umeair
tsuki michiru dai4ouji no konrei
安西リカ先生「月満ちる第四皇子の婚礼」の購入特典ペーパーのこちら。
ナランの朝の身支度で目が覚めたダムディが、
今までのことを振り返りながらナランと会話を交わし…という、
ほのぼの心温まるお話でした(*´˘`*)
新たに”伴侶の誓い”をたてることになっている日の朝。
しゅ、しゅと髪を梳く音で目覚めたダムディ。
最愛の伴侶がせっせと朝の身支度をしているのをじっと見つめていると、
視線に気付いたナランが髪を梳く手を止め、
「お目覚めですか?」と振り返ります。
ナランがずいぶん早く起きたことに驚いた様子のダムディに、
ナランは「なんだか緊張してしまって」と答えます。
ダムディ自身には新たな誓いを立てることに
特別な思い入れはなかったのですが、
ふと思い出したのは、ナランの従者・ワジムの語った言葉。
ーナランさまにとってはこれが真の伴侶の誓いなのですよ。
女官の手を借りることなく、小さな頃から自らの手で
お団子を結っていた、と語るナラン。
「ワジムの母が教えてくれた」
「それからずっとこうしているのです。ワジムの母は今でもときおり
文をくれるのですよ」
「わたしが良き伴侶を得たと、喜んでくれているようです」と
頬を赤く染めて語ります。
そこで上記のワジムの
ーナランさまにとってはこれが真の伴侶の誓いなのですよ。
という言葉を思い出し、「ただ宣誓するだけのこと」と
軽く考えていたダムディの胸に、込み上げてくる思いが。
「わたしも髪を整えましょう」とダムディが言うと、
ナランは「わたしが梳いてさしあげましょうか」と返します。
そのままナランの言葉に甘え、髪を梳いてもらうダムディ。
髪油をつけて櫛を入れるナランの手から、愛情が伝わってきます。
そしてナランがダムディの髪を結わえてくれた細布は、
ナランのお団子を結んでいるのと同じもの。
銅鏡の中で目と目を合わせ、ふたり同時に微笑み合ってー
という内容のSS。
特別な日の穏やかな朝。
ナランの肖像画を初めて目にした時から
「なんて愛らしいのだろう」と思い心惹かれていたナランの
”お団子頭”の作り方を見、ナランにとっての”伴侶の誓い”の意味を
しみじみと感じたダムディの、ナランへと注ぐ優しい愛を感じる
温かいお話でした・:*+.