ともふみ
……↑なので、他の作品はノンタッチレビューです。
小説ショコラの9月号に特別付録として付いてくる、その後のSSが収録された小冊子。応募しなくていいなんて嬉しいな。
9月号はまさに今現在発売中なので、収録作品のファンの方は要ちぇっくですよー!
『よくある風景』(凪良ゆうさん「散る散る、満ちる」その後)
馴染みのお店で一緒にご飯を食べながら、何気ない会話をする同棲三ヶ月経った里見と如月。
手掛けていた仕事から手を引くことになって落ち込み気味の里見に対し、如月はこれといった慰めや発破をかけないんですが、ただ一緒にいることで元気づけられる存在がいる幸せに気付く里見視点。
特別な出来事は何一つないんですが、こういう何でもない穏やかな時間こそが、如月の求めていたものなんだなあと思います。
本編タイトル「満ちる」を体現したような、ささやかながらとても幸せな日常の一コマのSSでした。
そして、プライベートではまだ如月のことを「主任」と呼んでいるらしいんですが、恋人同士になのにエッチの時も未だに「主任」って呼んでると思うと萌えるよー。
『うさぎ・桜・ピンク』(佐田三季さん「つみびとの花」その後)
羽奈ちゃんを納骨しにいくふたりの一日の様子が綴られてます。
見送る前に、動物園に行って羽奈ちゃんの大好きだった動物を見せてやる北川の父親としての愛情に胸が詰まりました。不器用ながら何かしら支えになりたいと心を砕く、氏家にも。
愛娘を失いあれほどどん底にいた北川が、氏家が傍にいてくれることで、こうして羽奈ちゃんを見送り、悲しみを悲しみとしてきちんと昇華できていることに、本編に引き続きまた涙がでてしまいました。
皮肉な運命だけどこのふたりは成る可くして成ったんだなあと、そう思えました。巡り合わせだな。
どうかふたりとも幸せに…。
『lvy』(佐田三季さん「あの日、校舎の階段で」その後)
遠藤の執着が存分に発揮されたSSです。期待を裏切らない男だぜ!遠藤。
遠藤が笠井に携帯ストラップをプレゼントするんですが(←しかも何の記念日でもない)、後日同僚に指摘され、単なるストラップだと思っていたのにプラチナ製のバカ高いものだと判明します。
もちろんイニシャル&アイビー&誓いの言葉が刻まれいるんですが、メッセージはいいとして花言葉がこれまたすごい…。
偶然なのか狙ったのかは分からないけど、遠藤らしい花言葉に、笠井と一緒にぶほーーっと吹けます。
↑どんな言葉かは、ぜひ読んで確かめてほしい。。
縛りたくて縛りたくてたまらない、でも前科があるから微妙に気持ちを押さえてるのが伺える遠藤と、重いと思いながらもそんな遠藤を受け止めてやる笠井は、結構カップルらしくなっていて、ほっとできます。ヨカッタ、ヨカッタ。
といいつつ、怖いもの見たさで、このふたりの別れの危機の修羅場を見てみたいわたしでありました……
そして佐田さん2作品とも、未掲載SSがあるんですが、いつか何かしらの形で読めるといいなあ。。。熱望!!>作者さま&出版社