てんてん
futei ni sasageru junjo hanayome
本品は『風帝に捧げる純情花嫁』のコミコミ特典ペーパーです。
飛龍から見た風帝のお話です。
花嫁を見つけてから風帝は変わった
風帝の眷属たちは個性がバラバラで
風帝に対する感情も様々ですが皆が口を揃えます。
飛龍は敬意も感謝もそれなりに持っていましたが、
格別な想いは抱いていませんでした。
ただ飛龍が生まれたその日に
頭を撫でながら微笑んだ顔を見た時からずっと
「凪のようなお方だ」と思っていました。
自由気儘に天帝の作り出した世界を放浪していても
まるでかぜそのものが止まってしまった様な
そんな静けさを思わせたる方に見えたのです。
だから久しぶりに飛龍の世界に姿を現した時の
風帝の表情に本当に驚きました。
飛龍の存在など目に入っていない様子で
「ああ、なるほどーこれがー」と呟いて姿を消し、
再び姿を現した風帝はの腕には大切そうに
1人の人間が抱えられていて・・・
B5サイズ片面にて飛龍視点で風帝の変化を綴ったお話です♪
飛龍は目の前の相手が本当に風帝なのかと疑う程
瞳を輝かせ、頬を紅潮させた白銀の帝から
飛龍は初めて風邪を感じるのです。
飛龍には風帝の花嫁は
これと言って特質した所のない普通の人間で
風帝がなぜ「花嫁」と断定したのかわかりません。
けれどもあの無風のような風帝の感情を
あれだけ揺り動かしたのだから
間違いなく「花嫁」なのだろうと確信します。
たかが人間に、たった1人の花嫁に
あの風帝が左右されるのが飛龍には面白く
何より以前の奇妙な凪のような風帝より
よほど好ましいと思えます。
そして姉夫婦のもとを訪れた花嫁を
ヤキモキしながら見守る風帝に
ちょっと呆れてしまいます。
それでも
風帝と以前よりも気安くなっている様子の花嫁を
祝福して舞い散る花の中から一際目立つ
大輪の花を巻き上げる風を起こす
・・・という眷属から見た風帝が語られるお話でした。
本作での風帝は花嫁あっての風帝なので
飛龍の見てきた風帝はここでしか語られません。
ちょっと裏事情めいた風帝の変化が読めて
面白かったです。