てんてん
hana wa shitone ni sakikuruu
本品は『華は褥に咲き狂う(6)恋と闇』の
フェア書店特典ペーパーになります。
大奥総取締役花島視点による武芸上覧に絡んだ後日談です。
先日行われた武家伝奏一行を招いた武芸上覧にて
奥女中の1人が乱心し、御台所に襲い掛かった事件は
恵渡城を震撼させる出来事でした。
大奥創取締役の花島は己の局の床に伏していました。
いつもきりりと結い上げている髪を下ろし
普段の覇気は欠片も有りません。
あの日、あの場にいた奥女中は
花島自らが選び抜いた者達であり、
押し込められた岩井は死を賜るだろうし
花島も取締役を退かなくてはならならないでしょう。
そんな花島の武茂に思い浮かぶのは
花島を可愛がり、引き立ててくれた恩人である
先々代の御台所天永院の事で・・・
B5サイズ4つ折り片面にて
本編裏事情を含んだ後日談になります。
恵渡を襲った流行病によって先代の将軍と
嫡子たちが次々と亡くなった折、
光彰が次代将軍に選ばれたのは
天永院の強い推挙によるものでした。
昔語りとして天永院の恋を聞いていた花島は
気づいてしまった秘密を胸に秘めたまま
ただ誠実に光彰に仕えて続けてきました。
花島は叶うものなら命ある限り
天永院の分まで光彰と純皓を見守りたいと
思っていた花島でしたが
そんな花島の思いは
光彰にはお見通しで見舞いに訪れて
「義祖母の分まで俺を支えてくれ」と告げられる
・・・という光彰の出生の秘密が垣間見えるお話でした♪
本編中でも多くの人に慕われている光彰ですが
その背後の祖父も祖母も人徳厚い!!
本編も伏線が見事に生きていましたが
本作も本編では見えない側面が語られていて
とても興味深く、面白かったです (^O^)/
武芸上覧で奥女中が御台所である純皓に働いた凶行を知り、責任を感じて寝込んだ大奥総取締役の花島視点のお話でした。
寝込んでいた花島が光彬を将軍として推挙した、光彬の義祖母の天永院に思いを馳せていました。
天永院が死の間際に光彬を一目拝みたいと願ったことや、亡くなる時に光彬の祖父の名前を唇に刻んだこと。
どうやら天永院が大奥に上がる前に恋したのが、光彬の祖父の彦十郎だったのだろうと花島は察していたらしいです。彦十郎モテモテ過ぎ!
花島がどういう気持ちで光彬に仕え、純皓をどう見ているかもこのお話で分かりました。
光彬は忠義に厚い沢山の家臣に支えられているのですね。
そして花島を見舞いに来た光彬がやはり情の深い人だと再確認しました。人柄故に皆が慕うのです。
だから玉兎なんかにいいようにされるわけ無い!