伴侶を探し求める風帝×「花嫁」と入れ替わった青年の、中華風異世界ラブ!

風帝に捧げる純情花嫁

futei ni sasageru junjo hanayome

風帝に捧げる純情花嫁
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×27
  • 萌7
  • 中立0
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
3
得点
54
評価数
17
平均
3.3 / 5
神率
5.9%
著者
貫井ひつじ 

作家さんの新作発表
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イラスト
鈴倉温 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784041098523

あらすじ

神への供物となる「花嫁選びの儀」に選ばれた双子の姉を守るため、花嫁になりすました琉衣は、崖から身投げをさせられた瞬間に、息を呑むほど美しい風帝・青嵐に救われる。青嵐は琉衣のことを「我が花嫁」と呼ぶが、男の琉衣が本物の花嫁であるはずがない。しかし姉に累が及ぶことを恐れ、真実を告げられずにいた。琉衣といると「世界が違って見える」と喜びを隠さない青嵐に惹かれてしまうが、青嵐を騙している罪悪感と、彼の好意が自分のものでないことに切なさが募り…?

表題作風帝に捧げる純情花嫁

青嵐,風を司る風帝
琉衣,18歳,双子の姉の身代わりで風帝の花嫁になる青年

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

失われた半身を求めて

今回は風を司る風帝と身代わりで花嫁になる双子の弟のお話です。

姉の代わりに神の供物となった受様が攻様の隣にいる決意するまで。

受様の国には年に一度、国を挙げての祭りが催されます。

かつて国に疫病が蔓延した際、全てを押し流す風を起こして
全ての悪しきものを払拭した風の神がいました。
風の神は魂を分かつた花嫁を探す為世界を巡っており、
偶然この国の惨状に目を留めて慈悲を掛けて下さったのだ
と言われています。

時の皇帝は風の神に感謝を捧げる祭りを行う事とし、
風の神の為に「花嫁」を捧げる事を決めるのです。

以来祭りが近づくと、各地の長が神官達の前で
「花嫁選び」の為の籤を引く事で「花嫁」となる娘を
出す地を選んでいましたが、なんと今年は
受様の村から花嫁が選ばれる事になってしまいます。

「花嫁」は神域の断崖絶壁から飛び降りる事になり、
およそ死を免れる事は出来ません。

花嫁に選ばれるのは15から18までの若い娘で
18才の受様の双子の姉も籤を引く事となりますが、
年齢順に引いた籤で不正が行われ、
最後だった受様の姉が花嫁とされてしまうのです!!

受様の身内は姉だけで彼女には薬師の恋人がいます。
逃げる事を提案しても首を振る姉は受様と瓜二つで、
受様は自分が身代わりになることを決意します。

彼女に眠り薬の茶を飲ませて長い髪を切り、
自分の髪に編み込むと髪を結い女の服をきて
白い服の神官たちの担ぐ駕籠に乗せられて
生れた村を始めて出るのでした。

受様の村から都まではの急げば1日の道のりですが
ゆっくりとした歩みはまるで見世物を晒すようです。
ようやく駕籠が停まり、受様が促された場所は
厳かな祝詞の漂う断崖絶壁でした。

眼下に怖いくらいに鬱蒼とした緑が広がり、
吹き上げる風に息ができなくなった受様でしたが、
覚悟の無いままにどんと背中を押されて
ふわりと崖下に投げ出されてしまいます。

ああ、終わる

そう思いながら緑に吸い込まれていく受様でしたが
ふわっと意識が浮上したと思ったら
優し気な声を持つ息を呑むほどの美貌の男に
抱きかかえられていていたのです!!

この美貌の男こそが今回の攻様です♪
攻様は受様に向かって「探したぞ、我が花嫁」と
頬に唇を寄せられ呆然自失になるのですが、
目の前の男は古の伝説で疫病を吹き飛ばしたと言う
神ではないだろうか!? と思い至ります。

果たして風帝の花嫁として捧げられた受様の運命は如何に!?

