__モコ__
bitter,bitter,sweet(DramaCD『yukiyo ringo no ka no gotoku』booklet SS)
ドラマCD『雪よ林檎の香のごとく』のブックレットに掲載されている、先生と志緒の心が繋がった、翌朝のホテルでのSS。
(※ドラマCDはまだ聴いて居ません)
同人誌3冊目の前に、再読してみました。
夜が明けない早い時間に目が覚めた志緒。
全てに現実味を帯びなくて、外をそうっと眺めると雪が道路を覆っている北海道の景色。
ビールも煙草も、あの苦さは志緒の意識を覚醒させるクスリだったのでしょう。
そして、歯に沁みるほどの冷たい水も。
恋愛が成就したら、甘いことの始まりだと思える。
けれど、きっと甘いことばかりじゃない二人の現実。
それが始まることへの目覚め。
「みんなにあげるものはくれなくていい」。
それは、志緒の本音で、これからもずっとそうでいて欲しい願望のあらわれ。
そして、そんな志緒を、
「情が濃すぎていかれてるよ」
と言いながら、好きになることをやめられない先生。
想像が出来ない、未来のスタート。
寄り添ってくっついて、少し温まって、お互いの体温を感じながらもう一眠りして、それから歩き出して欲しいなと思える、短くも儚いお話でした。