てんてん
sakurafubuki wa tsuki ni mau
本品は『小説Dear+ vol. 82 2021ナツ号』の
コミコミスタジオ限定特典小冊子になります。
内容は雑誌掲載作『桜吹雪は月に舞う~奉行と閻魔~』の
番外編で、永崎にいる鷹文視点の後日談になります。
西海道の北西に位置する永崎は幕府直轄領で
海運の要であり陽ノ本唯一の貿易窓口です。
統山大隅守鷹文は当代の奉行として
もう1人の奉行と交代で恵渡と永崎を行き来しており
今は永崎の地で役目に励んでいます。
今鷹文は2人分の密やかな吐息だけが聞こえる寝所で
茨木が寄こした文を読み返していました。
百人斬りの剣を差し引いても
好文が鷹文にもたらした利益は莫大であり
好文は天が鷹文に遣わした宝玉なのです。
愚かにも好文をとるに足らぬ存在と扱う者は
無用な存在であり・・・
A5判カラー表紙(雑誌扉絵で2巻表紙絵)で、
12頁の長めな番外編は好文の活躍を知らされた
鷹文のお話になります。
今宵の伽を命じた家臣の青年はそんな鷹文の心を察せず、
二度と共寝する事はないと切り捨てられてしまいます。
鷹文の愛人たるに必要なのは
鷹文の至宝である好文のためにどれだけ尽くせるかであり
鷹文の愛人に納まりたいだけの者では役不足なのです。
そんな鷹文の思惑以上に好文に尽くす1人の男の事を思い、
鷹文は初めて組み敷いた遠き日を思い起こす
・・・という鷹文パパのシリアスなお話でした。
鷹文にとっての好文の大きさばかりか
茨木にとっての好文がどういう存在なのかが
語られていて面白かったです。
鷹文の目指すものは何なのか
彼の愛人は5人の内与力以外にいるのか
とても気になってしまいました。
このお話は好文の父親である、永崎奉行である鷹文視点のお話です。
これの内容が凄く興味深くて思わず唸ってしまいました。
雑誌の本編でも町奉行である好文に仕える内与力は鷹文の愛人達で、茨木と対立してると書いてあったんです。鷹文の愛人って茨木だけじゃなかったの?ってびっくりしたんですよ。
それだけじゃなくて、茨木の1番大切なのは鷹文だって勝手に思っていたので、鷹文と茨木の関係にも驚いてしまいました。
一年前に読んだのに全然読み込めてなかった事にショックを受けました。
ここで語られている鷹文の宿願が何なのかがとても気になりました。「華は褥に咲き狂う」もまだ続いてるので難しいとは思いますが、こちらも是非ともシリーズ化をお願いいたします!