神の供物として捧げられる花嫁選びの儀に望んだ受様が
風帝である攻様の花嫁となる身代わり花嫁ものになります♪

受様はその場で失神してしまいますが、
次に目覚めたのは白銀の世界で攻様の花嫁として
攻様に熱烈な歓迎を受ける事になります。

攻様は受様に向かって「愛い」を繰り返し、
名前を呼ばれただけで「良いなあ」と相好を崩し、
受様の本当の名をきくと何度も甘い声で呼ぶのです。

そして受様に自らの眷属をつけて世話を焼かせ
「愛い花嫁」として構い倒すのですよ♡
戸惑う受様に向かっての攻様の「愛い」攻撃は
かなりMYツボで萌えました。

そんな攻様に対して受様は自分が男である事も
姉が「本物の花嫁」だとは言えないままに
時を過ごす事になり、ぐるぐる一直線なのです。

攻様はそんなぐるぐるな受様に色々と思うところは
あるのものの、神様なので人の機微には疎いので
それぞれの思い込みがすれ違いとなり、
なかなか2人の距離は縮まりません。

そんな受様に天界や帝の見守る世界に
混乱と混沌に広げる事を望む闇帝の手が伸びてきて
攻様の花嫁となった受様への悪手を伸ばすのです!!

受様が自らを攻様の花嫁と認め、攻様の手を取るまで
花嫁ものとしてはかなり王道路線な展開なので
受様がグルグルしても危機にあっても
安心してワクワク読ませて頂きました (^-^)/

帝達の花嫁は魂を天帝によって割られた魂の半分であり
天帝が作り出した数多の世界の中のどこかに存在する
という世界観、設定もとても面白かったので
スピンオフを期待しています。

0

甘いだけに惜しい

これから訪れる死を覚悟して、美しい駕籠に乗る偽りの花嫁。
偽者だと分かってしまう前に、どうか早く着いてくれ。
そんな焦燥感と絶望感に満ちたシーンから始まる物語。

風を司る神様×身代わり花嫁の組み合わせ。
タイトルを見ると糖分多めの花嫁もののような印象を受けますよね。
なので、レーベル的にもタイトル通りのお話にきっとなるんだろうなと思いつつも、序盤のあまりのシリアスっぷりと重苦しさに、一体どんな重く苦しいお話になるのか…とハラハラしてしまうんですよ。
これ、序盤で「思っていたのと違う」と思う方もいるんじゃないかなあ。
もちろんちゃんと甘さもありますし、面白かったのですが、苦みも強いかも。ちょっと評価が分かれそうなお話でした。
以下、内容に触れるのでご注意下さい。


かつて蔓延していた疫病を、花嫁探しをしていた風の神が吹き飛ばしてくれたことから、以来、国を挙げて毎年行われている感謝の祭。
祭と言えば聞こえが良いものの…
各地で長を務める者達が「花嫁」選びのためのくじを引き「当たり」の赤い石を引き当ててしまった長が治める土地の若い娘の中から1人、花嫁として捧げなければいけないのです。
風の神への嫁入りのために自ら断崖絶壁から飛び降りる。
つまり、死ななければいけない。
拒否し、逃げれば殺されて祭の間中その骸をさらされ、血縁者だけではなく隣近所の者まで罰を受ける。
いやこれ、ゾッとしてしまうほど酷い悪習ですよね…
しかも毎年どこかの村から花嫁が出ているわけですから、え〜…みたいな…

今回運悪く花嫁役に選ばれてしまったのが、主人公・琉衣の双子の姉。
病弱な琉衣に代わって懸命に働いてくれていた優しい姉に感謝と申し訳のなさを感じながら、幸せになってくれと言い残し、冒頭の通り、姉の身代わりに花嫁になるわけです。
そして、崖から落ちて死んだはずの自分を抱き抱えていたのは、白銀の髪を持ち、空色の瞳をした美しい男で…?と続きます。

