ぴれーね
senaka wo azukeruniwa
電子限定特典で、本編後日談。
レオリーノがアマンセラ(牝馬)と再会するお話になります。
本編の特に3巻ですが、もうひたすら辛く苦しい巻。
いや、多少ほのぼの甘々部分もあるんですけど、印象としてはとにかくしんどかった。
のたうち回りましたもん。
で、このSSですが、そんな頑張った読者へのご褒美とも言える、幸せいっぱい甘々話なんですよね。
や、書き下ろしの掌編2作も甘々ご褒美話でしたが、こういう甘い話はたくさんあればあるほどいいって事で。
ぜひこちらで不足していた糖分を補っていただきたい。
ちなみに、本編のレビューでは字数オーバーで書けなかったんですけど、あとがきで語られるテーマと言うのがすごく深いんですよ。
「自己肯定のありか」に「持てる者と持たざる者の対比」。
そこから、前世との乖離に苦しむレオリーノと言うキャラが生まれ、端から見れば恵まれていても、決して幸福では無いグラヴィスと言うキャラが生まれた。
これって、すごく身近で誰しも抱えてる葛藤の一つだと思うのです。
私にとってレオリーノもグラヴィスも、全然共通点なんてない遠いキャラなんですよ。
なのにこれだけ感情移入して共感しちゃうのって、彼等が抱えているものが誰しも持つ普遍的なものだったからなんだろうなぁ。
これらを踏まえて読み返してみると、本編では一貫してこのテーマが語られてるんですよね。
そして素晴らしいのが、ちゃんとそのテーマにキャラなりの決着がつけられている事なのです。
本当に正解なんてないんですけど、自分なりの答えにたどり着く事は出来るし、ありのままの自分を認めてあげる事も出来る。
そこに、愛する存在があれば。
前置きが長くなってしまったんですけど、このSSでの二人の姿に、それを感じてすごくあたたかい気持ちになるんですよね。
ただ単に甘くて可愛いってだけじゃなく。
ぜひこのテーマも踏まえて、「その後の二人の姿」を見て上げて下さい。
で、内容ですが、以前競り市で出会った牝馬・アマンセラとの再会を語ったものになります。
レオリーノがアマンセラと会う為、グラヴィスとヨセフと共にルーカス邸を訪れー・・・って感じでしょうか。
アマンセラとの再会の後は、小柄で大人しい別の馬に乗馬してみるレオリーノだったり、ヨセフとルーカスの乗馬での競争と言ったエピソードが語られます。
もうこれ、ひたすら甘いしほのぼのなんですよね。
珍しく声をあげて笑うグラヴィスが見られたり、いたずらなレオリーノが見られたり。
でもこれが、自分なりの答えにたどり着いた二人なんですよね。
そんな感じで、単純に読めばほのぼの甘々なあたたかいSS。
これまでのストーリーやテーマを踏まえて読むと、すごく深みある感慨深いお話になります。
なんだか、じんわり来ちゃう読後感でした。
※当初「萌2」で評価しましたが、作者さんの呟きから「神」に訂正しました。
申し訳ありません。
こちら、2巻のレビューでチラッと書いたグラヴィスの「生涯に一度でいいから愛する者と陽の光の下で・・・」とレオリーノの「グラヴィスを生涯笑顔に」と言う願いが結実したお話でした。
以前は二人が笑顔だわ~とかって微笑ましく読んでただけなんですけど、それを踏まえて改めて読むと、もうダーッと涙が出ちゃいますね。
めちゃくちゃいいお話だった。
めちゃくちゃいいお話だった!
気付いて無かった自分のアホさ加減にもびっくりだった。
一応、何回も何回も読み返してるし、作品に対する愛なら溢れんばかりにあるんですけど。
足りないのは頭だけ。