないらしいです。
ちゃんと花嫁修業をしてお嫁入りしてくるのでしょうか。
でも同居すると巨大な虫とかももれなくついてくるらしいです。きゃっ!!