kurinn
kiss no mahou de ookamiouji to koihajimemasu
本編終了後のお話がクライド視点で書かれていました。
クライドのエヴァンによって失われた右手は、実は密かに他人の身体で生きていたエヴァンによって元通りになっていて、本編の最後では再び絵を描き始めていました。
こちらのお話ではクライドが挿絵制作の合間に息抜きのために透俐の部屋を訪れて、居眠りしていた透俐の腕の中に「みにくいアヒルの子」の絵本を発見するんです。
その絵本はクライドの孤独な子ども時代の思い出であり、その絵本をきっかけにしてクライドは過去に思いを馳せたり、13年ぶりに再会した時の透俐の事を思い出して考え込んでいました。
すると透俐が目を覚まして絵本を持っていた理由を話してくれたのです。透俐なりにアヒルの巣に白鳥の卵があった意味を考えていたのです。
ここにちょっと感動したというか、透俐が元の世界にいた時の自分を省みて分析していました。
そして確かに透俐の経験したことは過酷ながらも、手を差し伸べてくれる優しい人達はいて、自ら卑下して拒絶して来た事を認めた瞬間でもあったのです。
そんな透俐の姿は過去のクライドの姿にも重なっていた事をクライドは気が付きました。
お互いを思い合う事によって視野が広がって大人になった二人がそこにいました。
出会うべくして出会った二人だと思いました。