序盤の展開が胸糞悪いなあなんて思っていたので、風帝・青嵐が琉衣を花嫁殿と呼び、ことあるごとに「愛い。愛いなぁ、私の嫁は」と愛でる様子にかなり救われる。溺愛ぶりが気持ち良い。
こちらの青嵐。喜怒哀楽の楽で構成されたような、いつもにこやかな笑みを浮かべている穏やかな風帝なんです。
もう、ずっと花嫁である琉衣のことを愛い愛いととにかく嬉しそうに甘やかすんですよ。喋り方までもがめちゃめちゃに甘い。
そんな彼から優しく愛されていることに喜びを感じてしまうけれど、本来ならば男であり、本当の花嫁でもない自分に向けられる愛情ではないのだ…と、騙している罪悪感を募らせてぐるぐるとする琉衣。
でも、相手は神様ですから、琉衣が男なことくらい出逢ってすぐに分かっているんですよね。
この辺りの、そもそもの誤解があってちょっと噛み合っていない感じと、切なさ、青嵐がべたべたに溺愛している様子はすごく楽しめました。
名前のシーンなんて可愛いの極み。
と、この2人の甘い雰囲気はすごく好みだったのですけれど…
うーん、このページ数でやるには惜しいなという設定が盛り沢山だったかも。ページ数が多かったらなあと思う。

琉衣のいた世界は天帝の作り出した中のひとつでしかなく、他にも何世界もあったり。
風帝以外にも水帝や炎帝がいたり。
世界を治める天帝とは逆に、秩序を壊す事を目的としている者がいたり。
中盤辺りから設定がたくさん出て来て、ハッピーエンドであるんですけど…ごちゃごちゃしているなあという印象が大きいです。
設定は面白かったのですが、青嵐と琉衣のエピソードをメインに書きたいのか、サブキャラクターの裏を描きたいのかが分からず。
掘り下げるのならどちらか片方が良かったんじゃないかなあなんて。
序盤の重苦しさからの糖度の高い展開は良かっただけに、その後がまとまりきっていなくて惜しい。

ラストエピソードはすごく良かったですし、仲睦まじい青嵐と琉衣の姿も素敵だったので…やっぱり他のキャラクターを使わずにメイン2人が気持ちを寄せ合っていく様が見たかったです。
萌萌と中立の間をとってこちらの評価で。
スピンオフがあったら読んでみたい設定の作品でした。
炎帝の花嫁・憂炎。彼のエピソードが1番気になります。

8

風の神様

先生買い。さらっと読めたので萌にしました。本編+あとがき。ひ〇りさんで買ったので電子限定書きおろし短編あり。イラストありで、ルビーさんは裏表紙、カバーの折り返しの先生プロフィールまで入れてくれてるので安心して電子買えます・・・

年に1度の祭りの季節が近づいてきましたが、今年、琉衣の村はどんより重い雰囲気。というのも、くじで当たりを引いてしまったので、風の神に捧げる花嫁を村から選出しなければならないからです。あいにく琉衣の双子の姉、若渓(ルオシー)は18才、村に頼れるものは少なく、花嫁になることを強いられてしまいます。今まで体の弱い自分の代わりに一生懸命働いてくれ、好き合った人がいる姉を花嫁になど出来るはずもなく、琉衣は姉の代わりに花嫁となり断崖絶壁から突き落とされ・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
若渓(受け姉)、闇帝(あんてい、天帝の半身)、飛龍(フェイロン、攻めの眷属)、憂炎(天界に住む人)、その他攻めの眷属ぐらいかな。

++攻め受けについて

攻めは飄々、かつ懐深い(神様だから当たり前か)、鷹揚とした方で、受けのことを「愛いなあ」「愛いなあ」と最初っから溺愛。戸惑う受けが「嫌だ」と泣いたら、わかったわかったと言わんばかりにほっぺにチュしてなだめて、まあ甘いこと。なんでそんな甘いんじゃ?と思っていたら、ちゃんと理由がありました。納得したし、とても甘くて嬉しい理由でしたよ・・・

受けは人間界にいたころ病がちで「ごくつぶし」と元々考えていた後ろ向きさん。ほんとの花嫁じゃないから余計にあれやこれやグルグル大変。どうなるんやと思っていたら、最後の最後に男前なところを見せてくれて、好感度upでした。

闇帝と、彼のところに堕ちて行った眷属の続きが気になるところではありますが、ひとまず風帝と琉衣が落ち着くところに落ち着いて幸せ感いっぱいで読み終えることが出来ました。安心して読める一冊ではと思います。

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